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米国のほぼ全50州に不法移民は存在し、不法移民の子供として米国で誕生した合法的な移民にとって、移民法の改正は彼等の人生で最も重大な問題である。2016年大統領選の最も論争的な課題の一つは移民改正法であるが、ほぼ全ての候補者はキャンペーン中、ある時点で移民問題を考える機会に遭遇するはずである。スコット.ウォーカーは昨日、キャンペーン中に出会った子供に自分の親を強制送還するのかどうかを問いつめられた。この様な状況は他の有力な共和党候補者にとって何を意味しているのか? また、彼等はどのような移民政策を掲げているのか?

オバマ大統領は昨年11月20日、約500万人の不法移民の強制送還を停止し、一時的に労働許可を与える歴史的移民法の大統領令を公表した。その後、下院議長ジョン.ベイナーを含む多数の共和党はこの行政行動に対して法的挑戦を試みたが、圧倒的に多数の学者は合法的であると指摘したにも関わらず24州は移民法の大統領令に挑戦した。ウィスコンシンも24州の中に含まれている。同州知事のスコット.ウォーカーは19日の日曜日、アイオワ州でのキャンペーンで少年時代に住んでいた小さな町プレーンフィールドを訪問し、不法移民の両親を持つ13歳の女子レスリー.フローレスに出会った。父親と共に集会に参加した彼女は「ウォーカー知事、なぜ貴方は私の家族を引き裂こうとしているのですか」と問いつめた。ウォーカーは、彼女と握手しながら、「貴方が置かれている状況には全く同情します。事実は、私たちは法律の国であるという事です。また、残念ながら、大統領は昨年自分で法律を制定することは出来ないと22回言った後、彼は裁判所がそれを行うことができないと発表したにもかかわらず、法律を変更することを決めました。彼は皇帝ではないと言いましたが、彼は米国の大統領であり、法律を変えることはできません 」と語った。フローレスは直接ウォーカーに「訴訟の支持を止めることを考慮しますか」と尋ねたが、ウォーカーは「大統領は法律を超えることができないと考えているので、 訴訟を支持します」と答えた。レスリーはひどく失望し、家族とその場を去った後、「彼は移民改正を支持すると言い、DAPAを支持すると言ったので嘘をつきました。もし、DAPAを支持するなら、なぜそれを遮断しているのですか」と述べた。

DAPAは(Deferred Action for Parents of Americans)を意味し、「親のための遅延行動」と呼ばれている。レスリーのような合法的永住者の親が2010年から米国に住んでいる不法移民である場合、その親に対して、3年間国外追放を停止し、更新可能な労働許可証を与えることを規定した移民法である。これは2014年11月20日オバマ氏が大統領令として発表したもので、国境の安全強化、高度技術移民者の増加、市民権の道を開く移民改正法を目指す段階的なプログラムである。しかし、ウィスコンシンを含む24州はDAPAを憲法および連邦法違反であると主張し、連邦政府に対する訴訟を提起した。訴訟進行中にプログラムを遮断する裁判所の暫定的差し止め命令は2015年2月に発行された。

13歳の少女がウィスコンシン州知事に対抗した経緯にはこのような法的背景がある。レスリーはDAPAプログラムが自分の人生で最も緊迫した政治問題であることを理解している。このような少女は全国で展開される移民提唱グループが主催する抗議活動に参加し、選挙キャンペーンの現場で、嘘をつく政治家をメディアに暴露するため、過酷な移民政策を掲げる候補者はしっぺ返しを受ける可能性がある。オバマ氏は、2014年11月20日に発令した大統領令において、500万人の不法移民を強制送還の危機から救済したが、24州の訴訟により現在機能していない。米国に長年住んでいる殆どの不法移民には米国で生まれた合法的移民の家族が存在する。移民研究センターの2010年の推定によると、不法移民の間に生まれる合法的市民は年間 30万から40万人である。不法移民の歴史は長いため、これは無視できない統計である。

