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ドナルド.トランプは 6月16日、2016年大統領選の立候補を公式表明する最初のキャンペーンでメキシコからの移民は問題のある人間ばかりであると公言した為、否定的な側面から、他のどの大統領候補者より注目されている。複数のビジネス業界および組織はトランプとの関係を断つ方針を公表した。幾つかのメディアは彼の立候補は「本気ではない」と見ているが、彼の毒舌は共和党にマイナスか? 面白いことに最有力候補者を早く決定する重要な2つの州で、共和党有権者のトランプ支持率はいずれも2番目に高い。

トランプは16日、最初の公式な大統領候補者としてのスピーチで、他の共和党候補者にとっても顕著なダメージを与えかねる人種偏見的な発言をしたため、その後の反響は多大である。トランプは「米国は皆の他の問題のためのゴミ捨て場になっています……. これらは最大であり、最も巧妙です。メキシコが彼等の人々を送り出す時、彼等の最高の人々を送っていません。(会場の視聴者を指して)あなたを送っていません。彼らは多くの問題を持っている人々を送っています。彼らはこれらの問題を私たちに持ち込んでいます。彼等は麻薬を持ち込んでいます。彼等は犯罪を持ち込んでいます。彼等は強姦犯人です。私は、幾人かは良い人達であると推測します」と述べた。この発言に対する反響は今も続いている。特に、幾つかの業界はトランプとのビジネス関係を断つ声明を発表した。

29日、NBCユニバーサールは「全ての人々の尊重と尊厳は、NBCでの私たちの価値観の根本理念です。移民に関する最近のドナルド·トランプの軽蔑的な声明のため、NBCユニバーサールはトランプ氏とビジネス関係を終ります。そのため、ジョイント.ベンチャーの一部である年度行事のミスUSAおよびミス.ユニバーサル.ページェントはもはや放映されません」と公表した。米国最大手のデパートであるメイシーズは彼との取引を遮断した。1日のニューヨーク.タイムによると、全国にチェーン店のあるメイシーズは長年の関係を停止すると宣言した。トランプとの関係を終了し、彼が関与しているスーツ、シャツ、ネクタイを「段階的に廃止」すると発表した。メイシーズは「私たちは、軽蔑的な発言は私たちの国の成功に非常に多くの貴重な貢献をした多くのメキシコ人、メキシコ系アメリカ人及びラテン系の人々の絵を正確に描いているとは思いません。メイシーズの価値観と矛盾しているドナルド.トランプの発言に照らし、トランプ氏とのビジネス関係を中止することを決定しましたので、2004年からメイシーズで販売されているトランプのメンズウェア.コレクションを段階的に廃止します」との声明を発表した。

NYTによると、トランプとの関係を停止することをメイシーズに要求する為、ネットで呼びかけた組織は70万人以上の署名を集めることに成功した。社会メディアの威力を感じるが、人口増加しているヒスパニック系の売り上げは重要な利益源である。3月の推定によると、他民族消費者は年間3.4兆ドル以上の売り上げに協力していて、「消費経済の中で最も急速に成長している部門」である。また、1955年テキサス州サン.アントニオに開局したスペイン語のテレビ.ネットワークであるユニビジョンは、メキシコのテレビ番組を全米70都市以上で放送しているが既にトランプとの関係を終ると決定している。

このような反撃に対し、トランプは臆面もなく、NBCユニバーサールやユニビジョンを契約違反で告訴すると脅迫している。また、トランプは外部グループからの圧力に直面していたことが明らかになったため、メイシーズとの関係を断ったのは自分の決断であると弁明している。「小売業者(メイシーズ)のドルの価値は小さく、移民に対する信念に比較すると些細なものである」と述べた。また「もし貴方が成功している場合、政治家になるため、特に大統領になるため立候補することはとても困難であると私はいつも言っています。私はまた継続的に、誰にも恩義を受けていないと言っており、これはNBCとメイシーズを含んでいます」と語った。

1日のワシントン.ポストによると、ゴルフ業界もメイシーズと同様の声明を発表し、トランプと距離を置く方針があることを示唆した。PGAツアー、PGAアメリカ、LPGAおよびUSGAは共同声明を発表し、メキシコ移民に関するトランプ氏のコメントを受けて、「これらの発言は私たちの組織の見解を反映するものではないことを明確にせざるを得ないと感じています。これらのゴルフ組織は通常、大統領の政治にコメントしませんが、トランプ氏のコメントは、包括的でゴルフのゲームに歓迎的な環境を目指す我々の強い献身に矛盾しています」と伝えた。

トランプが本気で大統領になりたいと思っているのかどうか懐疑的な声もある。殆どの候補者は人口統計的に重要なヒスパニック系アメリカ人の票獲得を強く意識している為、又彼等の過半数以上の投票を獲得しない限り勝利することは不可能であることを理解している為、少なくともメキシコからの移民は「麻薬や犯罪を米国に持ち込んでいる」などと過激な発言はしない。いずれにしても、問題のスピーチの一部は自慢話が目立っていた為、何らかの目的があって自分を売り込むためであるとの印象を与えている。25日のインターナショナル.ビジネス.タイムスによると、トランプを道化師として描写し、共和党及び記者団は誰も彼を真剣な立候補者として見ていない。また、共和党主流派は、彼には潜在的に共和党を深刻に辱める要素があり、共和党の路線を逸脱させる可能性があると懸念している。又、大半の共和党は誰もトランプを支持しないので、彼が最終的に勝ち取るとは誰も思っていない。更に、彼が勝利する為には、多額の自己資金をキャンペーンで使う必要があり、過激な発言によるミスを二度と繰り返さないためには節度が必要であると指摘している。

トランプは自身の思いを率直かつ大胆に表現する人物であると思われるが、そのような彼の性格が共和党リーダーを懸念させる一因である。共和党の戦略家であるマット.マコビアックは、最有力候補者を早く決定するアイオワおよびニューハンプシャー州での世論調査でトランプの支持率が強い状況は、共和党を本当に傷つけかねない彼をテレビ討論会から閉め出す努力を弱体化すると懸念している。共和党全国委員会の委員長であるラインス.プリーバスも先週「トランプのコメントは、より多様な有権者に到達するための当事者の努力に役立っていない」と記者団に語った。

16日のメキシコ移民を卑下する発言後、メディアの反響は強烈であるにも関わらず、2つの最初の重要な州でトランプの支持率は他の共和党候補者に比べて悪くない。6月23日のサフォーク大学の世論調査によると、ニューハンプシャーでのトランプの支持率は11%でジェブ.ブッシュの14%の次に高い。次にスコット.ウォーカー8%、4番目がマルコ.ルビオ7%、5番目はベン.カーソンの6%である。 また、1日に公表された信用度の高いクウイニピアク大学の世論調査によると、アイオワでの支持率はウォーカーが18%で一位にランクされ、次にカーソンとトランプは10%、ランド.ポールおよびテッド.クルーズは9%、ブッシュは8%である。調査機関、調査時期、アンケート方法によって数値は微妙に異なるが、トランプは現在共和党候補者の中で二番目のランクにいる。総体的には国民の約90%は彼を支持していないことを示唆しているものの、ドナルド.トランプ効果はまだ続いている。

 

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