アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

6日東部時間午後9時から始まった10人の共和党大統領候補者の最初の討論会は過去のどのディベートより最も娯楽的であった。おそらく、ステージ中央の位置を提供された型破りのドナルド.トランプが舞台の主役であったせいかもしれない。約2時間の討論課題は、移民法、経済、オバマケア、社会保障、メディケイド、教育問題を含む国内政策: 国際規模の電話記録収集、イラク戦争、イラン核協定などの外交政策: 中絶、同性結婚、人種問題、宗教の自由を含む社会問題など10以上の分野における多数の質問が提起された。また、フェィスブックに投稿された幾つかの選定質問も含まれていた。全ての質問は、フォックス.ニュースのキャスターであるメイガン.ケリー、クリス.ウォレス、ブレット.ベイヤーの3人のモデレーターが適切な質問を適切な候補者に与える応答形式で進められた。1問1 答の制限時間はわずか30秒であった為、ほとんどの候補者は早口で流暢に答えた。

最初の質問は、10人の共和党候補者の中で、2016年11月の選挙で指名されなかった場合、最終的に指名された候補者を支持する事、および第三党を結成することを誓約しない人がいるかを聞かれた時、手を挙げたのはトランプだけであった。トランプは指名を受けなかった場合、第三党を結成するかとの質問に、この時点で誓約することは何もないと答え、明確な返事を避けた。トランプは相変わらず率直で鋭いトーンで語るため傲慢な印象を与えた。例えば、彼と並んで立っている他の全ての立候補者(9人)に寄付したので、沢山のお金だとういうことがわかるでしょうと述べ、再度金持ちであることをアピールした。これに素早く反応したケンタッキー州の米国上院議員ランド.ポールは、「彼は全てのタイプの政治家を買っていたので、もし共和党として立候補しないのであれば、多分ヒラリー.クリントンを支持していたか、または第三党から立候補していたでしょう」とコメントした。討論会の前日、クリントン夫妻は2005年、トランプの3度目の結婚式に参加した事実があったことが公開されたばかりである。7日のワシントン.ポストは、2時間の討論会で著しく多数の疑わしい主張があったとして、ファクト.チェックを掲載した。トランプが候補者全員に寄付したとする発言に関し、事実は「9人中2人のみがトランプから寄付を受けただけである」と指摘し、彼の発言には誇張があることを明白にした。

トランプは、モデレーターのケリーに 「脂肪ブタ、イヌ、のろま 」の表現で女性を侮辱したと指摘され、「この国には『政治的正確性』があることが問題です。率直に言って、私には全体的な政治的正確性を追求する時間はありません。この国も時間はありません。この国は大きな問題に直面しています」と答え、ケリーが彼に対して粗雑な扱いをしていると不満を表明した。ケリーは、トランプに対して、15年前、医療保険システムを支持し、ヘルスケアに関してはリベラルだったので「なぜ共和党になったのですか」と質問した。また、同テレビ局では比較的リベラル傾向のウォレスはトランプが、メキシコ政府は米国に悪い人間を送っていると主張していることに関して、「特定の証拠は何ですか」と尋ねたが、トランプは的確に答えなかった為、「30秒で答えて下さい」と再度同じ質問を繰り返した。最近、2年ぶりにテキサス州の国境を訪問したトランプは「 国境を訪問し、多くの国境警備関係者や役人と対談した。米国からは多額のお金がメキシコに流れ、多量の麻薬が米国に入り込んでいる。メキシコ政府はもっと賢く、もっと鋭く、もっとずる賢い。米国の指導者はバカだ」とコメントした。メキシコ生まれの女性と結婚しているジェブ.ブッシュはトランプが政敵であることに加えて、個人的にも彼を嫌っている事を表現しているが、ウォレスのこの質問を聞くとすぐ同意を得たように笑顔を見せ、右隣のトランプの方向に180度体を回転させながら彼の応答に注目する場面があった。

