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2つの最新世論調査で、ベン.カーソンはトップを維持していたドナルド.トランプを大きく引き離した。そのうちの1つの調査では、先月の状況を逆転し、ヒラリー.クリントンもバーニー.サンダースをかなりリードした。ジェブ.ブッシュはもはやホワイトハウスへのゴールを成就するどころか、トップ5位にさえ入っていない事実に加えて、キャンペーンの経費さえ削減しなくてはならない現状である。一方、トランプはスーパパック(SP)のダーク.マネーを不要だとして寄付者に返金することを要請したと公表した。この異例のケースは何を意味しているのだろうか?

23 日に公表された早期勝利者を決定するアイオワ州の二つの世論調査で、共和党大統領候補者のカーソンはいずれの調査でも約10%ポイントもドナルド.トランプをリードした。約4ヶ月間トップを維持していたトランプ現象は「一時的なものである」と予測していた幾人かの展望は正確であったことを示唆した。民主党の場合、22日開催された下院ベンガジ選定委員会のマラソン聴聞会で11時間の証言に協力し、攻撃的に怒鳴っていた何人かの共和党メンバーに対しても一部始終穏やかだったクリントンが完全に勝利したと言われている。クリントンは23日に公表されたクイニピアック大学の世論調査でライバルのサンダースを安全圏の範囲で引き離した。

クイニピアック大学の調査結果:10月22日に共和党候補者、23日に民主党候補者の支持率を公表。

党派別 クイニピアック大学 ブルンバーグ
民主党

 

候補者名 支持率 % 支持率%
クリントン 51
サンダース 40
共和党 カーソン 28 28
トランプ 20 19
マルコ.ルビオ 13 9
テッド.クルーズ 10 10
ランド.ポール 6 5
ブッシュ 5 5

クイニピアック大学の先月(9月10日)の世論調査ではクリントンが40%、サンダースは41%の支持率でほぼ横ばい状況であった。最新の世論調査は10月13日の民主党討論会でヒラリーが強く確信的な政策をアピールした結果を反映している。 一方、共和党にも大きな変化が見られる。9月 11日の前回の調査で、トランプは27%、カーソンは21%であった。同じく今日(23日)公表されたブルンバーグの調査で、アイオワ州の共和党支持者は第一選択の候補者として28%がカーソンを支持し、19%がトランプを支持した。

トランプの支持率トップ傾向は多数のメディアや専門家が「一時的である」と予測していたが、どうやらその予測は正解だったようだ。大統領候補者の指名が来年早期に行なわれる重要なアイオワ州でトランプが共和党の最終候補者として指名される可能性は著しく減少した。10月1日ワシントン.アイディア.フォーラムで、2012年の大統領候補者であったミット.ロムニーは、共和党は歴史的に主流派の保守派及び外交政策に基礎がある人物を指名する為、トランプは指名されないと宣言した。ロムニーの観点から選択した場合、共和党候補者の中で外交政策に強い人物は存在しないが、上記6人の中からあえて選択するなら、ジェブ.ブッシュかもしれない。

しかし、ブッシュはここ数ヶ月でかなり支持率が下がり、現在財源に苦戦し、キャンペーン費用を切り詰めている状況である。23日の APによると、全職員の給与も含めてキャンペーンのコストを40% 、旅行費も20%削減している。また、キャンペーンの人員も削減していると言われている。彼のSPにはかなり寄付が集まっている一方で、 ここ数ヶ月のキャンペーンでの寄付は減少し、7月1日から9月30日までの寄付総額は1,340万ドルで、2,000万ドル受理したカーソンにリードされている。リック.ペリーおよびスコット.ウォーカーは、既に資金不足でキャンペーンから辞退し、更に他の6人も財源が乏しいため選挙戦から辞退する可能性があると予測されている。しかし、ブッシュはこの6人中の一人ではなく、辞退の徴候はない。

一方、トランプはSPの寄付者に返金すると公表している。23日のワシントン.ポスト(WP)によると、大統領選の候補者としてトランプを支持していると思われるSP寄付者に、彼の名前を利用しての募金を止め、既に受理した寄付金を返金する事を要請したと公表した。トランプの弁護士は21日、既に受信した寄付金を返すため9のSP組織に手紙を送ったという。トランプは共和党及び民主党の政敵もトランプと同様「ダーク.マネー」を拒否する事をアピールした。SPは「再びアメリカを偉大な国にする」とのキャンペーン.スローガンに適合していない事、および自己資金でキャンペーンを維持すると約束しているため、連邦政府が限定している小さな寄付のみ受理する方針であるらしい。9つのSP委員会に宛てた手紙は、SP組織の募金活動に関して、トランプの名前及びイメージを利用する事を認可していないと主張し、「そのような活動を正式に否認している」と述べている。また、トランプの「キャンペーンは貴方のSPからお金を受理したこともなければ、貴方の委員会から如何なるお金、サービス、商品も欲しくはない」ので「全ての資金を払い戻すことを要請する」と述べている。

SPの寄付金は候補者が直接管理し調整できない性質のものである。通常、SP組織は集まった資金を寄付者の意志に基づき、候補者に有利であるかまたは候補者のライバルに不利なテレビ宣伝広告などの作成費用に利用するのが一般的である。恐らく、トランプおよび彼の弁護士はSPが彼等に有利ではないと考えているようである。2010年、最高裁が無限の選挙資金も言論の自由であると判定して以来、生まれたSPシステムに対して、他の共和党とは異なる考え方を表明した候補者はトランプだけである。数週間前、支持率が下がれば選挙戦から辞退すると述べたが、数日後にはその言葉を撤回した。敗北した場合、SPの寄付者に失望させないための対策だろうと推測する事も可能である。しかしWPによると、先週ニューハンプシャーで、SPは自分とは無関係だと述べ、「自己資金でキャンペーンを賄っているため、寄付者に支配されていない」と語った。この点でも異例の共和党候補者であるが、初めてカーソンが強力なライバルとしてトランプを引き離した。大統領選まで、まだ1年もある最近の世論調査は全体像を反映していないが、今後の動向を予測する上で興味深い展開になっている。

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