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しかし、驚くことに、このインテリジェント.デザインを高校のクラスで教えるべきであるかどうかの論争が今日も続いている。2005年、ペンシルベニア州のドーバー地域の高校では、裁判による判決で初めてインテリジェント.デザインを科学のクラスで教えることが認められた。ピュー.リサーチ.センターの世論調査によると、一般大衆は学校では人類の起源については複合的に教えることが理想的であるとする一方、大半は進化論を支持するものの、2/3のアメリカ人は学校のカリキュラムにクリエイショニズムを追加することを好んでいる。また、54%のアメリカ人は、科学者は一般に進化論に同意していると信じているが、進化論を支持する強力な科学的証拠があると信じる国民はわずかである。この報告は、2004年のギャラップの調査で、35%がダービンの進化論は科学的に証明されていると答え、ニュース.ウィークの調査では、進化論は科学的証拠に照らし、世界の科学者に広範に受け入れられていると答えた人は45%だった事を明らかにした。これは2005年に別の組織が調査した際、ダービンの進化論は化石の発見により証明されていると思うと答えた参加者は45%で、思わないと答えた人は48%であった。

ミラー教授は、最も意義深い要素として、宗教原理主義が影響を及ぼしていると語っている。頻繁に神に祈り、神を強く信じている個人ほど進化論が絶対的に正しいとは思わない。加えて、ミラー氏によると、進化論の課題はアメリカの政治、特に共和党の大統領となる可能性のある候補者に彼らの宗教観を試すリトマス試験として頻繁に利用されている。また、ミラー氏及び彼の同僚は、強固に生命の尊厳を主張し、妊娠中絶に反対する個人は中絶に賛成する個人より著しく進化論を拒否することが判明したと述べている。アメリカの成人に遺伝学の理解能力が欠けていることも要因のひとつであり、わずか1/3の成人が50%以上の人間の遺伝子はねずみの遺伝子に同一性があり、わずか38%の成人のみが50%以上の人類の遺伝子はチンパンージに共通していることを認識している。このような結果は科学教育で問題であるばかりでなく、近年のアメリカの科学の授業は効果がない事を示唆しているとミラー氏は述べている。ミラー氏が述べている問題点の理由は75%以上のアメリカ人がクリスチャンで、そのうちの大半は聖書を信じている事実に照らし合わせると、進化論に基く科学の勉強をする意志は最初からない人が多いと言われている。

更に35万人を対象にした2009年の世論調査で、宗教は人生で大切なものであるかとの簡単な質問に対する州別の結果は下記の通りであった。

最も宗教性の高い10州 最も宗教性の低い10州
ミシシッピー 85% バーモント 42%
アラバマ 82% ニューハンプシャー 46%
サウス.キャロライナ 80% メイン 48%
テネシー 79% マサチューセッツ 48%
ルイジアナ 78% アラスカ 51%
アーカンソー 78% ワシントン 52%
ジョージア 76% オレゴン 53%
ノース.キャロライナ 76% ロード.アイランド 53%
オクラホマ 75% ネバダ 54%
ケンターッキー 74% コネチカット 55%

報告によると、最も宗教性の低い州のうち6州でも大半が宗教は人生で重要だと答えている。また、最も宗教性の高い10州のうち、ノース.キャロライナのみが2008年の大統領選でバラク オバマを支持し、最も宗教性の低い10州のうちアラスカのみがジョン.マケィンを持した。

歴代大統領がどのような宗教に関与しているかを観察すると驚くことに、ほぼ98%が何らかのキリスト教の宗派に属している。キリスト教の宗派は小さい組織まで含むと約200種類は存在すると言われている。主なキリスト教の宗派には、大統領の数の多い順に下記のような種類がある 。

エピスコパリアンはアメリカ合衆国内での聖公会又はアングリカン.コミュニオンと呼ばれるグループでイエス.キリストの信者であり、父、子及び聖霊の三位一体の教理を信じる団体である。これが最も伝統的な宗派である。この宗派に属していた歴代の大統領は古い順から、初代大統領のジョージ.ワシントン、四代目のジェイムス.マジソン、五代目のジェイムス.モンロー、九代目のウィリアム.ハリソン、十代目のジョン.タイラー、十二代目のザッカリー.テイラー、十四代目のフランクリン.ピアス、二十一代目のチェスター.アーサー、三十二代目のフランクリン.ルーズベルト(民主党)、三十八代目のジェラルド.フォード、四十一代目のジョージ.ホーワード.ブッシュ(共和党)である。

