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1990年代から40%の州は宗教の自由回復を制定しているが、インディアナ州の共和党知事は先週、同類の法案に署名した。「宗教の自由」という表現は混乱しやすい概念であるが、宗教の自由回復法は、建国の精神を反映した伝統的な連邦政府の宗教の自由法とは異なる解釈がある。同州の法案は宗教の自由の名の下に、一定の少数派が差別を受ける結果になるとして、この法案に署名した同州の知事に対する批判が高まっている。多数の企業はインディアナ州とのビジネスをボイコットすることを公式に表明しているが、同州の知事は法を擁護している。どのような点で論争的であるのか? 伝統的な宗教の自由法と宗教の自由回復法の違いは何か?

アップル社の最高経営責任者(CEO)は、インディアナ州の宗教の自由法はビジネスに悪いと公言した為、波紋が拡大している。29日アップル社のCEO ティム.クックはワシントン.ポストに寄稿し「全国の州で、非常に危険なことが起きている。2ダース以上の州で導入された法律の波は隣人を差別することを可能にする。先週インディアナ州で制定された法案は国民の抗議をもたらし、アーカンソー州で通過した法案は個人が顧客へのサービスを拒否または州の差別禁止法に抵抗するため、彼らの個人的な宗教的信念を引用することができると言う。彼らは、私たちの国が築いた真の原則に反し、より多大な平等に向けた数十年の進展を逆転させる可能性を秘めている。アメリカのビジネス界は大分前に、あらゆる形態での差別はビジネスのために悪いことを認識している。私達は正しく公正な方法でビジネスを行うために努力している。従って、私はこの新しい法律の波に反対するため立ち上がっている。この運動により多くの企業が参加することを期待している。ノース.キャロライナからネバダに至まで、これらの法案を検討している州は、雇用、成長および21世紀の経済が一度両手を広げて歓迎した国の経済的活力を本当に傷つけるだろう」と書いている。クックはインディアナ州の新しい法律に深く失望し、同類の法案に拒否権を発動するようアーカンソー州の知事に要請している。

また、カリフォルニア州サンフランシスコにあるセールスフォース.ドットコムのCEOは全てのハイテク業界がインディアナ州の法律に反対するよう呼びかけ、憲法修正法第一条の宗教分離を固く信じていると述べ、宗教の自由回復法は「露骨な差別への扉を開く」ことは明らかであると批判し、顧客および従業員がインディアナ州に旅行する予定がある全てのプログラムをキャンセルした。また、アンジィーズ.リストを含む他複数の企業に加えて組合もビジネスをボイコットすることを宣言した。

宗教の自由を保護する法律には従来連邦法があるため、個人の宗教の自由を尊厳するための法律であるなら、州が別の宗教の自由回復法(RFRA)を制定する必要はないはずである。米国の宗教の自由は権利章典の一環として1800年代初期、憲法修正法第一条により個人の宗教の尊厳を保証している。また、憲法は議会が特定の宗教を採用することを禁止し、政教分離を明白にしている。故に、憲法修正第一条により自由な宗教の実践を保護すると同時に、憲法修正法第十四条において、宗教的な公民権を保証し、全ての人々に平等の保護を保証することで宗教による差別を禁止している。

しかし1993年、米国議会は連邦法であるRFRAを通過し、当時の大統領であったビル.クリントンが署名した。この法律は、政府の関心を最小限に限定することで、個人の宗教の自由のみに限定することを義務付けている。元来、この連邦法は連邦、州、及び地方政府に適用することを意図していた。30日に公表された州議会の全国協議会(NCSL)によると、1997年、最高裁はベルネ市対フローレスの判例で宗教の自由回復法は連邦政府のみに適用するが、州と他の自治体には適用されないと判定した。その結果、各州は独自のRFRAを適用するようになり、現在20州が制定している。それらの20州はアラバマ、アリゾナ、コネチカット、フロリダ、アイダホ、イリノイ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピー、ミズーリ、ニューメキシコ、オクラホマ、ペンシルベニア、ロード.アイランド、サウス .キャロライナ、テネシー、テキサス、バージニアであり、インディアナが最も新たな州として仲間入りした為、特に注目されている。

これらの州の宗教界および関連業界が宗教の自由を主張する場合、特に同性愛者に対する差別を法的に認めることであり、その差別をもっと透明化することを目的にしている。一定のビジネスが同性愛者に対するサービスを拒否することを認めることで、特定の客に対して差別を可能にする法律にインディアナ州の共和党知事マイク.ペンスが26日署名した後、各方面から喧々囂々の異論が提起され非常に論争的である。ペンス知事は差別を目的にしたものではない。差別を合法化することを求めている法であるなら署名していなかったと反論した。多数のビジネスがボイコットを公表するなどの反響が強いため、同州の民主党は撤廃を主張しているが、知事はこの法律は変わらないと宣言した。30日紹介されたABCニュースの中継インタビューで、この法律の制定により、キリスト教会は同性愛者に対するサービスを拒否できるのか? そのような差別は不法ではないのかとの質問に対して簡単な「イエス」又は「ノー」の応答を求められたペンス知事は応答に戸惑いを見せた。この法を支持する同州の有権者は、同性結婚者の結婚式および結婚式の写真撮影などのサービスを宗教的理由で提供したくない業界に対して、政府の強制を防ぐことが可能であると主張している。

つまり、本来の宗教の自由は個人が実践する宗教が抑圧されないことを保証する為である。一方、20州が制定した宗教の自由は、特に教義を重んじる宗教団体を保護する事を強調している点で「宗教の自由」の視点と目的が異なっている。後者は同性愛者の結婚式を躊躇またはサービスを拒否する教会の自由を重んじることを主張している。アリゾナ州は昨年2月、ビジネス経営者がLGBTに対するサービスを拒否することを認可する法案を通過したが、インディアナ州の法律はほぼこれと同じ発想であると言われている。クックは近年のこのような動きを最も注目しているCEOの一人である。その時も率先してビジネスのボイコットを宣言したが、結局アリゾナ州もRFRAを制定した。一時的にボイコットの影響を受けても、特に右翼文化の州の傾向性を変えることは困難である。

 

 

 

 

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