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2016大統領選候補者の討論会で、両党いずれも論争的なイラク戦争の課題が提起された。現在、イラク戦争を先導した前大統領ジョージW.ブッシュの弟であるジェブ.ブッシュはキャンペーン先で頻繁に風見鶏的な立場を続けたが、ある時点でイラク戦争は失敗であったと認めるような発言をした。25日、保守派で知られたイギリスの元首相トニー.ブレアはイラク侵略に参加したことを謝罪した。イスラム国(ISIS又はISIL)の台頭はイラク戦争の二次的結果であり、 イラク戦争の副産物であるとの専門家の意見が近年頻繁に提起されている。

21世紀の強力なテロリスト組織として認識されているISISは後退的な宗教哲学を掲げ、その勢力をイラクからシリアおよびリビアに拡大している。その紛争はグローバル化し、急速な展開がある為「第三次世界大戦」と呼ばれる対ISIS戦争は益々複雑化している。米国は同盟国および多数のイスラム国との連携による空爆を実施している。シリアではターゲットが不正確であるとの悪評があるロシアが空爆に介入し、オバマ政権の「徐々に弱体化し、究極的に破滅する」ことをスローガンに掲げている ISISとの戦争は、混沌たる状況になっている。急速に成長しているISISは米国および国際的有志国による頻繁な空爆に多大な影響を受け、彼等の進行は減速しているものの撲滅にはほど遠い。ISISは石油からの資源、武器および組織力がある為、シリアとイラクで広大な地域を制御し、急速に成長している。また、ISISは多数の人々を誘拐し、人質にする邪悪な行為を続けている。22日のNYTimesによると、米軍とクルド兵はとイラク北部でISISの武装勢力によって拘束されていた約70人の人質を救済したが、この襲撃で初めてイラクでアメリカ兵が死亡した。期待に外れ、拘留されていたと言われていたISISの5人の戦士はこの中に含まれていなかった。

ISISの脅威が日毎に増大している25日、イギリスの元首相トニー.ブレアは2003年のイラク侵略は一部イスラム国台頭の原因になったことを認めた。アメリカ先導のイラク侵略を支持するため兵士を派遣したブレアの決定は、現在でも進行中の論争的な政治的問題であり、イギリスでは長年の紛争に対する国民の疑問に対して、その解答を公表するまでには到っていない。しかし、ブレアは2003年のイラク侵略はISISの台頭に重要な責任があると述べ、米国およびイギリスの軍隊派遣は事実に反し、イラクが大量破壊兵器を保持していたと言われていた為、軍隊派遣が正当化された事実があった事を公式に謝罪した。長期的イラク戦争で数千人のイラク兵、4,400以上の米兵、約200人のイギリス兵が死亡した。

イラク侵略後サダム.フセインの軍隊は解散される運命になった為、アルカイダは最終的にISISに乗っ取られる結果になったと言われている。そのようなISIS台頭の要因は、米国および同盟国による2003年のイラク侵略後、イラクが政治および社会的に不安定になり、宗派分裂が生じ、イラク崩壊後中東の安全保障を国際的に悪化させたことである。従って、予算を編成せず投資されたイラク侵略は経済的にも無意味であった。昨年ペンタゴンは、 資金力、軍事力および組織力の側面で前代未聞の強力なテロリストであると述べた通り、ISISは2014年の中頃までにはシリアで領土および他のテロリストを制覇した。ハーバード大学の政治学者で中東のスンニ/シーア派分裂の専門家および著者であるハサン.アルは2014年8月、アルカイダとI SISとの関係および違いについて語った。また、ISISの台頭はイラクと西側諸国にとって何を意味し、米国の安全保障にどのような脅威があるかを説明した。

アルカイダとISISとの関係および違いについて、ISISは2004年に結成されたメソポタミアのアルカイダ組織の化身であると述べた。そのグループは、オサマビン.ラディンとアルカイダに忠誠を宣言したが、アルカイダとは違う組織やイデオロギーを保持している独立性の高い団体である。ISISは、非常にイスラム原理主義でイスラム教の排他的な解釈を採用し、唯一の「勝利宗派」であると主張し、イラク人の55%から60%を構成するシーア派を変質者とみなし、その攻撃を合法的であると考えている。イラク戦争で二次的に台頭したアルカイダの化身は宗派間の特性が具体化されていると説明。また、アルカイダは西側との競争を優先したが、ISISは、独自の国家建設を目指している為、シーア派との対立が中心である点で大きく異なる。もし、アルカイダの台頭がアフガニスタン紛争の二次的結果だったとしたら、ISISはイラクとレバント国における紛争および失敗の結果であるとして、アルカイダとISISの違いを明白した。

アルは、イラクでのISIS台頭はイラクと西側諸国にとって、その地域で「植民地後の国の失敗に我々が再び直面していることを意味する」と述べた。なぜなら、民主主義と包括性のモデルになるはずであったサダム.フセイン政権後のイラクは、民族および宗派分裂によって著しく脆弱な国になってしまった。問題の根源は、国を構築する課程に置いて、指導者が除外的政治で支配する性質があるからである。現在ISISは自国を建設し、彼らが制御するため管理している地域での権力を統合することに集中している。従って、それに従事している彼等の戦闘のほとんどはその統制を争う人々に対するものであり、将来もそのような状況は続くと述べた。しかし、 真のイスラム帝国を象徴するためであるとISISが主張しているように、その計画は現在の境界線で停止しないため、領土拡大は続き、米国および西側の利益にとって直接的な衝突につながるとし、米国の安全保障に脅威があると語った。

近年、「イラク戦争は間違いであった」という見解は米国の大半のコンセンサスである。そのイラク戦争の副産物であり、アルカイダ組織の化身として台頭したISISとの長い戦争が予測されている現在、イラク戦争の失敗を認めている2016年の大統領候補者は、テッド.クルーズ、マルコ.ルビオ、ランド.ポール、クリス.クリスティ、ジョン.ケイシックなどである。彼等は同様に、大量破壊兵器の不正確な情報に基づきイラク侵略を決定することはないだろうと述べている。ブッシュは基本的に兄を擁護し続け、イラク戦争についてある時点で「現在判明していることを知ることで、侵略しなかっただろう」と述べたが、侵略すべきではなかったと言ったのか、出来ないと言ったのか曖昧であった。発言に一貫性がなく、明白な立場を有権者に知らせることに失敗した事も彼の支持率が低下している一因である。最近の討論会でも頻繁に兄は「我々を安全にした」と言い続けた。ヒラリー.クリントンは当時イラク侵略に賛成票を投じたことで知られているが、現在後悔していると頻繁に述べている。イラク戦争に反対したバーニー.サンダースは中東での戦争について「全てのアメリカ人が懸念している現在の問題をどうするか語る必要がある」と述べている。

 

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