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両院の共和党リーダーおよび共和党議員同士は国土安全保障省(DHS)に融資する件で責任のなすりあいをし、現在行き詰まっている。期限までに融資を提供できない場合、DHS省の関連職員は無給休暇を余儀なくされる。議会共和党はオバマ大統領の移民法大統領令にこだわり、融資法案を通過できない状況であるが、テキサスを含む米国約半分の州は不法移民の強制送還を停止する大統領令を不服として12月に告訴していたようである。告訴した州は、移民法の大統領令でどのような被害を受けているのかを証明する必要があるが、彼らの弁護士は法廷で説得力に欠ける論争を展開した。

上院多数派リーダーのミッチ.マコーネルは、下院が通過した大統領令をブロックする融資法案 に民主党がフィリバスターを実行するため、投票は成立しないと述べた。彼は10日「上院では明らかに行き詰まり状態であることだけを伝えます。修正法案を提案することは不可能です。次の段階は明らかに下院次第です」と記者団に語った。しかし、その数日前に下院議長のジョン.ベイナーは下院はやるべき事をやったので、今後は上院の番であると語ったばかりである。下院共和党は、無条件でDHSに融資する法案を通過させることはできないと主張し、下院リーダーの一人は、下院がDHSに融資するための別の法案を送ることはないと公式に語っている。両院の共和党リーダー同士は対立している状態である為、DHSが閉鎖した場合14万人以上の労働者が強制無給休暇のダメージを受けることになる。現在、反移民政策のためDHSを人質にしていると批判されている状態であるが、上院では180度転換し、クリーン融資法案を通過するべきだと主張し始めた共和党議員もいる。しかし、両院の共和党リーダーはお互いに妥協する意志はないと言われている。

折しも、米国24州は移民法の大統領令を阻止するため告訴していたことが判明した。これは無能なリーダー達の行き詰まりと並行して厄介である。告訴している州はアイダホ、アリゾナ、アラバマ、アラスカ、インディアナ、ウェスト.バージニア、ウィスコンシン、オハイオ、オクラホマ、カンザス、サウス.キャロライナ、サウス.ダコタ、ジョージア、ノース.キャロライナ、ノース.ダコタ、テキサス、ミシガン、ミシシッピー、フロリダ、ルイジアナ、メイン、モンタナ、ネブラスカ、ユタである。この中で、最も不法移民人口が多いテキサス州が告訴を先導している。同州の司法長官グレッグ.アボットは、テキサス州は大統領の移民法の「大統領令に挑戦する独特の適性がある」と述べたという。彼は、南部テキサスは特に、テキサス州にとって国境の安全性が懸念されている地点であるため訴訟を提起することを選択した」と語った。

不法移民の運命は連邦判事の手中にある。移民保護団体は、この連邦判事アンドリュー.ハネンは前大統領ジョージW.ブッシュに任命された共和党判事であり、2013年12月、不法移民に人道的対処をしていたDHSの政策を批判したことがある為、この共和党判事は共和党司法長官の側に立つのではないかと懸念している。彼らは、テキサス州が不法移民を強制送還の危機から解放する大統領令に対抗するため、共和党連邦判事にその判断を委ねた場合、司法長官の主張を支持する危険性があることを恐れたという。オバマ氏の移民法を法的にブロックすることを決定したこれらの州はほとんど保守派州であるが、なぜ、不法移民が彼らにとって有害なのかを納得させる充分な証拠がない限り、裁判で勝利することは困難である。

大統領令の移民法は3年間、犯罪に関与していない約500万人の不法移民の強制送還を免除し、彼らが家族と共に生活できるよう配慮しているため、告訴したほとんどの州は、経済的負担を負うことになると主張している。12日のマザー.ジョンズ(MJ)によると、1 月 15日の聴聞会で原告側は、医療および教育費など不法移民にかかるテキサス州の負担を主張した。しかし、ハネン判事は「最高裁の判例、連邦法、および多くの州法は、文書化されていない人々(不法移民)の為の緊急医療や教育のコストを計上することを要求している。また、オバマの政策に影響を受ける人々は既にここに住んでいるので、彼らの医療と教育に関連する費用は、既に州が負担している為、新たな損害を引き起こすことはない」と指摘した。ハネン判事は 「この外国人は既にここにいます。ですから、何がどのように州に直接的ダメージを与えているのですか」と更に質問した。

これに対し、大統領令に対抗している州の原告側の弁護士アンドリュー.オールドハムは「不法移民に運転免許証を与えることはお金がかかる」と答えた。しかし、不法移民に運転免許証を発行する決定は連邦政府ではなく州である。テキサス州は現在、大統領令の遅延行動規定で定めている適正資格者に運転免許証を許可する法律を定めているが、州政府は単に法律を変更するだけでその「被害」を避けることが可能であると指摘。オールドハムは、連邦政府の遅延行動規定で与えている労働認可カードは州に有害であると主張した。一旦その労働認可カードを受けた個人は、結婚許可、運転免許証、プロのライセンスなどの全てに適正資格を得ることになるとし「傷は簡単に元に戻すことはできないという意味で回復できないです。少なくとも、カードは簡単に取り返しがつかないです」と反論した。しかし、全ての州が同じ規定を定めている訳ではなく、むしろ12州は事実、州の財政を援助していることが判明している。MJによると、合法的に労働している移民の支払う税金により、過去5年間でテキサス州だけでも3.38億ドルの歳入があった。

昨年11月の中間選挙で共和党が両院で圧倒的な勝利を果たした時、一部の共和党議員は、議会の機能不全は改善するかもしれないとコメントした。その予測ははずれ、DHS融資の法案さえ、身動きできない状況に陥っている。一方、24州の告訴が今後どのように進展するかどうか不明であるが、ベイナーも昨年数回、大統領令は憲法の権限を越えていると主張し、大統領に対する告訴に挑戦したが成功していない。当時、一部の専門家は政治的問題を法廷で争うべきではないと指摘した。いずれにしても、大統領令の移民法に対抗する為、テキサス州が先導している訴訟の原告側は合理的な理由がない為、インパクトが弱い。MJによると、最近の世論調査はヒスパニック社会で 89%が移民法の大統領令を支持しているという。従って、ヒスパニックの有権者が2016年の選挙に与える影響を恐れている為、移民法の大統領令に対する告訴はベイナーと同様、政治的動機による可能性が高い。

 

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