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ポール.ライアンは先週下院議長に就任した後、多数のメディアのインタビューを受けている。 共和党内で指名される前から、議長として機能不全の党内を統一出来るのであれば、議長としての任務を受けると述べ、最終的な投票で必要な投票数を獲得した為、幾分不本意ながらも議長に就任した。ライアンは新議長として、党内を統一できるのかどうか注目されているが、彼がこれまで促進してきた極右的政策も含めて、幾つかの要因はその答を推測可能な状況にしている。

ライアンは29日の下院議会全体の投票で、任命に必要な218票を超過し236人の 支持を受けて当選した直後、公式に議長就任の短いスピーチを行なった。第54代下院議長として就任したライアンはこのスピーチの中で、「我々は問題を解決していない。問題を追加している。私は非難することに興味はありません」と述べた。また常に意見の不一致はあるがその異論を隠す必要も恐れる必要もなく、違いがあることに正直であるべきであり、構想のある人の意見は聞くようにしましょうと語った。また11月1日、NBCのMeet the Press でのインタビューで移民の大統領令について、 「 この問題に関して、我々が大統領を信頼できるとは思いません。一方的に法律を書き換えようとしていますので、信用できない事を証明しています」と語り、移民の問題は議会が制定するべきであると述べた。同じく今日のABCニュースによると、ライアンはドナルド.トランプも含めて、全ての共和党候補者は、ヒラリー.クリントンより良い大統領になると思うので、共和党の誰が大統領になっても支持しますと述べた。トランプは数ヶ月前、メキシコからの移民は犯罪者であるとの過激な発言をしたため、多方面から批判された。その当時ライアンも「非常に失礼である」とコメントしていた。

同じく日曜日、ライアンはCNNの番組State of the Unionの司会者ダナ.ブッシュとのインタビューで、共和党の議題を重視する考えを明らかにした。移民法の大統領令については反対の姿勢を強調し「この大統領は自分で法律を書こうとしている。大統領は法律を書きません。議会が法律を書きます」と語り、一度移民改正法案を支持した事がある彼は、オバマ大統領の在職中に移民法に取り組む意志がないことを明確にした。また、「何が可能であり、何が達成不可能であるかを最初から国民に正直に伝えるべきである」と述べ、どのような結果になるかは不明であるが、「我々議会にその意志を機能させる」必要があると語った。最後に米国の議員として就任して以来、長い間自分の事務所で眠る習慣があるので今後もその習慣は続けると宣言した。ライアンは「私はただの普通の男です」と言うと、ダナは「普通の男性は自分の事務所で眠りませんよ」と反論すると「実際、より効率的になります」と述べた。

ジョン.ベイナーは、崩壊した共和党内を修正できる人物はライアンだけであるとの強い期待を表明していた為、かなりのプレッシャーを受けていたと推測されている。しかし、40人の極右派が下院に存在し、彼らの過激な政策と常識的な政策を掲げる主流保守派との間で修復し難い分裂があるという根本的な問題は変わらない。ケビン.マッカーシーが議長職を諦めた理由はその為であり、少なくともそのような現状を日々身近に目撃していた彼はライアンより年長者であり、もっと政治的経験は長い。しかし、もっと「新しい顔が必要ある」 と言い逃れし、マッカーシーは土壇場で、そのような重責と過酷なプレッシャーを避ける決定をした。ライアンは、共和党内だけの指名投票の数日前から、統一することが可能なら仕事を受け入れると述べ、統一の努力をする印象を与えた。しかし、統一する意志もなければ統一する事も現実的には不可能である。

なぜなら、(1)共和党内には、比較的穏健派、保守派、極右派の3つのグループが存在している為、どのような人物もこの3つのグループをまとめることはほぼ絶対的に不可能である。(2)就任スピーチおよび複数のメディアに語ったライアンの言葉は、ベイナーと同様、多くの課題を投票に持ち込むことが困難であることを予め守備的に宣言していることを示唆している。(3)移民法を支持していたライアンは、不法移民を強制送還することを公表しているトランプさえ支持すると表明した為、早速風見鶏的側面を暴露している。(4)複数の右翼ウォッチのグループは、共和党が右側に寄り過ぎているため、ライアンは現在「穏健派」と見られているが、実際に極右派の議題を促進した張本人であると述べている。ライアンは数年間、反同性結婚、宗教の自由権利主義、反投票権を支持し、反プロ.チョイス、レイプ被害者も含む中絶の禁止、中絶の犯罪化を促進した為、極右派に属すると見られている。

これらの要素は、ライアンが大半の比較的穏健派と波長が合わないことを示唆している。また、彼は下院議会の共和党票247および民主党188票の合計435票中236を獲得した。これはライアンを議長に任命するため下院フロアーの投票で11人の共和党が彼を拒否した事を示唆している。また、184人の民主党は下院少数派民主党のナンシー.ペロシに投票した為、ほとんどの民主党はライアンを支持していなかったことが判明した。これらの数値は、ライアンにとって党内の3つのグループを統一することも、下院議会全体をまとめることも非常に困難であることを象徴している。

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