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テロリズムの原因を文化的に分析した学者の議論には、最近の傾向性としてテロリストのイデオロギーが宗教的になってきていることを挙げている。新しい宗教的テロリズム又は神聖なテロリズムと呼ばれ、最も顕著なイスラム原理主義又はイスラム政党、及びキリスト教原理主義などの避妊に反対する過激なグループ、ユダヤ民族運動のシオン主義、及び1995年に東京の地下鉄にサリンガスを撒いたテロリスト.グループのオウム真理教などが例として挙げられる。このようなグループのテロ行為は、早期の過激派グループのテロ行為に比較すると、その本質的理由はますます曖昧で、宗教的イデオロギーの要素が濃い。

2009年12月 25日に起きたノース.ウェスト航空の飛行機爆破未遂事件後、ニューヨーク. タイムスの12月28日の記事には、イエメンのアルカイダ関連のインターネット掲載誌に、そのリーダーはイスラム教徒に対する戦争に参加した西洋諸国を十字軍と同じだとして、イスラム諸国と戦う西洋諸国の空港及び機内、地下鉄、更には住宅地までを含む箇所には小さな爆弾を使うよう駆り立てたことが紹介されていたと報じた。1998年2月、ビンラディンはアメリカに対する憎しみを、アメリカの民間人及び軍事上の同盟国の国民を殺すことは、彼らがどこにいようと、全てのイスラム教徒の宗教的義務であると宣告した。

アメリカ政府は、テロリズムに対する戦争はイスラム社会やイスラム諸国の人々やイスラム教に対する戦争ではないことを明言しているが、愛国者法の主な目的は移民を取り締まるためでもある。特に、主なターゲットになっているのは、イスラム教徒の素性を持つ移民である。この法はイスラム国の多くの学生がビザの査証を拒否されたり、罪の無い特定の人種テロリズムに関与しているような疑いを持たれたりして、行き過ぎた監視を伴う結果になっているため論議をかもしでしている。危機に直面する時代には曖昧な道徳心を強調するより、世界の人々を文明化することが、彼らのグローバル的使命である。キリスト教国であるアメリカが与える印象は、あるいはそのような類の愛国心が特殊なグループに対して不信感を生む結果になっていると指摘する声もある。

2001年にテロリズムに対する戦争として、タリバンとアルカイダに対して戦争を宣告したジョージ. W. ブッシュは、熱心なキリスト教信者であったと言われる。ある学者は、ブッシュほど宗教の権利を常に唱え、個人の信仰心を政治に活用したいと願望した政治家は歴史上いないことを述べている。例えば、政策や法律の制定には聖書を基盤にすることを望んだブッシュは、彼のアドバイザーとして多くの宗教指導者に囲まれており、ブッシュこそキリスト教原理主義者である。又、ブッシュと彼の新保守主義のアドバイザーは、テロリズムに対する戦争の宣言後、民主化運動を強く進めたが、これは民主主義を広めることだけではなく、彼の宗教的思想も広めることであると解釈されている。

宗教の他にも、学者は様々な文化的角度からグローバリズムとテロリズムの関連性を論議している。例えば、近代化の価値が浸透しているヨーロッパや日本ではグローバリズムにたいする文化的反応は極端ではないと述べている。しかし、広範に及ぶ発展途上国、特に多くのイスラム諸国では、資本主義の具現化と近代化、大衆文化であるグローバリズム、及びアメリカにたいする反応がもっと硬直化している。このような社会では、異なる本質や価値観が文化の領域で時代遅れのものになり、古来の価値観が崩れ失われた社会の憤りはその変動に向けられる。文化的変動に対する恐れや憤りは他の存在やグループに向けられ、強烈な憤りはその問題に対して何の解決も見出すことはないばかりか、罪のない人々を犠牲にする事が正当化される。

