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傍観者が警察の行動をビデオに収め匿名で公開するケースはさほど稀ではないが、被害者の家族に直接提供したことで一般に身元が知られるケースは稀である。ノース.チャールストンで4日に起きた警察官の射殺現場を携帯電話に録画した男性は、予想どおり早速英雄としてメディアに紹介された。個人の隠し撮りビデオに対して、警察官のボディ.カメラの利点が強調され、数年前から要請、提案、強制などの理由により利用が増加している。市民ビデオとボディ.カメラの現状はどうなっているだろうか?それらの論争的な相違点は何か?

昨日、NBCニュースの独占インタビューに答えた23歳のフェイディン.サンタナはサウス.キャロライナに住むドミニカ移民である。彼は土曜日の午後、通話中職場に向かって歩いていた時偶然現場に遭遇し、見たこと聞いた事を録画したと語った。彼はビデオに録画する前に、警察がスコットを追いかけているシーン、電話をしているシーンを見た。葛藤があったかを聞かれ、体は地面上に低い状態で、警察官はスコットをコントロールし、状況をコントロールしていた。彼はテイザー(電気ショック銃またはスタン.ガン)の音を聞いたが、「スコットはテイザーから逃げたのだと思う。警察に対してテイザーを使ったのではない。スコットはテイザーから逃げようとして走ったと伝えた。またどうして、録画したのかを聞かれ、自分の家族が同じような事に遭遇したら、真実を知りたいと思うと語った。NBCは引き続き彼にインタビューすると公表した。

サンタナの隠しビデオは 、市民ビデオ録画の論争を再燃する結果になっている。しかし、匿名の個人が警察の行動を録画することは別に新しいことではない。8日のニューヨーク.タイムス(NYT)によると1991年にロスアンゼルスで黒人のロドニー.キングが複数の警察官の無謀な殴打による暴力を受けていた時、市民が録画したビデオが公開された後、記録的に大規模で長期的なデモ抗議に発展した。最近の例では、連邦政府の司法省は、ファーガソンのケースを調査していた時、市民が警察官をビデオで隠し撮りしている事実を発見した。ファーガソンのある警察官は16歳の少年を交通停止させた時、ビデオに録画しないよう要請した。しかし、少年はその要請を拒否した為、口論に発展した。その警察官は少年から携帯電話を取り上げ、車内にいた全員を逮捕した。つい最近フロリダ州で、複数の警察官がホームレスの男性を殴っている様子が携帯電話に撮影され、一般に公開された。ワシントン州では、複数の警察官に石を投げた男性が射殺される場面のビデオも個人が録画した 。ニューヨークでは二名の警察官が黒人を逮捕したが、その逮捕の理由はビデオに公開された事情と異なっていたため退職するはめになった。

このように、最近不特定多数の素人によるビデオが公開される状況が増えている。警察官は警察が制御不可能な市民の隠し撮りを非常に嫌っているが、「多くの裁判所は市民が警察の行動を記録する憲法上の権利がある」ことを認めているため、コントロールできない状態である。また、ボディ.カメラを装備することに積極的ではなかったが、その傾向は変わってきた。市民の隠し撮りは必ずしも全容を伝えていない時もあるため、真実を完全に把握出来ない場合がある。サンタナのインタビューが示唆している通り、多数の法務執行機関は市民のビデオは全ての経過を録画していない場合が多いため全て真実を語っていないと主張している。過去にボディ.カメラを拒否していた多数の警察官は、ボディ.カメラを装着し、事の成り行きを最初から最後まで録画すれば、もっと全容が明らかになるという理論を支持するようになった。ボディ.カメラの別のメリットとして、ボディ.カメラを機能的に利用している警察官は「攻撃的な行動が減少する」傾向があるとNYTは伝えている。

警察官のマイケル. スレイガーは4日の事件当日、ボディ.カメラを装備していなかった。NYTによると、ノース.チャールストンは約100,000の人口である。同市の警察署は最近100個のボディ.カメラを注文したが、更に150個を追加注文したため、今後全警察官はボディ.カメラを着用することが義務化される。また、警察官が装備するボディ.カメラの有効性について論じられている。FOX6ニュースによると、全米には18,000の警察署があり、そのうちボディ.カメラを利用している警察署は1/3である。まだ全米に普及していない事に加えて、ボディ.カメラを装着している警察官は、職務中常に使っていないことが多いと言われている為、司法システムをどれほど信頼できるのかという疑問は常に提起されている。

しかし、2013年以降、多くの州は警察官にボディ.カメラを使用するよう強制している。州全体で利用されているカリフォルニアでは警察と市民との小競り合いの問題が激減し、暴力と苦情が著しく減少したことが報告されている。アリゾナ州では全ての管轄で警察官がボディ.カメラを強制的に着用する法案を民主党の州議員が紹介したが、その後の経過は不明である。ミズーリ州の上院議会は2014年8月、連邦政府が資金を提供する前に、ボディ.カメラを全警察官に義務づける事を提案した。バーモント州では疑わしい市民との対応も含めて、職務中全ての活動を録画することを強制する法案が紹介された。

警察による射殺事件が増えている現状を反映しているが、ドミニカ移民であるサンタナの本能的な行動による隠し撮りに対して、その弱点を強調することでボディ.カメラが再度見直されている。警察官が黒人を虐待または死に至らしめた過去のケースは、ほぼ全て起訴されていない。証言者の見解が異なり、確定的な証拠がないからである。また、保守派州の審判員は圧倒的に白人であり、素人のビデオが決定的な場面を撮らえていても、警察官は真実を語っていると信じる審判員もいると言われている。そのような州では強制的に着用させる提案を実現させる必要がある。いずれにしても、任務に忠実で誠実な警察官はボディ.カメラを装着し、常に使用することに抵抗はないはずである。

 

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