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正当な渡航文書もなく、あるいはそのような書類は一切なく強制送還された人達がいると報告されている。ニューヨークに拠点を構える人権擁護団体の自由の家族が9月30日に公表した報告書によると、米国は国際人権法に違反していると指摘されている。9.11の同時多発テロ後、巨大且つ複雑化し、極度に機密化した司法システム下でおびただしい数の不法移民や犯罪者が拘留された。しかし、ある時点で米国移民税関執行当局は、米国市民には名前さえ知らせず、警告さえなく、多数の犯罪者を放免した事実がある。その結果、多数の致命的な殺人事件が報告された。

自由の家族 (FFF)組織は、2012年から2015年の間に米国移民税関執行機関(ICE) の職員により有効性が疑わしい渡航文書または書類が一切なく米国から追放された人達がいることを発見した。FFFは、数人と接触があるものの、追放された人達の実数を正確に把握していないが、この状況は国際慣習法に違反していていると指摘している。ICEは強制送還する場合、一時的な片道旅行のパスポートを発行しなくてはならないが、そのような書類がなく、彼等の国に送還された人達は様々な問題に遭遇する可能性が高くなると述べている。また、「ICEは国内及び国際法を無視する為、強制的に拘禁されている人々は長期化および無期限拘禁されやすくなる。移民法に指定された特定のカテゴリー(極悪の重犯罪または不道徳な犯罪)に分類された非市民が犯罪の有罪判決を受けた場合、義務的拘禁に科せられる」と説明している。2001年、米国最高裁は非市民の無期限拘留を防ぐ為「ICEが予見可能な範囲内で合理的に被拘禁者を送還できない場合、6ヶ月以内に釈放するべきである」と判定した。しかし、最高裁は拘留期間の合理性について曖昧な側面があった為、ICE は非市民を無期限拘留する結果になった。

さらに、ICEは個人の医療アクセスを拒否し、拘禁施設で負傷した人々の除去を優先していることを示す記録があるという。医療懸念がある強制拘禁非市民は ICEに依存するが、ICEはその責任を躊躇しているため、国際人権法に違反しているとFFFは指摘している。有効な渡航書類なしで人々を強制送還することは、受け入れ国への到着時に医療を必要する人の能力を低下させると述べている。また、最近の米国国内法の変更は国際的な法的義務と矛盾があると指摘している。移民国籍法(INA)は、ICEが渡航書類を取得できない場合、誰かを送還する際、大幅に国土安全保障省 (DHS)長官の裁量に委ねている。米国には、ダブル.スタンダードがあり、米国の国境に入る全ての人に対して、パスポートやビザなどの有効な渡航書類を要求している一方で、DHS長官が有効な渡航書類なしに人を追放することで国際慣習法を無視することを認めている。有効な渡航書類なしに強制送還された人々は、市民権のある自国又は別の国に追放されているかどうかに関係なく、身元不明者になる危険に直接晒されている。このような個人は人権侵害に対して脆く、その基本的人権を奪われているとFFFは警告した。

この報告の主な要点は次の通りである。(1)ICEは誰かを強制送還する前に有効的な渡航文書を得ることを強制送還当局に要求しているが、ICEは自国の内政に違反し、渡航文書なしに又は無効の渡航文書で人々を追放している。(2)強制拘留されている非市民は、特にICEが「合理的に予見可能な将来」に渡航文書を取得できない場合、長期的および無期限の投獄に直面する可能性が高くなっている。(3)監禁施設で負傷した人達を治療する事より、ICEは渡航文書を取得することを優先し、そのような負傷者を追放することを選択しているため、国際人権法に違反している。(4)最近の米国法の解釈は米国の国際的な法的義務と矛盾している。 INAは、米国が渡航書類を取得不可能な場合、いずれかの国に非市民を強制送還するDHS長官に著しい権限を与えている。(5)ICEは大使館や領事館が渡航書類を発行することが出来ないことを示す公式の手紙を発行した場合でも人々を追放している。(6)渡航書類なしに強制送還された人々は虐待されやすく、基本的権利およびサービスにアクセスする機会が奪われる。

有効的な渡航書類なしに犯罪者を送還している報告に加えて、不透明な司法システムが明らかになっている。9.11の同時多発テロ後に拘留された、殺人を含む多数の危険な犯罪者が放免されたことも報告されている。マサチューセッツ州最大手の新聞社ボストン.グローブは2012年12月、影の司法と題する一連の記事を出版し、米国の極秘刑務所に拘留されていた429,247人は2011年に極秘で釈放されたと公表した。グローブは1年間調査し、IECは「致命的な結果を伴う潜在的に危険」な数千人の犯罪者を米国の通りに解放した。そのような犯罪者は自国政府に帰国を拒否されるため、米国のどこかに滞在し続けていると言われている。

2012年12月の司法ウォッチによると、IECは2008年から2011年までの 4年間で 殺人、レイプ、その他の犯罪を犯した8,500人の危険な犯罪者を強制送還せず釈放した。当局は、病人や高齢者を拘留センターに数ヶ月間保持した。一方、米国市民に知らせず、公開記録のない重犯罪者を釈放したが、彼等は釈放後に犯罪を犯したため、結局逮捕された。解放後に逮捕された外国人による犯罪件数には多数の不穏な凶悪犯罪が含まれていた。2010年、国際的に有名になった中国人不法移民による極悪な殺人事件がある。彼は拘留される数年前、隣人の女性に暴行を加え、数年の刑務を終えた後、強制送還されるべきであった。しかし、ICEは被害者であったその女性に警告せず、静かに彼を釈放した。その中国人不法在留の男性は、彼女の住む場所に戻り、女性を刺し、彼女の心臓や肺を引き裂くという残虐な殺人を犯した。他多数のケースも報告されている。その一例として、キューバ出身の不法移民はICEに解放された後武装し、フロリダでの強盗先で女性を射殺した。彼の国が帰国に応じなかった為であると報告された。

2001年9月11日、米国は前代未聞の同時多発テロに遭遇し、数千人の米国人が死亡した。その後、当時の大統領ジョージ.Wブッシュ政権下で全てが変わった。ブッシュ政権は幾つかの組織を再編成し、テロ政策下でICEを米国国土安全省(DHS)の管轄下に置き、同省に著しい権限を与えた。DHSは司法省と連携し、9.11後、不法移民、怪しげな外国人、テロ容疑者を次から次に拘留した。DHSはそのような拘留者を多数追放し始めたが、FFF組織は、受け入れ国の領事館に対して強制送還する個人の身元を明確にし、安全を確保する必要があると米国政府に勧告している。2008年頃から極秘で釈放された犯罪者の多くは、現在も米国に滞在し続けている可能性が高い。これらの報告は、全て9.11後の幾つかの暗い側面を示唆するテロ政策の後遺症であるかもしれない。

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