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米国最高裁は29日、オバマ政権米国環境保護庁(EPA)の空気清浄化に関する規制計画を却下する決定をした。米国の大半の発電所は意外にEPAの水銀と空気毒性基準(MATS)に従っている。多数の共和党州で利用されている電力発電所を作動している企業がMATSに挑戦したと言われているこの裁判は通常の判例とは異なっている。 MATSとは何か?その判例の性質および判定は何を意味しているのか?

EPAは2011年3月、MATSに関し、発電所からの水銀、ヒ素、及びその他の有害大気汚染の国家規格を初めて提案した。その計画は、新しい発電所の水銀と空気有害物質標準を定め、20年間で水銀、ヒ素、クロム、ニッケルおよび酸性ガスの有害物質の排出を削減することである。その基準に従うためには、広く利用可能な実績のある汚染制御技術を導入する必要がある。その結果、17,000の早死と11,000の心臓発作を防止することが可能であり、特に子供の健康上の利点を強調している。また、31,000の短期建設の仕事、9,000の長期的な公益事業の仕事をサポートすることで、数千の雇用を創出することが可能であると説明している。

最高裁はミシンガン対米国環境保護庁(Michigan v. EPA)の裁判で29日、EPAのMATSに関し、5対4でオバマ政権の更なる空気正常基準計画を却下した。却下した判事は主席判事のジョン.ロバーツを含む保守派の5人である。他4名の判事は穏健派として知られるアンソニーケネディ、徹底した保守派の3人(アントニン.スカリア、クラレンス.トーマス、サミュエル.アリート)である。29日のワシントン.ポストW.Pによると、企業にフレンドリーな最高裁の保守派判事は、2011年のこの空気清浄規制計画には経済コストが考慮されていないとして却下した。多数派意見を代表したスカリアは合理的な解釈の限界内で、どのようにコストを考慮するかを決定するのはEPAであると指摘したが、EPAが割り当てられている金銭的価値の利点と欠点において、正式なコスト分析を行うことが法律上の義務であるとは述べていない。

W.Pによると、21の共和党州および数百の古い原子力発電所を作動させている企業がMATSに挑戦した。この基準の費用と利点が論争の主要点であり、この基準に対抗したこれらの州は、EPAの基準に従った場合の年間コストは96億ドルになると予測し、大気の有害汚染物質量の排出削減によるメリットはわずか推定400万から600万ドルであると主張した。一方、EPA及び環境団体は、健康上の利点を考慮した場合、370億ドルの利益を生むと推定している。水銀は特に、妊婦または授乳母親と幼児に危険であり、その 一部は11,000の死者および50万の雇用損失の予防を計算した場合の利益が含まれている。

環境グループは今日の最高裁の判定に失望を表明したが、一部の活動家や法律の専門家は今日の裁判所の判定は一時的なものであると判断している。生物多様性センターの上級顧問ウィリアム.スネイプは、 EPAに法令を明確に与える必要かつ適切な規制当局のコストや利益などの計算書類を提出する必要があり、最高裁の判定は、それを通過する必要があることを指摘しただけである。つまり、最高裁は決定的な言葉でMATSを拒否せず「しばらくの間、判定を保留することで、今年の夏、実際に意義のある排出削減及び耐久性のある温室効果ガス規定を有効化するため莫大な圧力を加えただけである」とスネイプは語った。

基本的に、最高裁は空気清浄化に肯定的であり、2007年には温室効果ガスの排出量を制限する EPAの権限を認めている。最高裁は2014年 4月には州に大気汚染を制限する規制を支持し、6月には主に大規模な公益事情の温室効果ガスの排出量を規制するオバマ政権の権限を保持した。29日の最高裁の判定はEPAによる MATSの合法性の是非について何も結論を述べていない事実に加えて、この規定のコストを考慮するよう指摘しただけであり、その方法についても論じていない。水銀排出制限は既に多くの州で実施されていると言われている。米国の20%を構成する200の電力発電所はMATSに従うため、1年間の猶予期間を諦めたという。また、半分の石炭火力容量を含む米国の発電容量の合計80%は2015年4月までにMATSに従っているため、専門家はMATSの大部分は既に実施されているとコメントしている。

 

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