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House Speaker <b>John</b> <b>Boehner</b> (Photo: Getty <b>Images</b>)

オハイオ州出身の米国下院議長ジョン.ベイナーは今朝突然10月30日に辞職すると公表した。議長を辞任するだけではなく、議会を去りワシントンの世界から引退する。昨日、念願のローマ法王フランシスとの出会いがあり、人一倍エモーショナルであったベイナーの辞職公表は、劇的なタイミングである。共和党の派閥により主流派と過激派との間で長年続いているプレッシャーに耐えられなくなった事が主な理由であると思われる。遅かれ早かれ、辞職の意志はあったが、法王との出会いは決定的なものになった。彼の辞職は政府閉鎖の脅威を解消するかもしれない。

ベイナーは今朝の短い記者会見で「私の日々の使命は、小規模で低コストの責任のある政府のために戦うことです。過去5年間、我々多数派は、私たちの子供達及び彼等の子供達を援助する保守的改革を進めています。私は私たちがこれまで達成してきた事を誇りに思っています。議長の最初の仕事は、我々全員が愛するこの組織を保護することです。しかし私の見解として、長期的リーダーシップの混乱はこの機関を保護するために修復不可能な損害がある事を懸念し、10月30日に議長の任務と議会を辞任する事を決意しました 」と述べた。また、記者団に対して「あなたは頻繁に私が『これは私の話ではありません』と言っていることを聞いているとおり、それは人や組織についてです。ちょうど昨日、私たちは法王フランシスが世界で最も偉大な立法機関について語っている素晴らしい光景を目撃し、私は私達が黄金律に従って生きることを教えた彼の要請に耳を傾けることを願っています。今朝目覚め、祈りの中で、『今日はこれを実行する日だ』と言いました。簡単な事です。それは私が生きる規約です。正しい理由のために正しいことを行います」と述べた。

<b>John</b> <b>Boehner</b> Cries During <b>Pope</b> <b>Francis</b>' Visit to Congress on Day 2 of ...

24日のスピーチ前:ベイナーと個人的に対話

ベイナーは今朝の記者会見で彼の辞職決断は法王のスピーチに影響を受けたことを示唆した。普段から、記者団の前でも時折涙ぐむことがある情緒不安定な男性であるが、特に、昨日ローマ法王のスピーチの最中、極度に涙ぐんでいた為、突然の辞職の理由がわかるような気がする。法王の言葉に感銘し、精神的に影響を受けたことがその決断に繋がったのではないかと一瞬感じた通りである。25日のワシントン.ポストによると、24日法王が議事堂に入った時、ベイナーは法王と個人的に瞬間的触れ合いがあったことを一人の記者に語った。ベイナーは「法王は私の腕を取って彼の肩に私の腕を置きました。法王は私が腕を離そうとすると『ちょっと待って下さい。待って下さい。終らせて下さい。私のために祈ってください』と言いました」と語った。それから14時間後、ベイナーは辞職を公表した。

ベイナーは1990年、オハイオ州57地区から州議会の下院議会メンバーに選出され、その後州議会での議長を務め、米国下院議会で共和党議員として奉仕した。2010年の中間選挙で共和党が多数派になった翌年には議長に選出され、2013年および2015年も再選された。2010年に台頭したティーパーティの標的にされ続け、継続的なプレッシャー下で議長を務めてきた。彼はオバマ大統領を大統領令の乱用で告訴すると数回公言した事があるが、これは表面的なもので、ティーパーティの裏をかく単なる政治ゲームであった可能性も高い。何故なら、大統領とベイナーはゴルフを通して友好関係があることで知られている。ベイナーは2014年1月30日、移民法改正案の青写真を公表したこともあり、実際は段階的な移民法を制定する意志があった。しかし、これも極右派の猛烈な阻止行為があり、辞職させるとの脅しにしばしば直面していた。

<b>Boehner</b> no pudo contener las lágrimas y la emoción con el papa

中央の法王から右:マッカーシー、ベイナー

最近の政府閉鎖騒動は、極右派がプランズ.ペーレンフッズ(PP)に融資を停止しない場合、政府を閉鎖すると脅していることであるが、下院リーダーであるベイナーと上院のリーダーであるミッチ.マコーネルは可能な限り、政府閉鎖を避ける方法を模索している。しかし、党内の極右派はPPに融資継続 (CR)する法案には投票しないと脅しているため、ベイナーは極度なプレッシャーに直面していた。彼が自ら辞職すれば、ティーパーティは彼を辞職に追い込むと脅すことは不可能になるため、他多数の主流派共和党は、前回と同様、短期のCRで政府に融資することを押し進める可能性が高くなる。ベイナーの辞職は政府閉鎖を避けることに役立つかもしれない。

次期リーダーの選出についてはまだ不明であるが、現在最も有力な人物はベイナーの次のランクにあり、党内で好感度が高いカリフォルニア州出身の多数派リーダー、ケビン.マッカーシーである。彼は、比較的温厚派の共和党であるが、下院議会の共和党は投票により次期下院議長を選定する必要がある。次に可能性がある人物は2012年の共和党副大統領候補であったウィスコンシン出身のポール.ライアンである。いずれにしてもベイナーの辞職決定には複数の要因があると思われる。彼が純粋な信仰者であるため、法王が説いた黄金律に従う決意をした事も一因かもしれないし、数年前からアルコール依存症などの問題があるとの噂もあった為、健康上の問題もあるかもしれない。従って、突然の辞職に驚くことはないが、記者に語った法王との出会いの告白は、彼が精神的に計り知れない影響を与えたことを明白に示唆している。そのタイミングは驚くほど劇的である。

 

 

 

 

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