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グローバル的に気候変動に対処することが常識的になっている近年、75%以上の米国民は気候変動が起きている現実を信じている。2016年の大統領選候補者の討論会では気候変動も提起され、その取り組みが重視されるようになっているが、民主党および共和党候補者の気候変動に対する考え方や政策は様々である。両党の主な候補者である 12名の違いを分類すると(1)気候変動を深刻な問題であると理解し、具体的な政策を提供している。(2)気候変動の科学を信じ現実に起きていることを認めるが、ビジネスの影響を懸念し総合的なアプローチを提起している。(3)気候変動を信じるが、人間の活動が起因している事を信じていない。(4)気候変動を否定することで何もする必要がないと思っている、など大まかに4つのグループが存在している。

最初のグループは、民主党候補者のヒラリー.クリントン、バーニー.サンダース、マーティン.オマリー の3人であり、彼等はそれぞれ具体的な政策を掲げている。クリントンは2020年までに全米で5,000万以上のソーラー.パネルを導入することを含めて、クリーン.エネルギー政策は著しく広大で具体的である。10月13日に開催された民主党討論会で、サンダースおよびオマリーも真剣に気候変動の危機を語り、対策の概略を語った。サンダースは我々の子供および孫達に清浄な空気を残すため、化石燃料から効率的で再生可能なエネルギーに変換する「道徳的責任がある」と述べた。オマリーは6月18日、既に2050年までに100%クリーン.エネルギーに変換するとの最も意欲的な気候変動政策を公表した。このゴールに達するためには、すぐその移行期を開始する必要があると述べている。

民主党のような政策は掲げていないが、ミックスした構想を提示している候補者はベン.カーソン、ジェブ.ブッシュ、クリス.クリスティ、ジョン.ケィシック、カーリー.フィオリーナの5人である。彼等は気候変動の科学を信じ、気候変動は人間の活動に起因し、現実に起きていると思っているが、化石燃料関連のビジネスが仕事を喪失することを恐れている。カーソンは討論会で「常に温暖化、または冷却化がある」と述べ、気候変動は現実に起きていることを信じるが、それが人間の活動に起因する事を明確に述べていない。また、気候変動に対処する政策を提供していないが、環境保護は重要であると述べながらも、ホワイトハウスへの勝利を獲得した場合、キーストーン.パイプラインを認可し、再生可能エネルギーに投資しながら、化石燃料資源も開発するミックスの政策を掲げている。ブッシュは6月30日、ブルンバーグとのインタビューで、気候変動は人間の活動が起因しているとし、国の経済を破壊せず可能な方法を採用する責任があると語った。またこの問題を認識し、長期的な解決策を見つけるための研究に投資することが適切だと思うが、それについて警告的な方法ではないことが望ましいと語った。

その時に応じて風見鶏的に変わる側面もあるが、クリスティは5月8日、ニューハンプシャーでのキャンペーンで「私は、地球温暖化は実在していると思います」と述べ、気候変動を「否定できるとは思わない。それは人間の活動に起因している」と語った。気候変動は問題である事を認識し、語る意志はあるが、解決策または政策を掲げていない。ケィシックは二回目の討論会で気候変動は事実であり、人間の活動が要因であることを信じているが、どのように対処するべきか具体的な案を提供しなかった。しかし、クリーン.エネルギーの新技術の研究を含む再生可能エネンルギーを最も重視しながらも経済を崩壊したくないので、その他の利用可能な全てのエネルギー政策を支持すると述べた。フィオリーナは、気候変動は人間の活動が起因していることを認めているが「個々の政府」による排出量削減規制のみで、大きな変化は得られないと指摘している。

気候変動は信じるが人間の活動が起因していると思っていない候補者は、マルコ.ルビオとランド.ポールである。ルビオによる「人間は気候変動に責任が無い」との確言は有名である。彼は「 気候が変化していない瞬間はありませんので私は気候が変動していると信じています。質問は、それの何パーセントが人間の活動によるものですか? 」と述べ、排気ガス規制とその経済コストを比較した場合、その変化に関する影響を経済学者は明白にしていないと指摘した。また、「私は我々の経済に与える影響は壊滅的である事を確実に伝えることが出来ます」と述べている。ポールは10月30日、保守派のラジオ.トークショーのホストであるグレン.ベックとのインタビューで気候変動の問題は、人間がどれほど起因し、自然が及ぼす影響はどれほどなのか不明であると述べた。科学者を含めて「気候変動がなぜ起きているのかを正確に理解している人がいるかどうか不明である」との懐疑心を表明した。

最後に、気候変動の科学を信じていない為、当然何の政策も掲げていない候補者は、テッド.クルーズ及びドナルド.トランプである。クルーズは「気候変動は科学ではないが、宗教である」と述べている。また、上院での聴聞会で、「過去18年間サテライトのデーターは著しい温暖化を何も表示していない」事実も含めてデーターについて質問した時、環境保護団体のシエラクラブの代表者は基本的な質問に答えることができなかったと述べた。トランプは公然と気候変動および地球温暖化を信じないと明言し、頻繁にツイッターに投稿している。

気候変動は大統領選の重要な課題になっている。テキサス大学が最近公表した世論調査によると、59%の共和党支持者を含め、総体的に76%のアメリカ人は「気候変動は現在起きていると信じている」ことが判明した。この傾向は昨年から8%上昇している。近年急速に国民の意識が変化し、環境破壊および公害は大半のアメリカ人が懸念している為、気候変動は重要な課題になっていることを複数の専門家は指摘し始めている。一国の政府のみの規制ではたいした成果はないと述べたフィオリーナの指摘は真実であるが、国際的にも多数の国が行動を起こし始めている事実もある。米中は昨年11月12日、画期的な温室効果ガス削減に合意した。また中国は、今日2日フランスと気候変動に取り組むための国際取引において「歴史的なステップ」による合意に達した。11月30日から12月11日までパリで開催される気候変動会議には共通の目標を達成するため、中国および米国を含む80カ国が参加する。世界がグローバル的規模で結集し排気ガス削減に努力している時、少数の大統領候補者が気候変動の科学を完全に否定している現状は米国の恥である。

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