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17日にサウス.キャロライナ(S.C)州チャールストンのエマニュエル AME教会で発生した大量殺戮事件は、人種差別がまだ根強いことを痛感させる。20日ヒラリー.クリントンはサンフランシスコの市長会議で人種問題はまだ根強いと述べた。憎悪グループは2008年から2012年までの間に800%以上増大し、FBIは、小さな事件まで含めると、憎悪犯罪は年間で 5,500件以上発生していると報告している。事実、人種差別または白人至上主義者のグループはK.K.Kの時代より、その種類が増大している。

21日、エマニュエル AME教会では被害者の家族を追悼するメモリアル.サービスが行なわれた。17日夜、警察が駆けつけた時は既に8人が死亡し、1人は病院で死亡した。合計9人を殺害した犯人ディラン.ルーフは白人至主義者であることを示唆する人種差別者マニフェストの記事を本人が所有するウエッブサイトに投稿し、「銃撃のための理論的根拠」を記載していたという。「説明」というタイトルで「私には選択の余地がない。私はスラム街に一人で行って戦う立場ではない。私の州で最も歴史的な市であり、この国で白人に対して黒人の割合が一時最も高かったためチャールストンを選択した」と書いている。これは教会を襲撃する一時間前に投稿されたものである。ルーフの犯罪動機は主に人種、特に黒人に対する嫌悪であり、「黒人は白人女性をレイプし、この国を奪っている」との発言は、彼が一部の憎悪グループおよび白人至上主義グループによる「妄想的な陰謀説」の影響を受けていたことを示唆している。

チャールストンの黒人教会での事件は、憎悪犯罪と呼ばれているが、この冷血な大量殺戮は、連邦政府の定義によると国内テロリズムの行為である。白人至上主義の信念に基づき、公的場所での殺戮を計画したルーフは、黒人に対する虚偽の観念を抱き、憎悪がエスカレートした例である。南部貧困法律センター(SPLC)によると、現在ナチ、クー.クラックス.クラン(K.K.K)、白人民族主義、新南軍、人種差別スキンヘッド、黒人分離主義者、国境自警団などを含む全国の憎悪組織グループは784存在する。武装民兵を含む愛国者グループは2008年のオバマ大統領選挙後から急増した。2008年の149グループから813%増大し、2012年には1,360グループに拡大したが、2014年には874まで減少した。

クリントンは「私たちの最善の努力と最高の希望にもかかわらず、アメリカの人種の長い闘いは終了にはほど遠い」と述べた。事実、多数の憎悪犯罪が報告されている。FBIによると、2014年12月8日に公表された2013年の憎悪犯罪の被害者は合計7,242人である。2012年の6,573件に比較して2013年には5,928件に減少した。その中で、人種に関連性がある事件は48.5%、同性愛者に対しての犯罪は20.8%、宗教関連は17.4%である。報告された憎悪犯罪の3,407件は人種が動機であり、約66%は黒人に対する偏見によるものであり、約21%は白人に対する偏見による。また、報告された同性愛者に対する 約1,400件の犯罪の60%以上はゲイに対する憎悪である。FBIは「憎悪犯罪の捜査はFBIの市民権プログラムの最優先課題である」と述べていて、2014年の憎悪犯罪の調査に成功した例を幾つか紹介している。これは連邦法務執行機関がどのような類いの憎悪犯罪の捜査に関与しているのかを明白にしている。

例えば、2014年4月、ある男性は、ニューメキシコ州アルバカーキのレストランを所有していたユダヤ人実業家に対して、反ユダヤ主義の脅威を煽った為、連邦憎悪犯罪の容疑で起訴された。2014年7月、4人はミシシッピー州ジャクソンでアフリカ系アメリカ人をトラックで轢き殺したため、黒人をターゲットにした人種的な動機に基づく殺人容疑で起訴された。2014年9月、K.K.Kの元メンバーは、テネシー州ナッシュビルで異人種間の家族の家の前で、脅しのため木製の十字架を焼いた疑いで有罪判決を受けた。また、同月、ユタ州の男性はアフリカ系アメリカ人の異人種間の三人家族が自宅を放置して出ていかない場合、彼等を殺すと脅迫し、住宅所有の権利を妨害した為有罪で起訴された。2014年11月、テキサス州の男性は、若いゲイの男性を誘惑し家に連れ込み、彼がゲイであるという理由で残酷に虐待した容疑により15年間の刑を宣告された。

FBIのデーターは、人種が動機である憎悪犯罪が圧倒的に多いことを示している。しかし、全米780以上の憎悪または人種差別グループが存在している事実を1860年代に台頭し、1920年代に衰退したK.K.Kの脅威と比較すると、人種差別グループの種類は近年かなり増えていることに注目するべきである。このような「過激グループの成長は、移民および黒人を含む他の少数派について虚偽の宣伝を正当化するため、及び民兵グループに盛んな妄想的な陰謀説を広めるため利用する主流メディアおよび政治家が促進している」ことが要因であるとSPLCは指摘している。K.K.Kが減少した一因は、それが全国的に統一した組織ではないことであるが、表面化していないグループの人数を厳密に掌握できないことも別の理由であると思われる。しかし、近年、K.K.Kに代わって新たに台頭している一部の人種差別または白人至上主義者グループはK.K.Kの分枝であると言われ、総体的には、その活動において過激なグループもいれば目立たないグループもいる。いずれにしても、ルーフのように人種差別を露骨に表現するようなグループが存在する限り、米国の人種問題の現状は想像以上に深刻である。

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