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ヒラリー.クリントンは22日、ベンガジ下院選定委員会の聴聞会に出席し証言を行なった。現在、ほとんど新たな情報は得られていない。幾つかの点でこの委員会は特異性があり、今日開催された聴聞会で複数の民主党メンバーは、委員会の調査の目的はクリントン をターゲットにしていることを彼女に直接警告した。一方、共和党の調査委員会の委員長であるトレイ.ゴウディは、その目的は純粋に真実を知るためであると主張したが、ベンガジ下院選定委員会の設置目的は多数の両党の議員が既に証言している通り、党派的である事が疑われる理由が幾つかある。

ベンガジ下院選定委員会は共和党7 人、民主党5人で構成され、人員のバランスから見ても基本的に共和党が主導している党派的な調査であることを示唆している。22日朝から11時間続いた聴聞会を観察することは不可能であったが、断片的に見た聴聞会で共和党がクリントンを攻撃する場面が幾つかあった。複数の共和党は委員会の目的は大統領選の民主党有力候補者であるクリントンを弱体化することであると証言した為、民主党委員会のメンバーは、ヒラリーに質問する前に、同じことを直接彼女に伝えたことが印象として残った。過去のどの聴聞会より長い合計17ヶ月間の断続的な聴聞会で、新たな情報は何も提起されていない。基本的には、ベンガジの大使館が攻撃された時、アメリカ人を救うための対処が怠慢であり、全ての責任はクリントンにあると攻撃していることは明白である。共和党委員会のメンバーの一人は、リビアでの米国の外交政策の主な立役者はクリントンである為、今日リビアで起きていることは災害であると批判した。クリントンは、米国のリビア政策の最終的指令はオバマ大統領が指揮したと答えた。

委員会の民主党メンバーは(1)委員会上級メンバーであるメリーランド州の米国下院議員イラジャ.カミングス(2)軍事委員会の上級メンバーであるワシントン州の米国下院議員アダム.スミス(3)常設特別委員会の情報部員でカリフォルニア州のアダム.シッフ(4)歳入委員会メンバーで同じくカリフォルニア州のリンダ. サンチェス(5)軍事委員会のメンバーでイリノイ州の下院議員タミー.ダックワースの5人で構成され、彼等は昨年5月下院少数派リーダーのナンシー.ペロシに指名された議員である。

この委員会の民主党メンバーの幾人かは今日の聴聞会で、調査委員会の目的は党派的であり、クリントンの政治生命にダメージを与えることが主な目的であると証言した。カミングスは聴聞会の冒頭陳述で、「長官婦人、ここに座っているのは貴方だけです、貴方の左側に国防長官はいません、貴方の右側にはCIAのディレクターはいません。その理由は共和党が、そのようなトップ高官に質問する彼等の計画を放棄したからです」と述べた。ベンガジ選定委員会の委員長ゴウディは先週、複数の共和党が委員会の隠れた目的について証言した後、「黙っていろ」と叱責したと伝えられた。カミングスはこの件に触れ、「私が知りたい事は、共和党がクリントン長官を無謀に攻撃している時には何も言わず、本当の事を話している共和党には黙れと言っているのは明らかに嘘があるからではないかという事です」と述べ、「あなたは大統領選に候補していますので、彼等はそれを設定しました。税金で賄われる釣りを終らなくてはなりません」と述べ、委員会は17ヶ月間で納税者のお金を470万ドル以上使ったと指摘した。また、クリントンのキャンペーンを混乱させ破壊することが目的であり、党派的なものであると証言した。次に、スミスは「質問に注目すれば、委員会の目的はあなたを起訴する為である」ことが理解できると警告し、「来年その時間は十分ありますので、彼等はそうします」と証言した。

委員長のゴウディは、22日の聴聞会で守備的な側面もあった。両党複数の議員は委員会の調査目的は「貴方を攻撃するためだと言っているが、そうではありません。誰も貴方のEメール.システムを調査する為委員会に参加していません」と述べた。しかし、共和党の女性議員はクリントンが提出した山積みのEメールを提示した。クリントンはゴウディに対し、「以前の全ての調査および全て党派的な課題でありますが、私は失った人々を敬い、出来ることをするためここにいます」と答えた。このベンガジ委員会の目的は党派的であり、民主党大統領最有力候補者であるヒラリー個人を攻撃することが目的であると、民主党および一部の共和党メンバーが証言していることを裏付ける記録がある。

ベンガジ調査委員会は、過去のどの調査委員会より、執拗な点で特異性がある事を示唆している。ベンガジ.リサーチ.センター(BRC )によると、4名のアメリカ人が死亡したベンガジ.テロ攻撃に関して、議会聴聞会はこれまで17ヶ月間で32回開催された。約3,000人が死亡した9.11の同時多発テロに関する議会調査委員会での聴聞会は22回である。これは死亡したアメリカ人の数に比較すると、ベンガジは異常に多い。BRCは、オバマ政権に不正があったことを示唆する発見はゼロであり、情報上の失敗を示唆する証拠は何も発見されておらず、またアメリカ人の外交官を救済するため軍隊を派遣する行動に関して誰かが「待機していなさい」と命令した証拠も発見されていないと指摘している。1983年にベイルートの米大使館が攻撃され63人が殺害されたテロ事件、1984年に北東ベイルートの米大使館別館で24人が殺された事件、および、2008年にイエメンのサナアにある米国大使館で18人が殺害された事件では議会委員会による調査は実施されていないという事実がある。

委員会の目的が個人攻撃ではなく建設的なものであるなら、当然そのような論議が提起されるべきである。しかし、物騒なリビアのベンガジで大使を含む外交官4人が殺害されたこの事件の背後にある危険性に関して、当時どれほどベンガジが治安的に不安定な所であり、どのような安全保障対策があったのか、今後同じような事件を防ぐためには、どのような点でどのように改善すべきか、そのような観点から質問した人物は民主党女性のメンバーであるダックワースだけであった。共和党はいわゆる陰謀説に固執し、軍隊派遣に関して 「待機していなさい」と命令した人物がいるとし、それをクリントンに結びつけ、Eメールの中にそのような隠された情報があるのではないかと懐疑的である。クリントンが自分の落ち度を認めるまでは満足しない執拗性と無謀性があり、それはトレイ.ゴウディが主導するベンガジ下院選定委員会の本質であることを感じた。ジョー.バイデンの立候補辞退はクリントンに有利であると言われている為、スミスが証言したように来年も共和党はベンガジ、ベンガジを繰り返し、クリントンを攻撃する可能性がまだあることを示唆した。

 

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