文化的側面から考察しても、アメリカがどれほど世界で影響力のある国であるかは、 英語が全世界でもっとも重要な語学になってきているその影響力が示唆している。1世紀前までは、フランス語が外交上最も大切な語学であり、ドイツ語は科学に用いられる最も重要な語学であり、中央及び東ヨーロッパで広範に利用されていた。二十世紀の中頃になると、ソビエトに近い中央アジア及び東ヨーロッパの領域ではロシア語が第二国語であったが、現在では英語が浸透している。例えば、国連に加盟している120カ国が国際交流おいて使用する語学は英語を特定している。また、インドのあらゆる地域社会でも英語は語られていて、少なくとも、教育を受けた企業及び政界のエリートは英語を流暢に話す。中国では圧倒的に英語が第二国語になっていて、初等及び中等教育で英語を教えることが義務付けられている。また、外国の代表指導者同士の会合では、お互いの母国語が流暢に話せない場合、頻繁に英語で会話が行われている。

また、英語はグローバリズム時代に重要な語学である。世界の約3億8千万の人口が第一言語として、2億5千万の人々が第二国語として英語を使っている。更に10億人が英語を学んでいて、世界人口の約三分の一の人口が何らかの形で英語に触れている。英語はヨーロッパ共同体で有力な語学であり、85%以上の国際組織は公的言語として英語を用いている。

アメリカの影響力は語学のみに留まらない。エンターテインメントの世界もアメリカの影響力が様々な形で浸透している。ハリウッド映画は70%以上の西洋諸国の観衆を獲得し、いたるところで莫大な市場を得ている。映画によっては、ハリウッド映画は90%以上の映画市場を独占している。このような影響を受けて、フランスは貿易交渉でグローバリズムの自由貿易には文化的面においては例外を設けることを熱心に主張しており、現行のヨーロッパ共同体の国際協定はアメリカの音楽、テレビ番組、及び映画輸入の割り当てを希望している。フランスは、テレビやラジオ番組は少なくとも40%が国内で製作されていること、映画業界に助成金を支給するなど入念な体制を維持することを要求している。

グローバリズムと資本主義、近代化、及び大衆文化の象徴であるアメリカの役割に対する反応は、発展途上国、特にイスラム教国の広大な地域では非常に異なる緊迫した形をとる。経済及び社会の変化に対処する過程において、伝統的な社会に脅威を招く近代西洋の価値の押しつけが、時には苦痛な反動となって周期的に現れる敵意は罪のない人を犠牲に追いやる結果になる。

9月11日後、イスラム世界の歴史の研究にかんする文献や書物が多く出回るようになった。ある学者によると、イスラム教徒は政治、文化、及び時には宗教的な抑圧を受けやすく、連続的に繰りかえされた悲惨な歴史を持つ。西洋諸国の力は、人工的な国を築き、人種別に行政地方区分を成立させた消えがたい政治及び経済の植民地化の痕跡を残した。従ってイスラム教徒は内政と文化問題を理解する上で西洋諸国に疑いを抱く理由はある。過激なイスラム諸国のテロリストはアメリカが彼らの領土から撤退しない限り更なる攻撃を続けることを誓約している。残念ながら、彼らの反米感情は強固なまでに埋め込まれていて、中東の狂信者はアメリカ人がシオン主義者(パレスチナにおけるユダヤ人の復興を願う者)だと信じて疑わないため、 アメリカ人は神の敵だと考えている。

このような反米感情の政治的原因は、アメリカは常に即アメリカの保安とアメリカの富を要求するが、本質的に国際上の安全性と豊かさには純粋に関心を持っていないとの印象を与えていることである。この理由は、地球温暖化、生態系の保存、炭鉱採掘の禁止、国際裁判所の設立などに関する国際協定の参加を拒否したアメリカの態度を世界の人々は目撃しているからである。アメリカはこれらの協定に賛同できない理由はあるが、アメリカの外交政策や資源政策は多くの国にとって、特に中東にとって脅威として見られている。

 

参考文献

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