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明らかに、国民の政治指向は最近変わってきている傾向がある。従来の政治体制に失望し、興味を失った国民は新しいタイプの政治家を求めるようになっている。特に、一部の共和党有権者は、政治家としての経験を重視しなくなっていて、政治部外の大統領の誕生を望んでいる側面がある。2016年大統領選挙は、そのことが今後明白に顕れる戦いになることを示唆している。

スピーチの準備はなく、率直で無遠慮に語るドナルド.トランプは2週間前まで共和党の最前線トップに立っていたが、31日に公表されたマンマス大学の世論調査によると、アイオワの共和党有権者の支持率で、初めて元脳外科医のベン.カーソンと同じ23%を共有した。次に有力な候補者は、元ヒューレット.パッカードのCEOカーリー.フィオリーナが10%、彼女に次いでテッド.クルーズ9%、スコット.ウォーカー7%、ジェブ.ブッシュはわずか5%であり、重要な最初の予備選のアイオワで、ブッシュは著しく人気を失ったことを示唆した。 トランプは、初めてアイオワでトップの座を維持することはなかった。マンマス大学の分析によると、7月26日以来初めて、最初の予備選がある4つの州はいずれもトランプを最有力候補として指名しないことを示唆している。

この調査結果は、トランプが何らかの政策を語る度に敵意と懸念を表明する主流派にはプラスである。トランプは先週28日、MSNBCのモーニング.ジョーに出演し、 非常に民主党の政策に近いリベラルな税制政策を掲げている事を示唆する発言をした。つまり、中産階級に減税し、金持ちに増税することを好んでいるとし、「私より良い税法を知っている人はいません。いいですか?私は税法の王です」と述べた。一ヶ月以内に税制政策を公式に打ち出す可能性があることを暗示したが、長年主流派共和党の伝統であった金持ちへの減税政策はトランプに脅かされている。カーソンがトランプと同じラインに立った要因は、共和党有権者が次期大統領をワシントン政治の外部から選出することを望んでいるため、その条件を満たす二人が注目されるようになったと考えられる。いずれにしても、共和党有権者は政治的経験を重視しなくなっている。

By NBCNews

ヒラリー.クリントンも苦戦に直面している。5月の民主党有権者の支持率から 20%を失い、民主社会主義者のバーニー.サンダースがクリントンに近づいてきた。トランプとサンダースはいずれも反主流派の候補者である。31日のNBCニュースによると、最近のアイオワでの民主党有権者のヒラリー支持率は5月の57%から8月には37%に低下している。サンダースは5月の16%から8月には 30%に上昇した。また、立候補宣言をしていない副大統領のジョー.バイデンさえ5月の 8 %から8月には 14%に上昇した。クリントンの支持率が40%以下になったのは今回が初めてである。バイデン立候補の有無はクリントンの現状に微妙な影響を与えると思われる。もし、バイデンが立候補しない場合、バイデンを支持している民主党有権者の60%はクリントンを支持する可能性が高い。しかし最近、支持低下の傾向が続いている

クリントンはサンダースとの距離を極端に広げることは当分ないことを示唆している。サンダースは従来の伝統的な政治家とは異なり、最低賃金引き上げ、公立大学学費の無料、病欠有給休暇など進歩的左翼性が強い有権者に支持される政策を打ち出している。今まで、多数の議員および大統領は彼等の公約を果たすことがなかった為、絶対に公約を果たすと真剣に語るサンダースには少なくとも熱意が感じられると支持者は評価している。従って、社会主義者であることを公然とアピールしているサンダースのように違うタイプの候補者に希望を見る人達が増えている。31日の調査結果(上記図表)を公表した世論調査専門家のアン.セルツァーは30日フェイス.ザ.ネイションに出演し、サンダースの支持率が上がっている理由は「反クリントン感情の動機によるものではない」と述べ、サンダース支持者の96%は、彼の政策に共鳴しているからだと指摘した。

いずれにしても、両党の有権者は、現在の政治情勢に不満と苛立ちを感じていることは確かである。例年と異なり、共和党側には大統領候補者数が多い為、共和党有権者は選択に時間をかけていると思われる。大半の有権者は、誰に投票するかを決めていない 。マンマス大学によると、2月のアイオワでの予備選で誰に投票するかを完全に決定している共和党有権者は僅か12%である。42%は、現在強く支持している候補者はいるが、再度検討する意志があると述べている。また、かろうじて好みの候補者がいる有権者は27%であり、20%は現時点で選択した候補者の名前をあげることは可能であっても、まだ未決定であると答えている。4人に1人(25%)は選択を1~2名に絞り込むと述べていて、大半の共和党有権者(54%)は現在競争している候補者の3~4人に注目していると答えた。しかし、66%の共和党有権者は彼等が予備選で誰を支持するかどうかに関係なく、「ワシントンに新たなアプローチを提起する政府外部の大統領が米国に必要である」と考えている。むしろ、物事を成就するノウハウを知る政治的経験のある候補者を支持すると答えた23%を圧倒的に上回り、共和党有権者には新たな政治指向があることを示唆した。

 

 

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