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ディズニーランドを感染源とする麻疹が流行し始めてから現在も多数の州に拡大している。ワクチン(MMR)を拒否する家族が増えている為、複数の2016年共和党大統領候補者はワクチンを子供に接種させるかどうかは家族が決定するべきであり、政府が強制するべきではないと発言した為論争的になった。数年前まで麻疹がほぼ根絶に近い状態になった主要因は米国でのワクチン普及であるにも関わらず、一部のアメリカ人が執拗にワクチンを拒否する根拠は何か? また、拒否の根源には意外な歴史があるが、現在展開されているワクチン論争とは何なのか?

疾病対策予防センター(CDC)の更新記録によると1月1日から30日までに14州で102人が麻疹に感染したと報告されている。これらのほとんどはカリフォルニア州のディズニーランドにリンクしている。CDCはワクチンを受けるよう呼びかけているが、感染の増大に伴い、ワクチンを拒否する親も増えている為、2016年の大統領候補であるニュージャージー州知事のクリス.クリスティ(右)及び、ケンタッキー州のランド.ポールは、政府が強制するべきではない、子供がワクチンを受けるかどうかは両親が決定するべきだと主張した為、ワクチン論争に火をつけた。

ワクチンを拒否している親は「ワクチンは自閉症にリンクしている」との説を信じているようである。1986年ニュージャージー州のある両親は15ヶ月の幼児に最初のワクチンを接種させた。まもなく、両親はその子供の態度やコミュニケーション能力に変化があることに気付いた。約3年後、その子供は自閉症であると診断された。他の大半のワクチン接種の子供達とは異なり、その子供は深刻な反応があったと両親は報告した。英国でも同様のケースがあった為、米英両国の両親は子供のワクチン接種と自閉症との関連性をリサーチするよう強く要請した。1998年2月、ロンドンのロイヤル·フリー病院の医師アンドリュー·ウェイクフィールドは英国医療誌ランセットに麻疹のワクチンと自閉症との関連性を示唆する証拠を発見したとの結論を掲載した。自閉症の子供の腸に麻疹ウイルスが発見されたという。

その後、多数の医療機関も研究を行ったが、この説を完全に裏付ける結果は発表されていなかった。2006年、ウェイクフィールドはMMRが安全ではないことを証明する為、複数の弁護士に大金を支払っていた容疑で捜査されていたことが判明した。この問題に関する決定的な医学的証明がなされていなかった当時、2008年の大統領選で共和党の大統領候補であったジョン.マケインはその年2月29日のタウンホール集会で「ワクチンの防腐剤に関連していることを示す強力な証拠があります」と述べた。その後も複数の有名人がメディアを通して、ワクチンが自閉症に関連していると主張し始めた。現在、CDCはMMRと自閉症との関連性を評価するためアトランタで研究を実施していて、結果は今年判明する予定である。

麻疹感染の拡大を懸念し、MMR接種を呼びかけているCDCと、麻疹のワクチンには論争的な歴史があるため、それを拒否している一部のアメリカ人を支持し、個人の選択に任せるべきだと主張している政治家達が論争を煽動している。2日のニューヨーク.タイムスによると、3 日間の貿易任務でロンドンを訪問しているクリスティは2日、イギリスのケンブリッジで、 麻疹またはその他の病気に対して、親が子供に免疫を与えることには「選択」と「バランス」があると述べた。しかし、1時間後には「子供たちはワクチンを接種すべきであることには疑問はありません」とスポークスマンを通して明白にしたという。新たな麻疹の症例と長い間奨励されているワクチンを拒否する両親との関連性について、記者の質問を受けたクリスティは、彼と彼の妻は4人の子供にワクチンを接種させたと述べ、それが「意見として提供可能な最大の表現です」と語った。しかし「公務員が考えていることより、親としてどう思っているかがもっと重要です。両親は物事の選択に幾つかの尺度を持つ必要があると理解しています。だから、それは政府が決定しなくてならないバランスです」と付け加えた。

ポールもクリスティと同様の立場であり、2日CNBCでのインタビューでワクチン接種は個人の選択だと述べた。眼下医であるポールは、ワクチン接種後に「深刻な精神障害」に発展した子供がいる多数の悲劇的な例を聞いていると述べた。3日、テキサス州の上院議員テッド.クルーズはワクチン接種論争について「大部分はヘッドラインを書きたい多くの記者がメディアで騒ぎ立てたものです。誰もクリス.クリスティが子供たちのワクチン接種に反対しているとは考えていません。ワクチンは歴史的に州レベルで決定されました。ほとんどの州は、テキサス州が子供の感染を防ぐためワクチンを義務化している状況と同じです。ほとんどの州は、宗教的信念のためにワクチンを拒否する人達を例外にしています。子供たちがワクチンを接種する必要があるかどうかとの疑問の答えは明らかであり、広範な合意があります。もちろん、子供は接種すべきです」と記者団に語った。フロリダ州のマルコ.ルビオも医療上の理由による例外を除いて、子供の麻疹の予防接種は「絶対に義務化するべきである」と述べ、予防接種を受けられない子供を含めて「十分な人々がワクチン接種を受けていない場合、3ヶ月以下の子供を危険に晒します」と語った。

子供のMMR接種を拒否している親の存在は、接種に積極的な大半の家族にとって地域問題になっている。従って、ワクチン接種を法律によって強制するべきであるとの意見が提起されたため、それが妥当であるかどうかも論点になっている。麻疹は着実に拡大している為、3日ホワイトハウスの報道官ジァシュ.アーネストは記者会見で、ワクチンを接種しない子供はそれだけリスクも高くなる為、常識的に物事を判断するよう呼びかけた。アーネストは「大統領はこの問題を法律で定める必要があるとは思っていません。常識の問題であり、正しいことをするべきです。自分の子供にとっても地域の子供にとっても正しいことであり、責任があります」と述べた。また「我々には新しい法律は必要ありませんが、常識的に行動するべきです。ワクチンを受けない人はもっと危険であり、子供をもっと危険に晒すことになります。それが常識であることは科学が明白にしています」と語り常識を強調した。

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