プレスバイテリアンは長老派でプロテスタント.カルビン派として知られ、七代目のアンドルー.ジャクソン、十一代目のジェイムス.ポーク、十五代目のジェイムス.ブキャナン、二十二及び二十四代目のグロバー.クリーブランド、二十三代目のベンジャミン.ハリソン、二十八代目のウッドロー.ウィルソン、三十四代目のヅワイト.アンゼンハワー(共和党)、四十代目のロナルド.レーガン(共和党)が属していた。

バプティストは最も大きな宗教団体のひとつでプロテスタントの一派であり、洗礼を行う教会に属する。二十九代目のウォーレン.ハーディング、三十三代目のハリー.トルーマン(民主党)、三十九代目のジミー.カーター(民主党)、四十二代目のビル.クリントン(民主党)などが挙げられる。

メソジストもプロテスタントの一派に属し、自由意志の概念を保持する。十八代目のユリシス. グラント、十九代目のラサフォード.フェイン、二十五代目のウィリアム.マッキンリー、四十三代目のジョージ.W. ブッシュ(共和党)が属している。

ユニタリアンは三位一体の教理に対抗して、新約聖書に基づいてイエス.キリストを神の予言者及び超自然的な存在とするが、神そのものではないという概念を支持するグループである。二代目大統領のジョン.アダムス、六代目のジョン.クインシィ.アダムス、十三代目のミラード. フィルモア、二十七代目のウィリアム.ホーワード.タフトが属している。

キリストの弟子はプロテスタントの主流派にあたり、イエス.キリストが神であり救世主であるとする宗派である。これに属する歴代の大統領は二十代目のジェイムス.ガーフィルド及び三十六代目のリンドン.ジョンソン(民主党)である。

オランダ改革派はプロテスタント宗教革命を機にヨーロッパ各地で新たな教会が発足し、1620年後半に北米にも出現した宗派である。八代目大統領のマーチン.バン.バレンと二十六代目のセオドア.ルーズベルトが属していた。

クエーカーは1650年代にイギリスで設立され、アメリカ友会はその実践と礼拝の様式及び神学体系が様々に異なる。三十一代目の大統領ハーバート.フーバー及び、ロッキード事件のスキャンダルで有名な三十七代目のリチャド.ニクソン(共和党)がクエーカーだったといわれている。

カトリックは世界最大のキリスト教の宗派でローマ.カトリック教会に属する。教会の伝統と階級組織が重んじられ、信仰の真実性は聖書にあることを説く。三十五代目大統領のジョン.F. ケネディ(民主党)は有名なカトリックの信者であった。

会衆派教会信者はプロテスタント教派のひとつに属するグループで聖書を信仰の要として実践している信徒を指す。三十代目のカルビン.クーリッジ大統領は会員の一人であった。

キリスト教団は元来、改革派の伝統を受け継いでいる主流派プロテスタントの母体で会衆派教会の一部に属する。また、ドイツのマーチン.ルーサーが広めたルーサー派にも影響を受けたと言われている。現在の四十四代目大統領、バラク.オバマは2008年の脱会以前、20年以上シカゴで三位一体原理キリスト教団のメンバーであった。オバマ大統領は就任前後、ワシントンD.C に新しい教会を探していた。

古くからの研究によると、投票のパターンを分析しても宗教が大事であることが理解できる。教育、収入を考慮に入れても、民主党に投票する率はプロテスタントよりカトリックの方が多い。つまり、共通の民族性と共通の信仰を持つ政治家の政治的展望性には説得力があり、投票と党の分離は異なる宗教間のグループ同士の分離が反映されている。例えば、ブッシュ政権の共和党は伝統主流派プロテスタントに強く支持されている。1952年の選挙では50%のカトリックの票はアイゼンハワーに集中し、1960年の選挙では、ほぼ80%のカトリックがケネディに投票している。カトリックは総体的に、共和党より民主党に投票する傾向がある。共和党もカトリックの票は得るが、比較的民主党より少ない。

アメリカは憲法修正第一条により政教分離を明確にしている為、ある特定の宗教を支持することはできないが、多くの歴代大統領は信仰心の厚い国民の支持を得るため、自らの信仰度の程度に関わらず宗教的神聖性を公的にアピールする努力を怠らない。最近まだ記憶に新しいロナルド.レーガンは1981年1月20日の就任式で、アメリカは地球で特別な国である、我々は神の下に築かれた国であり、神が我々に自由を与えてくれると信じると述べた。2001年に就任したジョージ.W.ブッシュもアメリカこそ唯一神に選ばれた国家であり、自由こそ人間のための神の計画であると強調し、行動の自由と権利を繰り返し主張した。 (続)

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