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専門家は、グローバル化が増大する度合いに比例して、1990年代の中頃からアメリカで発生するテロの頻度は2倍になったことを懸念している。2001年9月11日の同時多発テロ事件後、アメリカの飛行機爆破を狙った事件は2回発生した。国民の安全を守るためには、空港にイメージ技術装置や全身スキャナーが設置されるなど、益々プライバシーの侵害に及ぶ安全対策が追加されるようになった。グローバル時代におけるテロリズムの定義、特徴、及び原因などについて、多くの学者は様々な角度から推論や議論を提起しており、グローバル時代の政治的、経済的、宗教的、及び文化的観点から述べた洞察はいずれも興味深い。テロリズムの定義については多くの学者が様々な見解を述べているが、定義することは難しいことを告白している。最も一般に解釈されている定義は、一般市民を巻き添えにすることによって恐怖感を煽り、暴力で政治的改革を要求した個人又はグループの破壊行為である。

歴史は繰り返すと言われるが、テロリズムは時代と所を越えて繰り返し人類史上に悲惨なページを綴ってきた。フランス革命において、最初に恐怖又はテラーという言葉が使われたのがテロリズムという言葉の発端である。人類史に影を落とす残忍な破壊行為であるテロリズムは、暗殺、戦争、及びゲリラ戦争などの暴力と区別する必要がある。また、共同社会の暴動は、一般に集団的な行為であり、組織化された行為ではない点で別のタイプの暴力行為であり、テロリズムと区別されている。また、テロリズムは何らかの政治に反対する者の行為であり、政策の改革を要求し、あるいは政治的システム又は現状を攻撃することを望む者が犯す行為であると定義している。米国政府による定義はこれを含めて、集団又は悪巧みを秘めた組織が指揮する行為である。テロリズムは、国内及び国際に分類できるが、国も兵士や、戦闘機、及び戦車を使うことによりテロ行為を遂行できるため、恐怖という意味では国及び個人の差はない。

テロリズムの定義と概念について、ジャーナリスト、大学教授、作家など多彩な経歴を持つパキスタン系アメリカ人のイクバル. アーマッドは、テロリズムは5種類に分類できると述べている。ひとつは、国によって行うテロ行為、二つ目は、宗教又は神聖化されたテロ行為、三つ目は、単なる犯罪的テロ行為、四つ目は精神病者によるテロ行為、最後に個人グループによるテロ行為である。国が後ろ盾になったテロ行為の回数は個人のグループのテロ行為に比較すると過小推定しても1000対1であるという。また、国が後ろ盾となったテロ行為は決してテロリズムとは呼ばれず、対テロリズム、対反乱、及びロウ. インテンシティ.コンフリクト (LIC)と呼ばれる。LICは一般に対テロ活動、平和維持活動、国際条約義務の履行、特殊訓練などを含め、軍隊力を利用したある種の敵対行為を意味する。

アメリカ言語学者及び政治活動家であるノーム.チャムスキーは、LICはアメリカの政策であるが、性質的にはほぼテロリズムと同一であると述べている。例えば、トルコやイラクがアメリカの武器を使用し、国境内で何千人ものクォード人を殺害し、グアタマラやエルサルバドルでアメリカが資金提供した暗殺部隊が何百万人もの農民を殺したように、国は自国の人々や土着民に対して戦争を起こすかもしれないが、これは決してテロリズムとは呼ばれない。レーガンが認可したニカラグアのコントラ事件やアフガニスタンのムジャハディーンは完全に、政府を打倒するため計画されたCAIの工作である。過去の歴史が示すとおり、このような市民に対する戦争は、共産党主義者だからという理由で正当化されたが、実際は自分たちの生活、土地、及び生き方を守ろうとした単なる貧しい農民に過ぎない場合が多々あった。しかし、オサマ.ビンラディンのように個人のグループが武装し、国の権力に対して報復行為を行うとテロリストのレッテルを貼られると述べている。

歴史は皮肉である。1970年代、ソ連がアフガニスタンに侵略した際、アメリカ政府はオサマ.ビンラディンを自由の戦士として、以前ホワイトハウスに招待し、軍備武装などの援助をした。ビンラディンと同様、サダム.フセイン、パナマのノリエガ、イランのシャーもまたCIAに育成された独裁者であるが、彼らは次第に権力を持ち過ぎ、国家主義者になり過ぎたのだという。これを専門家はブーメラン効果と名づけている。しかし、特にビンラディンは葬り去る必要があるからテロリストのレッテルを貼られたのだという。

グローバル時代におけるテロリズムの特徴について、学者は1960年代及び70代のテロリズムは1990年代から今日起きているテロ事件に比較した場合、様々な点で違いがあることを指摘している。テロリストの性質が歴史的に変わってきている点について共通する見解は、今日のテロリストは数十年前のテロリストに比較してあらゆる点で異なるということである。例えば、過去のテロリストは中央指揮を伴う階層的組織内でもっとプロとして訓練を受けていたケースが多かったが、最近のテロリストは組織構造が不明確になってきている。また、過去の場合、テロリスト.グループは国籍が統合されていたケースが明白であったが、アルカイダのような最近の組織は多国籍からのメンバーで構成され、組織のリーダーが必ずしもその国の出身ではないケースが多い。従って、テロリストの身元を確証することがより複雑で困難になっている。

更に過去のテロ行為の傾向を分析すると、現在のテロ組織は、ビンラディンが率いたアルカイダが東部アフリカのアメリカ大使館を爆破した例や9月11日の同時多発テロなどのように、特定したテロ行為の責任を明確にしなくなってきている。つまり、過去のテロリストはそのテロ行為の背景にどのような政治的意図があるのか、自分たちは何者であるかを明白にしてきたという。例えば、1972年のミューヘン.オリンピックで起きた黒い9月事件はイスラエルの選手が結果的に殺されたが、彼らの目的はイスラエルに収監されているパレスチナ人の釈放を求めた点が明白であった。独立戦争で長い歴史のあるアイルランド共和国の武装組織IRAのテロは北部アイルランドから英国人を追い出すことを目的としていた。パレスチナ解放機構(PLO)はイスラエル共和国人を西岸から締め出すことが目的であった。しかし、近年のテロリストの要求は、このような過去の例に比較すると、はるかに不明瞭になっている点が確実な違いであると学者は述べている。例えば、1998年にアフリカ東部で起きたアメリカ大使館の爆破事件や9月11日の同時多発テロでは、テロリストは明確な要求をしていない。また、テロリストの破壊行為は過去に比較して無差別になってきている。例えば、1993年及び2001年の世界貿易センターのテロ行為は、特定の目的によるハイジャクや、あるいは特定の政治家を狙った誘拐に比較して、無差別に市民が犠牲になっている。 (続)

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