トランプの不法移民に対する一連の発言は移民法の重要性を提起している為、移民論争に幾人かの候補者は参加した。彼は、メキシコ政府は米国に犯罪者、麻薬密輸者、強姦者など悪い人間を送っていると繰り返し主張し、そのような状況を放置している「米国のリーダーはバカ」であり、悪い人間がメキシコから送られている状況を受け入れていると批判した。また、国境には巨大な壁が必要であり、合法的なドアから入国する人々のみ歓迎すると述べた。ウォレスはオハイオ州知事のジョン.ケイシック、フロリダ州の米国上院議員マルコ.ルビオに対して「米国のリーダーはバカだと思いますか」と率直な質問をした。ケイシックは「トランプは要点をついている」とし、米国は安全な国境整備が必要であると答えた。ルビオは不法移民が簡単に入国可能な現状に米国民は「苛立っています。米国は寛大なので利用されています」と語った。以前、包括的な移民改正法案を支持していたが、政策を変えたウィスコンシン州知事のスコット.ウォーカーはウォレスに意見を求められ、国境での安全性を強調し、市民権を与える恩赦を否定した。テキサス州の米国上院議員テッド.クルーズは一般市民から提起された質問で、「ケイト·シュタインレ法案」を支持するかどうかと聞かれ、支持すると述べ、絶対にアムネスティ(恩赦)を認めないと答えた。この法案は、7月1日サンフランシスコのケイト.シュタインレ32歳が5回強制送還されたメキシコからの不法移民に射殺された事件後、米国に戻ってきた追放者に5年懲役の刑罰を与えることを一部の活動家らが提案し、議会に送った請願書に基づいている。これは現在論争的であり、引き続き移民論争の重要な一部になっている。

オバマ政権は最近まで、米国市民の電話記録を収集していた。この課題で正反対の立場を取るポール及びニュージャージー州知事のクリス.クリスティは幾分鋭い口調で意見を交換した。クリスティはメタ.データー収集システムを支持すると述べ、ポールは「公民権の自由に反する」と主張し、「電話記録収集はテロリストのみを標的にし、一般の米国市民のデーターを収集するべきではない」と述べた。これに対し、クリスティは「完全に馬鹿げた答えだ」と攻撃した。ポールはクリスティが「権利憲章を誤認識している」と批判し、「私はオバマ大統領を信頼していません。2012年のハリケーン.サンディで貴方は彼に大きなハッグ(抱擁)をあげたことを知っています」と述べた。クリスティは「この被害で家族や財産を失った同州の被害者を訪問した際、彼等に大きなハッグを上げたことは覚えている」と反論するなど、両氏は要点から脱線する口論を展開した。

教育問題でも数人が論議に参加した。アーカンソー州の元知事マイク.ハッカビーは、連邦政府は教育問題を全て州に委ねるべきであると主張した。ブッシュはカモン.コアと呼ばれるK-12(幼稚園から高校卒業まで)の数学と言語技術の分野で、多数の州が採用している共通の教育基準を支持すると述べたが、ルビオは逆の立場であり、カモン.コアには問題があると指摘した。クリスティとハッカビーは、社会保障および他のエンタイトルメントの問題でお互いに異論を唱えた。クリスティは社会保障の削減を提案し、「財政の現実は削減が不可欠である」と主張し、ハッカビーは高齢者のために安全ネットを保存する必要があると主張した。クリスティは社会保障に関して、ハッカビーは間違っていると指摘した。しかし、ハッカビーはオバマケアに支払う為、メディケアから7,000億ドルのお金が奪われていると述べ、エンタイトルメントの改革の必要性を強調した。これは、慢性的に多数の共和党が同様に主張している間違ったコメントである。

約2時間の討論会の最初に、10人全員の個人はそれぞれに最も関連性の深い話題の質問が提起され、討論会の最後には、有権者および視聴者に対して自己アピールする機会が与えられた。総じて、特に困難な質問は提起されなかった為、候補者がためらい又は混乱する場面はなかった。進行役の3人は個別の質疑応答だけではなく、時々議論形式で対話する機会も与えたため、複数のメンバーの間で口論に発展する場面もあった。しかし、極度に興奮した論争はなく、幾分、疲れた表情のトランプとブッシュを除き、ほぼ他のメンバーは比較的に落ち着いている様子であった。いずれ、どの候補が最も高い評価を得たかを知る機会はあると思われるが、トランプはしばらくトップの座を維持する印象を受けた。4日除外された7名は午後5時間から、別の会場で討議する機会を提供された。次回の討論会は9月に予定されている。

 

 

 

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。