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ラスベガスのウィンホテルで13日東部時間午後8時40分から開催された最初の民主党の討論会は、お互いの攻撃に集中しエンターテイメント化した共和党の討論会とは印象が違っていた。個人的な攻撃および共和党個人に対する批判は全くなく、本格的に中身の濃い真剣な政策論争に集中した。CNNおよびフェイスブックが主催し、アンダーソン.クーパーが進行役をリードした討論会は共和党に比較すると小規模であったが、立候補未決定の副大統領ジョー.バイデンを除き、ヒラリー.クリントン、バーモント州の無所属バーニー.サンダース、元メリーランド州知事マーティン.オマリー、元バージニア州の上院議員ジム.ウェッブ、ロード.アイランド州の前知事リンカーン.チェイフィーの5人は、それぞれ個々に異なる質問および全員共通の質問を含め、多数の手強な質問に直面したが、全員歯切れ良く応答した。

13日の討論会の主な焦点はリベラルで真剣なサンダースと優れた論争力のあるクリントンの政策の違いを比較することであり、特に2人の意見が対立する場面が印象的であった。支持率トップを維持し、大統領選に勝利する可能性があるものの、ベンガジ論争および個人メール.サーバーの使用で共和党に攻撃されているクリントンにとっては、全国の国民に弁明する絶好の機会であり、民主社会主義者のサンダースにとっては民主党の広範な支持を得る機会であった。残りの3人は知名度の点でマイナス要素があるため、有権者にアピールすることに必死であったが、全員良く準備している印象があった。提起された課題は、最近協定が成立した後も論争的である環太平洋戦略的経済連携協定( TPP)、不法移民に対する措置を含む移民改正法、気候変動とエネルギー政策、銃規制、黒人に対する差別を含む人種および教育問題などである。経済問題では所得格差、有給休暇などが話題に上がった。外交政策ではシリア問題、ISIS戦略に伴う兵隊派遣の有無、イラク戦争などが提起された。

クリントンは、国務長官時代に支持していたTPPに最近反対するようになり、オバマ大統領の政策に反する立場を表明している為、なぜ方針を変えたのか説明する必要があった。彼女は先日成立したTPPの「中身を勉強した後、私の基準には適合していなかった」ことが反対の理由であると述べた。また、クリントンの電子メール問題は微妙であるため、同じ民主党の候補者が個人攻撃をすることはなく、幾人かはクリントンに同情的であった。クリントンは「国務省が許可したことを行なったが、最高の選択ではなかった」と述べると、サンダースは「アメリカ人は馬鹿なメールの話を聞くことに疲れています」と述べ、他にも対処すべき重要な問題が沢山ある事を暗示すると、クリントンは笑顔を見せ彼と握手した。

しかし、クリントンとサンダースは幾つかの点で、明らかに意見の対立を見せる場面があった。銃規制については、クリントンはサンダースが1993年のブレイディ銃規制法案を支持しなかったことを指摘し、彼は「銃に十分タフですか」と聞かれ、「全くそうではありません」と答え、毎日90人が銃の暴力で死亡している事実を直視し、「全米はNRAに対抗するため立ち上がる時が来ました」と述べた。つまり、クリントンは オレゴン州の大量殺人事件を含め、今年頻繁に起きている銃乱射事件に照らし、簡単に銃が購入可能な現状及び銃器売買の抜け穴を防ぐことなど、もっと厳しい安全な銃法が急務であることをアピールした。サンダースは彼の州が重厚な銃所持の文化がある現状を指摘し「銃規制は郊外と都会では見解が異なるが、声をあげることはできます」と述べた。狩猟の為、銃の愛好者が多いことを重視するサンダースは過去に銃規制には消極的であったが、最近は強力なバックグランド.チェックと精神病者の管理に関する包括的な銃法を支持した。

また、教育費の無料化に関して、サンダースは全ての人々が平等に無理のない学費で高度教育を受ける権利があるにも関わらず、学費が上昇しているため葛藤している家庭が多いと述べ、 全ての学生に公立の短大および大学の従業費を無料にすることをアピールした。クリントンは 学費を無料にする公約はできないことを暗示し、学生は週に10時間のパートタイム労働で学費を得る必要があることや両親の現実的な計画に基づき、家庭が解決する問題であると語った。しかし、学生ローンに葛藤するべきではないため、利息を大幅に削減することで負債を著しく減少する必要性を示唆した。

移民問題に関しては特にクリントン、サンダース、オマリーは包括的な移民改正法を支持した。クリントンは市民権および永住権を与え、可能な限り強制送還を阻止すると語った。サンダースは、包括的な移民法が必要であり、不法移民に限らず低賃金の労働者は影響を受けているため、賃金をあげる必要があると述べた。また経済に関して、両氏はいずれもトップ階層と労働者との所得格差が拡大しているため中産階級が危機に直面していることに同じ懸念を表明した。サンダースは 潤っている企業の莫大な利益は共有されていない為、労働者階級や中産階級は賃金の停滞で苦闘していることや、黒人とヒスパニックの若い世代に失業者が多いため職業訓練が必要であると述べた。クリントンも労働者の収入上昇が大統領就任後の公約であると述べ、経済の向上はクリーン.エネルギー、雇用拡大のための科学および医学研究などの投資を通して経済を強化し、公正な税制に基づき中産階級と小規模企業に税控除する事であると語った。

現在、重要な課題となっている気候変動に関して、クリントンは7月27日アイオワ州のデモインでのキャンペーンで米国をクリーン.エネルギーのスーパーパワーにすると公約したような具体的な政策を語らなかったが、オバマ大統領は中国と排気ガス削減の国際協定に成功したことを繰り返した。サンダースは上院議会の環境、エネルギー、天然資源委員会のメンバーであるため、明確な気候変動政策を掲げている。ほぼ民主党と同様、気候変動の危機に対処することは急務であると述べている。サンダースは、気候変動は「道徳的な問題です」と述べ、「最大の米国安全保障の脅威」であることを強調した。また、化石燃料からの生産による炭素とメタンの排出量を減少させるためには炭素に課税する必要があると述べた。しかし、多数のスーパーパックの寄付者は化石燃料の消費に課税する炭素税に反対するため、選挙資金の改革なくして炭素税のような法律を制定することは不可能だと指摘した。

2008年以来、討論会には参加していなが、それ以前に多数の経験があり討論には慣れていて、話すポイントを抑えているクリントンに比較し、サンダースは素朴で雄弁ではないが、熱意は十分感じられた。共和党の前回2つの主な討論会には2,500万前後の視聴者があったと言われているが、13日の民主党の討論会は、その半分になることが予測されていた。なぜなら、共和党の討論会に比較すると退屈であるため、民主党の政策を純粋に知りたい有権者でないかぎり、平日に2時間の政治論争を見る人は限られているからである。ツイッターを効力的に利用する技術力があると評価されているトランプは、今夜の民主党の討論会に注目し、ツイッターに投稿すると公約していた為、多数今夜の民主党討論会に注目し投稿したようである。

 

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