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18日バチカンはローマ教皇フランシスの気候変動に関する回勅(カトリック教会の公文書)を公表した。幾つかの要点の中で、フランシスは彼自身の明確な立場を表明した。しかし、米国の議会、特に共和党には多数の気候変動否定者が多いため、彼等は教皇の見解を拒絶した。

ニューヨーク.タイムスによると、最初に「私は、この惑星に住んでいる全ての人に対処したいと思う」と述べ、「世界経済の機能不全の構造的要因を排除し、環境の尊重を確保することができないと証明されている経済成長モデルを修正することを提案し、若い人達は変化を要求している」と語った。また、「私たちの家である地球は益々汚物の巨大な山のように見え始めている」との環境問題を指摘し、「人類はライフスタイル、生産および消費を急遽変える必要がある。現状が続いた場合、今世紀は私たちの全てに深刻な結果をもたらす気候変動および前例のない生態系の破壊を目撃することになる。人口増加を非難する代わりに、問題に直面するためには一部の極端で選択的な消費を拒否する必要がある」と指摘した。また、「私たちは神のイメージで創造され、他の生き物に勝る絶対的な権利を正当化する地球上の支配権が与えられているとの概念を強く拒否しなければならない」と述べている。更に「炭素排出量の取引戦略は投機の新しい形態をもたらすものであり、世界的な汚染ガスの排出削減を促進しない」と述べた。また、「近視眼的な権力政治は、政府の全体的な議題の中で先見の明がある環境議題の包含を遅らせる」と警告した。

ワシントンD.Cの枢機卿ドナルド.ウォールは18日夜、PBSのニュース.キャスター、ジュディ.ウッドルフとの対談でフランシス教皇はどのように対処するべきかとは言っていません。どう対処するべきかを論議し、そして個人が可能な事に取り組んでほしいと請願していますと語った。教皇の気候変動に関する回勅の要点は(1)世界の全人類が気候変動に挑戦する事を論議している。(2)市場の勢力に懐疑的であり、一部の過激な消費傾向を批判している。(3)維持可能な経済方法を基本に、化石燃料からのカーボンを削減する政策を制定することを要求している。つまり、21世紀の最優先の緊張課題は、地球上に住む全人類が環境の安全化、気候変動との対策において、もっと広範に維持可能な経済、および将来の世代、人口増加に対して道徳的な責任に基づく行動を取ることを要請している。フランシス教皇は、気候変動は人間の活動および温室効果ガスが主な原因であるとの立場を明らかにした。

最近、米国の宗教界も気候変動に懸念を表明し始めている為、フランシス教皇の声明は世界の宗教指導者にも影響を与えると思われるが、人間の活動が気候変動に貢献しているという説に懐疑的な米国一部の政治家は、気候変動の影響に対処するための政策を阻止している。11月 30日から 12月11日までパリで国連気候変動会議が開催される為、全ての参加国は化石燃料を削減する大胆な政策を打ち出す必要がある。従って、気候変動は2016年大統領選の重要な課題の一つである。13日にニューヨークのルーズベルト.アイランドでキャンペーンを展開したヒラリー.クリントンは、「気候変動は我々が現在直面している最も多大な恐怖である」と表明した。一方、15日に公式立候補を発表したジェブ.ブッシュはローマ教皇フランシスの声明に強い関心を示し、その公表を待っていたと言われていたが、「私たちは信仰を政治化すべきであるとは思いません」と述べている。

強固な気候変動否定者はほとんど共和党議員であるが、基本的に気候変動に関するフランシス教皇の見解を拒否した。下院議長のジョン.ベイナーは直接的な強い表現を避け、「このような重要な問題を話す彼の権利を尊重します」とだけ述べた。他、要職にある共和党議員のほとんどは否定的なコメントを披露した。上院環境委員会の共和党委員長で主な地球温暖化の懐疑論者である上院議員ジェームス.インホェは、「地球温暖化に関する法王の哲学に同意しません」と述べ、法王の公文書は、一番貧しい人々に打撃を与える増税につながり、政策を強制するため「人騒がせな人」に使用されると批判した。下院天然資源委員会の共和党委員長であるロブ·ビショップは「申し訳ありませんが、それは政治的な問題です。ほとんどの人は、この問題に関して立場を明らかにしているので、この問題についてこれ以上のレトリックは実際には何の意味もない単なる語りです」と述べた。

気候変動を否定する科学者は、企業との利害関係がないかどうかを調査される場合があるが、政治家に対してはマスコミが独自に調査しない限り、そのような追求はないが、大抵企業からの特別待遇を受けているケースが多い。排気ガスの規制は自由主義市場を弱体化し、大きな政府を促進するなどの恐れによる抵抗があることも一因である。また、二酸化炭素排出量削減及び空気清浄化に対する官民一体の相互協力のメリットに気付いていないことも理由かもしれない。コストを抑え、労働市場を拡大する方法は既に多くの研究家が公表し、それを証明している地域社会も増えている。しかし、そのモデルを研究しない政治家は気候変動対策が非常に複雑だと思い、適切な対策を打ち出すことが出来ず、単に否定しているだけである。ローマ教皇フランシスの気候変動の見解に対する米国一部の政治家の反応は、環境問題に直接関連のある立場でありながら、いささかお粗末である。

 

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