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警察官による襲撃事件は全米で拡大し、2015年の5月末までに数百人が死亡している。死亡者の性別、人種、年齢、被害者の武装率、州別の統計などが報告されている。 4 月の初旬、サウス.キャロライナ州のノース.チャールストンで警察官に殺害されたウォルター.スコットはテイザー(電気ショック銃)を恐れて逃げたため後部から射たれて死亡した。現在、テイザー使用は警察官の攻撃性に一部関連性があるとして、乱用の傾向があることが懸念されている。

ワシントン.ポスト(W.P)が調査した30日の報告によると、5月30日までに警察官に射殺され、死亡した市民は少なくとも385人である。これは1日に2人が警察官に殺害されている計算になり、過去10年間で今年は最も頻度が高いという。被害者の性別では男性が圧倒的に多く365人、女性は20人である。人種別には白人が171人、黒人は100人、ヒスパニックが54人、アジア系が6人、その他の人種は3人、人種不明は31人である。 また被害者が武装していたケースの統計では銃所持が221件、ナイフ又は刃物所持は68件、車又はトラック所持は22件、他の武器の保持者は6人、玩具の武器保持者は13人、非武装は49件、不明なケースは6件である。この統計は、圧倒的に銃を保持していた人物が警察に射殺されていることを示唆しているが、射殺された人物が警察に対して銃を向けたかどうか、または被害者死亡後に銃を所持していた事が判明したのか、その詳細は不明である。

年齢による統計では、18歳以下は8件、18から24歳は55件、25 から34歳までは118件、35から44歳は94件、45から54歳は62件、55歳以上は39件、不明なケースは9件である。被害者は20代後半から30代前半が最も多い。数百万人に一人の割合から、発生率の高い州はオクラホマが4.4人、アリゾナが3.6人、ニューメキシコが2.4人、コロラドおよびルイジアナが2.2人である。また、1.1から2人の州はカリフォルニア、テキサス、フロリダ、メリーランド、および他の複数である。

W.Pの分析によると(1)約50%が白人、50%は少数派である。非武装の被害者の2/3は黒人かヒスパニックである。総体的に、国勢調査の人口によって調整した場合、黒人は白人や他の少数民族の3倍多く殺害されている。(2)犠牲者の大半(80%以上)は銃以外にも致命的であり得る武器を保持していた。(3)死亡者の年齢範囲は16 から83歳である。デンバーの警察官に3回撃たれたジェシー·ヘルナンデス17歳を含めて、8人は18歳以下の非常に若い世代である。(4)射撃した警察官が起訴されるケースは少ない。ノース.チャールストンで警察官に殺害されたウォルター.スコットは50歳であり、その警察官は起訴された。オクラホマ州では警察官が44歳の黒人男性エリック.ハリスを殺害した10日後に第二級過失致死罪で起訴された。ペンシルバニアでは女性警察官が交通停止を拒否した59歳の白人男性を殺害した6週間後に起訴された。(5)これらは警察官が起訴された稀なケースである。多くの場合、警察機関は射撃を正当化しているが、多数の法執行機関の指導者はもっと綿密な調査を求めている。

警察の攻撃性が顕著な今年は死亡者が例年以上に増加しているが、4月4日、警察官に交通停止を受けたウォルター.スコットは警察官が離れた隙に車から飛び出し、逃げている最中に後部から射殺された。スコットが恐れていた理由は警察官が利用するテイザーを恐れた為である。現在、警察によるテイザーの利用に疑問が寄せられている。1日のニューヨーク.タイムス(NYT)によると、 スコットを射殺したノース.チャールストンの警察官マイケル. スレイガーは昨年5月のある日曜日、アパートの外側地面でルームメイトに拳をあげていた「攻撃的な姿勢」の男に直面した時、テイザーの使用を余儀なくされた記録がある。彼はパトロール中、24時間以内に2回目のテイザーを利用したという。それから約1年後の4月4日、スレイガーはスコットが逃げた直後、射殺する前にテイザーを使ったと語っている。彼は5年間で少なくとも推定14回はテイザーを利用している。

スレイガーはスコットを射殺した容疑で起訴されたが、彼が別に直面している問題は「警察官による頻繁なテイザーの使用」である。都市や地域全体でテイザー利用に関する正確な数値は不足しているものの、ノース.チャールストンの住民、特に黒人は「その装置の過剰使用は主要な懸念である」と語っているという。ノース.チャールストンの警察官は2010年から2014年までに、様々な武力を行使し、その中で825回はテイザーに関与していた。2014年の警察の記録は、スレイガーは6回テイザーを使用したことを示している。これはその年に340人以上の 警察官が存在した警察署でのテイザー使用率約4%である。ノース.チャールストンの人口104,000人に比較し、人口200万人の都市であるヒューストンの警察官が2004年12月から2007年6月にテイザーを配備した頻度は1,284回であった。これらの数値の比較はノース.チャールストンの警察官のテイザー使用頻度がより高いことを示している。

非侵襲的な警察の防衛武器として、テイザーの使用頻度は高くなっている。それに伴う人道的および医学上の観点が懸念されている。電気兵器の製造業者テイザー.インターナショナル は2006年に18,000以上の法執行機関がテイザーを購入していて、一日に約900回使用されているという。研究者や法執行当局は、多くの死亡を防止すると信じているが、悪用の影響を受けやすい器具であるとの欠陥が指摘されている。アムネスティ.インターナショナルはテイザーの使用が要因で死亡したケースは500件あると非難し、批評家は電気振動が既存の病状を悪化するか又は心臓障害を促進すると述べているという。製造業者はウェブサイト上で「多数の独立した研究は、テイザーが一般的に安全で効果的であることを明白にしている」と反論している。しかし 批判家は、攻撃から保護するため又は犯人を逮捕する時に必要な場合に限り、テイザーを使用することがノース.チャールストンの警察の方針であるが、事実はこの方針と異なっている為、「技術の乱用」であると指摘している。同市では2006年、テイザーを繰り返し使用したことが要因で精神障害者の男性が死亡した前例がある。

警察の過度な反応および追跡により射殺される人口が増えている一因は、警察官が市民の保護者ではなく、犯罪に対する戦士として振る舞っていることが隠れた要因である。ファーガソンおよび一部地域の警察の過度な武装はそれを反映している。スコットに対する警察の攻撃性は、警察の武装技術に対する過度な依存性と乱用があることを反映している。

 

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