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アフガニスタンにある国境なき医師団が経営する医療サンズ.フロンティア(MSF) 病院が空爆 され、20人以上が死亡した。数日後、米軍に責任があったことが判明し、6日ペンタゴンは事故または誤操作によるミスであると公表した。MSF医療チームは、米軍を戦争犯罪で追求できないかを模索している。14年前の10月7日、反テロ戦争の名の下にアフガニスタン攻略を宣言した前大統領ジョージW.ブッシュは、アフガン戦争は米国最初の長期的戦争になると予告したがまさにその通りである。

10月 3日アフガニスタンのクンドゥズ市でMSF病院が空爆を受け、戦争犯罪が提起されている。現在判明していることは、22名が死亡したことである。負傷者は10人以上から30人の範囲で情報が一致していない。ペンタゴンは空爆直後調査すると公表し、5日に過失を認めたが、その病院で医療に従事している国境なき医師団は事故説を否定し、戦争犯罪に訴えることを求めている。医師団の一人は、ターゲットにされたと主張しているが、どうして米軍がMSF病院を標的にする理由があるのか明確に説明をしていない。混乱状況下にあることは明白である。

MSF病院はアフガニスタン北東地域にある主な医療施設である。事故で死亡した22名中、12名は職員であった。米軍およびNATO軍の指令将軍ジョン.キャンベルは5日の記者会見で3日に米国のガンシップが民間人を誤って空爆した為、徹底的な調査をすると公約した。当初、キャンベル将軍は、タリバンからクンドゥズを取り戻すために戦っているアフガン軍が病院の近くでタリバンに攻撃され、米軍に援助を求めた為、米軍の空爆は「正当化」されたものであったと語った。 国境なき医師団は、爆撃が開始されるとすぐ米軍及びアフガン当局に連絡を取ったが爆撃が停止されるのに時間がかかったと主張したようである。

7日のロイターによると、国境なき医師団はアフガニスタンのクンドゥズにあるMSF病院を致命的な爆撃で多数の死者を出した米軍に責任があると信じ、独立した委員会を通して調査を開始すると公表した。その調査の結果次第で戦争犯罪と認めるかどうかを決定すると述べている。独自の調査を開始する理由は、米軍とアフガン軍との説明が一致していない為、米軍、アフガン軍、NATO軍に調査を依存するだけでなく、独自の調査委員会を設置したい意向がある。また、22名の失われた生命に報い、数千人の人々が治療を受けられない状況になった事、及び戦争国で活動する国境なき医師団の安全性が保護されていない現状に戦うためであると主張している。MSFインターナショナル会長のジョアン劉は記者会見で「我々が活動を行なう為の医療スペースを保護しない場合、シリア、南スーダン、イエメンのような所で仕事をすることは不可能です」と語ったという。このMSFグループは彼等の独立した調査を支持するようオバマ大統領に要請している。

大統領は今日、米軍の爆撃が12名の職員を死亡させたことを国境なき医師団に謝罪した。ホワイトハウスの報道官ジァシュ.アーネストによると、大統領は透明性のある徹底した調査を約束し、 将来同じような悲劇を起こさないため必要に応じて変革するべき事は変革すると述べた。また、電話でアフガニスタン大統領アシュラフに人命が失われたことに対する哀悼の意を表明し、アフガン軍の勇気を称賛したと伝えた。しかし、大統領に対するMSFグループの要請については明白にしていない。MSFグループは当事者がそれぞれ実施する調査のみに依存できないので、最終的にはこの当事者からも証拠を集め、更に独自の委員会による調査を実施した上で、人命の損失に対する犯罪責任を米国に追求する方針がある為、大統領は微妙な立場に置かれている。キャンベル将軍は記者会見で既に「意図的に爆撃するようなことは絶対にない」と断言し、「ミスで攻撃した」ことを率直に伝えている。一方、MSFグループの一人は正当な理由を説明せず、ターゲットにされたと主張 している。しかし、米軍のパイロットは空爆した施設が病院であることを知らなかった可能性もある。また、アフガン軍を護衛する事、および自己防衛において空爆を開始する際、米軍の規定に従ったかどうかも不明である。

2001年9月11日、米国で前代未聞の大規模な同時多発テロが発生した直後、当時の大統領ブッシュはアルカイダのテロリスト.リーダーであるオサマビン.ラディンがアメリカ人を殺害することを命令したと決定した。ブッシュ政権は、ちょうど14年前の10月7日、アフガニスタンのイスラム原理主義タリバン政府を打倒するため 不朽の自由作戦( Operation Enduring Freedom )と呼ばれる「反テロ戦争」を宣言した。ブッシュは当時、アフガニスタンの丘に隠れていると噂されたラディンを追跡する為、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアなどの同盟国が支援し、その他多数の国が情報を提供すると述べ、米国の優れた軍事力を利用し、アルカイダとタリバンを打倒するとしてテロリストとの戦争を宣言した。ブッシュは当時、対テロ戦争は、テロリストを支援し潜伏させているアフガニスタンが米国で最初の長期的戦いになる国であると宣告した。

そのアフガン戦争はオバマ就任後も続いていたが、2014年までに主な戦力をアフガン治安部隊に移動させた為、終盤を迎えたとの印象があった。大統領は2014年5月、その年の12月までに米軍を引き上げると発表したが 、米国はアフガニスタン政府に更なる訓練とアドバイスを提供するため、約10,000の兵士を在留させることを条件に両国間協定を結んだため、米軍は完全にアフガニスタンから撤退する事はなかった。2011年5月、米軍特殊部隊によりラディンは死亡し、アルカイダがほぼ崩壊した後、次に台頭したISISと呼ばれるテロリスト.グループは前例にない強力なイスラム過激派である。自爆テロや爆撃は頻繁に発生し、アフガニスタンは内戦が続いているシリアの次に危険な国になっている。従って、米軍が民間施設を空爆する事故はあり得る。アルカイダを解体し、タリバン政府を打破することが目的であったブッシュ政権時代の「対テロ戦争」と「徐々に弱体化し破壊する」ことを掲げているオバマ政権の先が見えない「反ISIS戦略」は、戦う相手と手段が異なるだけでいずれも本質的に違いはないが、益々複雑化し、混沌たる状況である「アフガニスタンでの戦争は長期化する」との前大統領ブッシュの予告は的中している。

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