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サウス.キャロライナ州ノース.チャールストンの警察官マイケル. スレイガーは非武装の黒人ウォルター.スコットを背後から射殺した容疑により、7日第一級殺人で起訴された。この事件は4日に発生し、3日後には警察官が逮捕されるという前代未聞の早急な展開を見せている。白人警察官が非武装の黒人を虐待および射殺するケースは最早稀ではないが、この事件は見逃せないユニークな要点がある。警察官の逮捕を促進した主な要因は何か?ノース.チャールストンの社会的背景が事件の隠れた要因なのか? この事件には幾つかの驚異的な要点があり、様々な事を考えさせられる 。

8日のワシントン.ポスト(WP)によると射殺された50歳のウォルター.スコットは約9ヶ月前、トラック部品会社の職を得ていて、ちょうど彼のガールフレンドにプロポーズし、車を購入していた。土曜日の朝、彼は古いモデルであるベンツに乗り、サウス.キャロライナ州ノース.チャールストンの自動車部品店に向かっていた。午前9時30分頃、同市の警察官マイケル.スレイガーは、壊れたテール.ライトの車を運転しているとして、自動車部品店の近くでスコットを路肩に停車させた。その後、クレイグ通りで信号停止の時、車を降りて逃げたスコットを徒歩で追跡する行動がエスカレートした。スレイガーは彼のラジオに「黒人男性、緑のシャツ、青パンツ」と叫んだ。

4月4日にノース.チャールストンで起こったこの事件について幾つかの話がある。一つは警察官が語ったこと、二つ目は公開されたビデオであり、三つ目は、警察官が最初に語った事と公開されたビデオのギャップを埋める話である。スコットの家族の弁護士クリス·スチュワートは、スコットの家族は家庭裁判所の令状を所持していたことを報告した。これは被害者側に早急な法的対応があったことを示唆している。彼の兄アンソニー·スコットは「彼は、その朝逃げ、警察官に殺された」とニューヨーク.タイムスに語った。

警察官を第一級殺人で起訴した前代未聞の迅速な展開の要因は何か?通常、確実な目撃者がいない場合、当事者の一人は死亡しているため、警察官の主張が決定的になる。一般に公開されたビデオの画面には、高い金属製のフェンスがある静閑な空き地で緑のシャツを着た男性が走っている時、背後から警察官が拳銃で数回射殺した後、手錠をかけその場を去った。警察官は数十秒後に遺体の側に戻ったが、その時は別の黒人らしき警察官がいた。その警察官はブルーの手術用手袋をつけると、スコットの側にひざまずいた。その時、スレイガーはスコットが横たわっている体の近くに、映像では明白に確認できないがピストルのような形状の物体を落とした瞬間が映し出されている。これは非常にショッキングな映像であるが、素人の目にも明らかに証拠を捏造しているように見える。

ビデオには信号で止まったシーンは録画されていないが、WPによると、二人の物理的な接触は葛藤で始まり、何らかの物体(おそらく、テイザー)が地面に落ちた時、スコットは突然警察官に背を向けて走り出し、走っているスコットの背後から遠ざかる彼の背中に向けて、警察官は8回射った。報告された射撃数は背中に4回、耳に1回であるとスコットの家族の弁護士は語った。しかし、報告された最初の警察の話では、信号停止の場所から男は逃げ、警察官は当局が提供しているテイザーを使って彼を止めようとしたが、効果はなかった。男はその警察官のテイザーを奪うとしてもがき、奪った後に警察官に対してそれを使おうとした為、拳銃をつかみ射殺したという事になっている。驚異的なこの事件の要点は、スレイガーがテイザーを身動きしないスコットの体のそばに落とした時、射殺後最初に駆けつけた警察官が既にその遺体の側にいたことである。

二つ目の要点は、警察官の証言の内容とスコットが射殺された瞬間を捕らえた携帯ビデオの違いがスレイガーを殺人容疑で逮捕した決定的な要因になった事である。嘘の証言をした警察官も含めて、スレイガーは射殺の現場から数メートル離れた距離にいた通行人の男性がこの時の様子を携帯電話に録画し、スコットの家族に提供したことを数日間気付いていなかったことがこの事件をもっと劇的にしている。この事件の三つ目の驚異は、スレイガーがスコットを射殺した後、最初に駆けつけた警察官は自身が目撃した事実(ビデオに放映された事)に反する嘘の証言をした事になる。

射殺場面は通行人に収録され、それを被害者の家族に素早く提供された事も稀であるが、33歳の白人警察官が黒人を射殺し、第一級殺人で起訴されたことは極端に稀である。非武装の黒人を警察官(ほとんど白人)が射殺する事件は近年増加しているが、警察官が逮捕される前例はほとんどない。一部を録画した携帯のビデオは全てを語っていないが、少なくとも背を向けて走っている黒人男性を射っている警察官の姿が描写されている映像が公開されていなかった場合、今回のケースで警察官の処分はどうなっていただろうか?これはこの事件の重大な疑問である。特に目撃者がいない場合、ほとんど当事者である警察官は起訴されない。もし、ビデオが公開されていなかったとしたら、真実を知る別の当事者は死亡している為、警察側の証言は黒人である被害者側に著しく不利である。

サウス.キャロライナは黒人が多い州であるが、WPによると、チャールストンの黒人人口は25%で、ノース.チャールストンは47%である。チャールストンは海軍基地の閉鎖後、失業者が多く、過去20年間でチャールストンからノース.チャールストンに移動する黒人が次第に増加した。近年、警察官と黒人地域社会の間に緊張があるという。この事件がそのような社会的背景と何らかの関連性があるかどうか不明であるが、スレイガーは今後、裁判を通して判決を受けることになる。4日に起きた事件は、警察官のボディ.カメラをもっと有効化させることも含めて、明らかに法務執行の法的問題を見直す機会になる。少なくとも、警察官は一般の国民がウォッチドッグの役目を果たすことを意識するようになる。誰でも携帯しているスマートフォンなどの文明の利器が黒人に対する理不尽な行動に歯止めをかけるきっかけになれば、ファーガソンやノース.チャールストンの黒人地域社会の前途は幾分安全になるかもしれない。

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