2012年のコミュニティ調査データに基づいてピューリ.サーチが2014年11月18日に公表した米国の総体的な不法移民の数は11,200,000人である。また、米国で不法移民が最も多い州はカリフォルニアで2,450,000、テキサス1,650,000フロリダ925,000ニューヨーク750,000である。次のグループは、ニュージャージー525,000、イリノイ475,000、ジョージア400,000、ノース.キャロライナ350,000、アリゾナ300,000、バージニア275,000、メリーランド250,000、ワシントン230,000、ネバダ210,000、コロラド180,000、ペンシルベニア170,000である。次のグループは10万人前後の州で、最も多いマサチューセッツは150,000、テネシー及びコネチカットは130,000、オレゴン及びミシガン120,000、ユタ及びオクラホマは100,000、ミネソタ、オハイヨ、及びサウス.キャロライナは95,000、インディアナ及びウィスコシンは 85,000、カンザスが75,000である。次のグループは比較的少なく、ニューメキシコ70,000、ミズーリとアラバマは65,000、アーカンソー60,000、ネブラスカ及ぶルイジアナ55,000、アイダホ50,000、アイオワ40,000、ケンタッキーは35,000人である。最後に不法移民が最も少ない州はミシシッピー25,000、ハワイ15,000、ニューハンプシャー10,000、モンタナ、ワイオミング、ノース.ダコタ、サウス.ダコタ、ウェスト.バージニア、メイン、バーモントはそれぞれ5,000人である。

不法移民がこれほど多い現状で、5人の共和党有力候補者はどのような移民政策を掲げているのか? 最近最も注目されているドナルド.トランプ(ニューヨーク州)は(1)不法移民を犯罪者とみなし、国境に最強の壁を建設することを提案している。(2)不法移民に市民権を与えることは共和党の「自殺任務」であると述べ、全ての合法的地位の提供を拒否している。また、(3) アンカー.ベイビーは決して憲法修正第十四条で意図されたものではないと主張し、不法移民の両親の間に生まれた子供に米国籍を与える憲法に反対している。(4)米国で大学を卒業した移民に合法的滞在を許可することを支持している。

ジェブ.ブッシュ(フロリダ州)はもっとも穏健派の候補者である。彼の不法移民に対する見解は変わる傾向があり、2009年には不法移民の強制送還を支持していたが、2012年には市民権の道を与えることに好意的であった。現在、不法移民に合法的地位を与えることを移民改正法の一案として提起し、1,100万人の不法移民を強制送還することは考慮していない。スコット.ウォーカー(ウィスコンシン州) の移民政策は時と場合によって変わるので一貫性がない。2010 年にはアリゾナ州が採用している不法移民に対する警察の権限を強化する法案を支持していたが、2012年には「それは多大な妨害である」として方針を変えた。2013年には不法労働者に対して市民権を与える道を支持していた。しかし、19日(1)大統領令は憲法および法律違反であると主張し、(2)DAPAプログラムに反対であることを明白にした。

テッド. クルーズ (テキサス州)は(1)議会のチェックとバランス体制を通して、不法移民に合法的地位を与える大統領の「非合法的な恩赦」を廃止する。(2)恩赦を無効にするまで不法移民の対処に関与する米国国土安全保障省への資金を停止し、大統領指名の公職者を拒否する。(3)テキサス州165万人の不法入国者に市民権への道を与えることはない。ランド.ポール (ケンタッキー)は(1) 国境を確保した後、既に米国に長年住んでいる1,100万人の不法移民に労働上の合法的地位を提供する。(2)現状を維持する事は不可能であるため、何らかの移民法改革を行なう必要がある。(3)恩赦を与える事を否定しているが、移民の法的プロセスを支持している。米国の安全を保護する為、全市民に「国民I.Dカード」の発行を提案している。

共和党有力候補者上記5人の出身州の不法移民状況を見ると、面白いことが判明する。(1)ニューヨーク州の人口は米国で第四位の約19,746,000人であり、不法移民も米国で4番目に多い州であるが、この州は不法移民を合法化する大統領令を告訴している州ではない。ドナルド.トランプは、著しくリベラルと言われている風潮がある州に不釣り合いの候補者である。しかし、全国的に不法移民を嫌う一部のアメリカ人は、彼等の声を代弁するトランプを圧倒的に支持しているが、現実的には80%以上の国民は彼を支持していない。(2)フロリダの人口は19,893,000で三番目に多く、不法移民の数も同じく三番目に多い州であるが、告訴している24州の一部である。ヒスパニックの有権者が多い同州で移民法に関して、彼等を失望させることは多大なマイナスになる。(3)ウィスコンシンの人口は5,758,000で20番目に多く、24の訴訟州の一部である。知事が直接、フローレスのような少女に衝撃的なダメージを与えた事は85,000の不法移民の合法的家族は、彼を支持しない要因になることは明白である。(4)テキサスの人口は米国で2番目に多く27,746,000で、カリフォルニアに次いで不法移民も二番目に多い州であるにも関わらず、訴訟に参加している州である。同州出身のクルーズが、無慈悲な移民政策を掲げていることは、同州のヒスパニック系の有権者にとって不運である。(5)ケンタッキーの人口は4,413,000で26番目であり、不法移民も少ない為、訴訟州ではない。比較的に穏健的な移民法を支持しているポールに対して移民は問題を提起していない。

 

 

 

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