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驚く事に23日、下院議会は正午頃アフォーダブル.ケア.アクト(ACA)またはオバマケアの主要部分を撤廃する法案に記録的な投票を行ない、歴史的な挑戦の結果初めて通過した。ミット.ロムニーはその日の午後、マサチューセッツ州の知事時代に制定された同州の医療保険改正法が存在していなければ、オバマケアは制定されなかったと述べ、同州の法律は機能している事を示唆する発言をした。下院で通過した巧みな法案は上院でも通過するように考案されたものであるが、奇妙な事にオバマケアの撤廃を最も主張していた本人を含む6人の共和党上院議員はこの法案に反対している。幾つかの理由によりACAは突然撤廃に追い込まれる運命ではないと思われるが、なぜ同類の二つの法律のうち一つは州で成功し、同じく成功の兆しがある連邦政府の法律は終わりのない撤廃の脅威に直面しているのか?

2010年3月ACAが制定されて以来、下院議会は5年以上かけて60回の撤廃に投票してきた。下院議会が23日歴史的に通過した法案の投票は、61回目の挑戦である。240対189の票差で通過したこの法案は(1)米国最大の中絶機関であるプランズ.ペーレンフッズ(PP)に融資を停止する。(2) 健康保険を購入することを個人に要求している強制加入部分を廃止し、(3)加入しない国民に罰金としての税金を課す部分を排除する。更に(4)上院では通常フィリバスター(議事妨害)を克服する手続き投票を行なうため、60票が必要であるが、下院議会は上院で51票の単純多数派投票を可能にする為、手続き投票を遮断する巧みな工夫を行なった。

しかし、上院議会で54人の共和党全員が賛成票に投じた場合、楽に通過するはずであるが、少なくとも6人の共和党がこの法案に反対している為、51票さえ獲得できない可能性がある。面白い事に、オバマケアの融資停止を主張し2013年10月に政府閉鎖を先導した2016年大統領選候補者の一人であるテッド.クルーズ(テキサス州)及びマルコ.ルビオ(フロリダ州)と彼らの仲間のマイク.リーの3人は、この法案は完全な撤廃ではないとの理由で反対している。彼等は、数百万人の毎月の医療保険支払いは上昇していることに加えて雇用に悪影響がある為、ACAを全面的に撤廃しない法案には同意できないと主張している。更に、スーザン.コリンを含む3人の穏健派の女性共和党議員は、この法案にはPPへの融資停止が含まれているため、同意できないとして、反対票を投じることを表明している。クルーズ、ルビオ、リーは風見鶏にならないという保証はないが、この6人が反対票を投じた場合、単純多数派投票の51票には不足する計算になるため、通過しない可能性がある。明白な事は、ACAの主要部分を撤廃し、PPへの融資を阻止する法案にオバマ大統領は署名しない為、61回目の撤廃運動も失敗に終る可能性がある。240人が賛成票を投じたこの法案は共和党だけの路線であることを示唆し、既に知られている通り、大統領の拒否権を覆すことは容易ではない。

下院議会でこのような動きがあった数時間後、マサチューセッツ州の元知事で2012年の共和党大統領候補者であったミット.ロムニーは、オバマケアはロムニーケアを基に制定されたものであり、このような法律は機能しているとボストン.グローブ語った。事務用品のスーパー.マーケット、ステープルズの共同設立者で23日に胃癌で死亡した66歳のトーマス.ステンバーグはロムニーが知事に選出された直後、なぜ知事に立候補したかを尋ねたと語った。ロムニーはステンバーグに「人々を助けたいからである」と答えると、ステンバーグは「本当に人々を援助したいのであれば、ロムニーが以前考慮した事のない ヘルスケアを全ての人々に提供するべきであると応答した」と語った。ロムニーは、「ロムニーケアなくして、オバマケアが制定されたとは思いません。トム(トーマス)がいなければ、人々は健康保険を保持することはありません」と述べた。

2012年の大統領選でロムニーは、オバマケアはロムニーケアと基本的には同じであると語った。大統領も同年 、医療保険改正法を考案する際、両氏は「同じ顧問を利用し、同じ計画」を採用したと認めた。しかし、ロムニーケアは失敗していると主張している保守派も存在する。例えば、リバタリアンのシンクタンク組織であるケイト研究所は、ロムニーケアが2006年に署名された2年後に失敗したと公言した。この組織は基本的に社会保障やメディケアなどにも反対している為、助成金で運営されるオバマケアにも反対している。オバマケアの起源であると言われているロムニーケアの健康保険には98%の住民が加入し、過去3年間で10%増加した。州政府は「政府のコストが膨れ上がっておらず、63%の住民は法律を支持している」と評価しているため、成功していると考慮されている。

もし、ロムニーケアを大半の州民が支持していなければ、ロムニーはオバマケアと同類であるロムニーケアが機能していることを示唆する発言を躊躇したはずである。それにも関わらず、共和党が執拗にオバマケア撤廃を試みる理由は、強制加入や罰金システムが自由を強調するアメリカの建国精神に違反すると考えているか、 彼等の議会地区の共和党有権者が反対しているためであるか、小さな政府を目指す彼等の意志に反するからであるか、又は米国初の重要な医療保険法の制定と成功の名誉を米国初の黒人大統領に与えたくないかのいずれか又は全てである。クルーズがオバマケアの融資停止を主張し、政府閉鎖を先導した2年前までは一般的に(1)この法律は複雑で理解しにくい、(2)小さな雇用主に経済的負担を与える為、フルタイムよりパートタイムが増え、米国の経済を崩壊する(3)毎月の保健費が高いことなどが共和党の主な主張であった。しかし、現在1,700万人が加入し、医療費は著しく文字通りアフォーダブルになり、大多数の雇用主はコストも「たいしたことはない 」と述べていると指摘されている。多くのアメリカ人を援助している法律を嫌い、61回目の投票に挑んだ共和党は不可解であるが、ニューヨーク.タイムスは「アメリカ人がオバマケアを好きになることを恐れているからである」と結論を下している。いずれにしても、異常なほど執拗であることは確かである。

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