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患者が望まない薬でも強引に処方する医者が多い為、医者と医薬品会社との利害関係を疑う人は多数存在すると言われている。しかし、何らかの報酬として、医者は医薬品会社に支払われる情報について報告する義務を定めた法律があることについてはあまり知られていない。これは2010年に制定されたアフォーダブル.ケア.アクト(ACA)の規定条項であるが、最近から国民は、彼らの医者が医療関連会社から特別な恩恵を受けているかどうかをオンラインで調査できるようになった。これは最も透明性があるシステムであるが、専門家は掲載された報告の信憑性に問題があることを指摘している。

Physician Payment Sunshine Act (PPSA)と呼ばれるこの法律は最初2007年に共和党および民主党の二人の議員に紹介され、2010年に制定されたACAに含まれる6002条項である。2013年8月1日から、医薬品または医療器具会社から支払いを受けた医者は、その内容を公開することが義務づけられている。従って、その情報を一般の国民はアクセスできることになっている。これはオバマ政権でもっとも民主的で透明性のある制度である。医薬品、医療機器、生物学的製剤に該当する医療産業は、医師や教育関連病院に対する贈与または支払いの価値を米国保健福祉省(DHHS)の管轄であるメディケア&メディケイド.サービス.センター(CMS)に報告する必要がある。医療産業が医者を歓楽や食事に接待する出費も贈与として含まれている。また、医師やその親族が保有する特定の所有権や投資の利益についても、その購買当該者はCMSに報告しなくてはならないことを規定している。

CMSに報告する必要のあるカテゴリーはコンサルティング料、医者による教育費、または講演報酬、コンサルティング以外のサービス、賠償、継続教育プログラム以外のイベント報酬、謝礼、物品贈呈、娯楽接待、飲食などの接待、旅行と宿泊、教育および調査費用、寄付、ビジネスの忠実性に対する御礼、現在または将来の所有権や投資利益、非公認の編集報酬、補助金、医療設備スペースのレンタルや施設費などの全てが含まれている。CMSは2014年9月30日からこれらの報告を掲載している。またPropublica と呼ぶウェッブサイトにも公開されているため、一般の国民は彼らが関与している医者が医薬品または医療器具会社から何らかの支払いを受けているかどうかを検索する事が可能である。

現在、AstraZeneca、Eli Lilly、Merck、Pfizerなどの大きな医療産業を含む17社がこのウェッブサイトにリストされている。最新のデーターを州別にみると、40以上の州で複数の医者が何らかの支払いを受けていて、人口の最も多いカリフォルニア州はその合計金額が$491,340,883であり最大である。次に、フロリダ州は合計$358,882,128、 ニューヨークは合計$265,600,600を受けている。この報告が実施されるようになった背景には、医療産業が融資する研究開発において医学研究者に支払われる贈与を含む収入が報告されていないケースが多数あった為である。従って、この法律に従わない医者に対する罰則も存在する。現在、6州 が医療産業から年間に$100以上の支払いを受けた医者は報告することを義務づけている。報告を怠った該当者は、一回の受け取りに関して$10,000、年間に$150,000を超過しない罰金を科している。また、意図的に報告しなかった医者に対しては一回に $100,000、年間で$1,000,000を超過しない罰金支払いを規定している。

これは徹底した法律である印象を受けるが、米国医師会ジャーナル(JAMA)は報告後掲載された支払いのデーターには幾つかの点で信憑性がないと述べている。12,579件の論争的な報告の大半(72%)は未解決であり、その為掲載されていない。支払い総額22億ドルの 39%は、公開された支払いが明確にされておらず、明らかに未解決のままのデーターは不完全で不正確であると指摘している。また、注目すべきことに、全ての研究に支払われた90%は属性が異なるものであり、掲載された支払データーは文脈的に正確性が乏しいため、誤解を受けやすいと述べている。

医療産業は、新薬および新医療用具の開発において、医者との相談、研究および教育などの側面で、医者とは切っても切れない関係にある。PPSAが施行されるまで、医者が支払いを受ける習慣とその正当性を明白に知ることはなかったが、最近ようやくその情報が公開されるようになった為、透明性が改善した印象を受ける。PPSAの利点は、ある医者が頻繁に特別な接待を受けていることを患者がどう思うかを考えさせる機会を与える。モラルの側面から、医者の信頼性をアピールするためには、どのような目的で支払いを受けたのかを明白にする必要があるため、不必要な薬の処方箋を強制および過度の提供を防止することに役立つ側面もある。医者と医療産業との癒着を防ぐための法律には重要な機能があるものの、まだ歴史が浅い為、様々なミスや不正が発生しているのかも知れない。JAMAは、報告されたデーターは必ずしも正確ではないと指摘している為、今後法律を改正しCMSが監督を強化することで向上する可能性はあるかも知れない。

 

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