アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

インディアナ州の知事マイク.ペンスはインディアナポリスで31日午前中に開催された記者会見で、同州の宗教の自由回復法には著しい誤解があるとして、宗教ビジネス関係者に差別のライセンスを与えるためではないと繰り返し強調したが、幾つかの肝心な点で明白な解答が得られなかった為、記者団は疑惑を完全に払拭できない様子であった。記者会見後、様々な反論が寄せられた。インディアナ州知事の声明の真実性は今後様々な角度から試される結果になる可能性がある事を示唆した。

ペンス知事は冒頭で、先週自由回復法(RFRA)に署名したと報告し、基本的にこの法律は極めて重要な宗教の自由を強調していると述べた。しかし、インディアナ州の法に対する混乱、完全に間違っている誤解、根本的なご認識の問題があるため、これを正す意図があるので明確にしておきたいと述べた。また、法の目的は「ビジネスに差別のライセンスを与える」為であると広範に言われているが、「宗教ビジネスは誰かに対してサービスを否定することはありません」と短いスピーチの中で5回以上繰り返し強調した。また、「 私はゲイに対する差別を支持しません。誰であろうと、誰を愛していようと、彼らが何を信じていようと誰一人として嫌がらせを受け、虐待されるべきではないと私は心から信じています」と述べた。また、セルマでの「血の日曜日」の45周年記念には妻と3人の子供を連れて参加し、当時暴力の被害者であったジョージア州民主党の黒人下院議員ジョン.ルイスと一緒に行進した体験を語り、人種差別者ではない事をアピールした。最後に、インディアナは「強く安全」な州であるとの評判がある為、このような誤認識を正すため、今週法案を明確にし「我々はこれを修正し、前に進みます」と述べた。

記者会見での短い声明でペンス知事は、1993年にビル.クリントンが署名したRFRAは、現在民主党上院議員であるチャック.シューモア(ニューヨーク)が紹介したものであると述べた。しかし1997年、米国最高裁は、その連邦法であるRFRAは州に適応しないと判定した為、過去に19州がRFRAを制定し、オバマ氏も支持したと語り、各州のRFRAと1993年の連邦法が同一のものであるような印象を与えた。1993年のRFRAは個人が自由に宗教を実践する上で実質上負担を与える法律を防ぐことを目的に制定されたものである。この連邦法が最高裁での判例に引用されたケースは、雇用主が避妊システム(経口避妊薬及び避妊器具)を女性従業員に提供することを義務づけたオバマケアに挑戦したホビー.ロビー(Hobby Lobby)に対する昨年6 月30日の判定である。同社の女性CEOは、宗教を実践している経営者にとって経済的に著しく負担であると主張し、この判定で勝利した。RFRA連邦法はあくまでも個人の宗教の自由を保護していて、伝統的な宗教の自由法に近い。しかし、多数の州も含めて、同州のRFRAは性質が異なるとの理由で批判されている。ペンス知事はこの点を明確にしていない。

従って、幾つかの側面から、今朝のペンス知事の記者会見は問題を解消した結果には至っていないので、困惑は残ったままである。知事の声明は、宗教関連ビジネスに対して、同性愛者にサービスを拒否することを禁じる明白な条項があるか否かを明白にしなかった為、納得できない記者が多かったようである。特に、インディアナ州でゲイに対する差別を明白に禁止する法案を制定する事、又はそのような法案を支持するかどうか記者の質問を受けたペンス知事は「それは私の議題ではありません」と答えた。複数のメディアは記者会見後、1993年の連邦法であるRFRAは独自に制定された各州のRFRAとは異なっていると反論し、州によってはもっと広範な条項が設定されていると指摘した。また、ABCニュースのインタビューでは潜在的な差別を指摘された質問に対して簡単な「イエス」又は「ノー」の応答さえ出来なかったため、「ビジネスに差別のライセンスを与える」為ではありませんと繰り返し強調した今朝のスピーチは「準備されたものであることは明らか」であり、「誤認識を越えた問題がある」と指摘したジャーナリスがいる。彼は「この法律(インディアナ州のRFRA)は連邦政府のRFRAよりもっと多岐に及ぶが、イリノイ州のRFRAは差別しない」と指摘した。

記者会見でのペンス知事の要点は、同州のRFRAは誰に対しても差別する権利を与えないことを明確にすることを公約した事である。州議会が差別を意図した法案を制定することは微塵も信じられないし、それは州議会および自分の意図ではない。従って、そのような認識に対しては大胆に対処しなくてはならないと述べた為、この法の支持者らの証言とは異なる印象を与えた記者会見である。いずれにしても、州の法律に対してこれほど騒がれている例も少ないが、ペンス知事が公言したことが真実であるかどうかは同州の今後の動きを見る以外に方法はないと思われる。インディアナはRFRAを制定した今年初めての州である為、2016年の大統領選にも影響を与えるとの懸念と憶測があり、特に注目されている。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。