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2013年から開始された世界大国6カ国によるイランとの核交渉は歴史的な最終合意に達した。長年、緊張と不信が続いたイランとの合意の本質は基本的に双方の信頼によるものではない。最大の懸念は、イランが爆弾を製造しない保証があるのかという疑問に裏付けられているため、合意内容は核兵器製造の潜在的な経路を全て遮断している事が特徴である。イランはこの合意によって幾つかの目標を達成した。14日の合意には、議会が検討する時間を与える次のステップがあるものの、合意内容を詳細に検討する前から反発を表明する共和党リーダーもいる。

米国、イギリス、フランス、中国、ロシア、およびドイツは約160ページに及ぶイランとの核協定の最終的な合意に達した。これは今後10年から15年間監督することで、イランに核兵器を製造させない為の合意であり、 全てこれを防ぐことが交渉の目的である。オバマ大統領は、14日ホワイトハウスから声明を発表し、2年間交渉を続けてきたが遂に今日、数十年敵意のあったイランと米国および国際社会は、共に核兵器を取得することを防ぐための包括的且つ長期的な合意に達したと語り、この合意の主要点について、信頼(trust)ではなく、検証(verification) が基本であることを強調した。それはイランが合意に違反し、核兵器を製造することをあらゆる角度から防止することを意味している。例えば、国際原子力機関(IAEA)はイランの核施設および供給システムを定期的に検査し、また近代的な高度技術を駆使してモニターすることである。更に、核兵器を製造するための潜在的な経路を遮断する検証システムが導入されている。遮断される4つの経路は、(1)ナタンツ施設での高濃縮ウランの入手、(2)フォーダウ施設での高濃縮ウランの取得、(3)兵器級プルトニウムの確保、(4)秘密裏に核分裂性物質を製造することを阻止することである。

一方、この交渉によりイランは核プログラムを平和的利用のために維持しながら、国際的な経済制裁の解除を含む幾つかの目標を達成することになる。核プログラムを限定するイランに対する経済制裁の報酬は同国にとっては著しい経済的メリットがあるため、核プログラムを平和的に利用することはイランの今後の義務である。交渉に参加したこれらの6カ国は、どのような状況であろうと、イランが核兵器を入手または開発することは絶対に協定違反であると明言している。国連の制裁および米国と欧州連合の2つの制裁には微妙な規定の違いがあるものの、イランが合意に違反した場合、遅かれ早かれいずれも再度イランに制裁を課すことになる。

イランとの合意について、米国には次のステップがある。(1)オバマ氏は議会に合意内容を報告する必要がある。(2)米国下院外交委員会は聴聞会を開催する。(3)議会は60日以内に合意の内容を検討する必要がある。従って、この合意に反対する議員が挑戦するための充分な時間が提供されている。イランも同様、ハサン.ロウハーニ大統領はイラン最高指導者であるアヤトラ.アリー.ハーメネイーの認可を得る必要がある。

米国を含む6カ国によるイランとの合意ではあるものの、米国.イラン両国間には不信感が根強いが、この合意に最も失望している国はイスラエルである。ネタニヤフ首相はイランがその影響力を拡大し、イスラエルを破壊する野望があることを恐れ、繰り返し警告している。今年3月初旬、ネタニヤフを招待した下院議長のジョン.ベーナーは「下院の代表者は非常に密接に本合意の細部を検討しますが、私は自由と安全性を重視するアメリカ人の安全を危険に晒す如何なる合意を支持していません。これは共和党対民主党ではありません。それは善と悪についてです。そして、我々の国家安全保障のため、私たちの国のために間違っている悪い合意と戦います」と述べた。

基本的に、イランが核兵器を得ることは絶対にないとの確定的な保証がない為、複数の共和党は合意に反対を表明している。支持者は、合意の内容を知らない人達が反対していると指摘している。いずれにしても、イランが合意に違反し、爆弾を製造し始めた場合、検証システムには継続的なモニターがある為、世界の大国はそれに対応する準備があると思われる。IAEAは様々な角度から継続的に全ての施設と動きを監視するため、国際社会を裏切ることは常識的に考えにくい。イランのロウハーニ大統領は国際的制裁を終えるため、西洋との友好関係に前向きであったと言われている。従って、再度制裁に直面するような失敗はしないはずである。今日の最終的合意は、究極的にイランが国際的な信頼を築く第一歩になることを願う。

 

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