アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

2013年 6月、上院議会で画期的な包括的移民改正法が通過した。しかし、この法案は下院議会で投票さえなかった為、事実上死滅した。キューバからの貧しい移民の子としてフロリダで成長したマルコ.ルビオは、上院共和党議員として、既にアメリカに長く在住している不法移民に市民権の道を開き、国境を安全するこの法案を起草した8人のグループの一人であった。約28ヶ月が経過した今日、彼はこの包括的移民法とは完全に逆の移民政策をアピールしている。極端な言い方をすれば、人道的対処から無慈悲な措置への転換である。政治家も人間であるなら、 同じ人間をそのように極端に変える要因は何なのか?

3日トランプは、ルビオの移民法は弱いと批判したばかりであるが、彼はトランプ以上に強硬で非現実的な反移民政策をアピールしている。現在彼がキャンペーンで有権者に公約していることは、ドランプと同様の(1)大量強制送還である。また(2)米国憲法で保証されている、いわゆるアンカー.ベイビーと呼ばれる「生得市民権」を終え、(3)オバマ大統領が2012年に大統領令で制定した児童到着の遅延行動(DACA)を撤廃する。更に(4)500万人の不法移民の強制送還を一時的に阻止するため2014年に行使された大統領令など、全てオバマ政権の移民法を終えると公約している。

ルビオは2013年後半に上院の包括的移民改正法を放棄して以来、徐々に移民法の立場を変えた。市民権の道は恩赦であるとの表現に始まり、最初に国境の安全性を強化することから始めると語り、今年4月までには、2013年の構想を完全に破棄したことを明白にした。更に、包括的移民法が失敗した要因は国境を安全にするという点で、連邦政府に対する信頼の欠如があるためであるとのナンセンスな言い訳をすることで、ティーパーティの強固な反対があったこと、寄付者の支持を失う恐れがあったことを国民に伝えなかった。事実、ルビオは2013年6月27日に上院でこの法案が通過する前から、起草者の一人であることを知られた為、影で影響力のある人物達の圧力に直面していた。

当時のナショナル.リビューによると、ルビオは2010年の中間選挙で、米国上院議員に立候補し、予備選でリベラル寄りのフロリダ州共和党知事チャーリー.クリストに対抗した。無名のルビオより、当時共和党上院委員会の議長であったジョン.コーニンはクリストを強力にバックアップした為、ルビオのキャンペーンは著しく弱体化した。しかし、バージニア州共和党全国委員長でリーダシップ研究所の社長であったモートン.ブラックウェルはルビオを後援するため、ルビオを代表して50人の寄付者の貢献を促進した。また、現在ヘリテージ財団の社長で、移民の猛烈な反対者であるジム.デミントはルビオの上院当選に選挙資金の貢献で最も重大な役割を果たした。このような幾つかの援助がなかった場合、ルビオは上院に選出される可能性はなかった。ブラックウェルは秘密の会談で、保守派は寄付者やメンバーを「裏切ることは出来ない」為、実際に国境安全性の保証がない法案を支持することは不可能であるとルビオに「警告」した。また、デミントは上院の法案はオバマに指揮されたもので、安全性と法改正に「空約束」が伴う市民権の道は「恩赦以外の何物でもない」と吹聴した。

オバマ大統領は2009年の就任以来、議会が移民法に取り組むことがなかった為、不法移民の子供達を保護するため2012年にDACAの大統領令を行使した。2013年に上院で通過した画期的な移民改正法を通過させるよう下院議会に要請し、辛抱強く待ったが、結局この法案は死滅した。4日のワシントン.ポストによると、ルビオは記者に 「もし貴方が大統領であり、議会が移民改正法を通過しない場合、DACAを保持しますか」と聞かれ「ノー」と答え、「ある時点で終える必要が有ります」と答えた。記者は 「議会が法案を通過しない場合でもですか」と再度確認した。ルビオは「そうです。それは終える必要があります」と繰り返した。これは「多くの保守派が嫌っているプログラム」であるが、半年前のルビオはDACAに関して、移民法の改正なしに終えるかどうか明白な方針を提起していなかった。

半年前まで曖昧さがあった移民法に関して、現在の強硬な姿勢は予備選でプラスになるが、総選挙ではヒスパニックおよび少数派グループの支持を放棄することを意味するため、リスクがある。3日トランプはルビオが破産していると述べ、個人的な財政問題について批判した為、ルビオはクレジットカードの記録を公開すると述べた。彼はフロリダ州の議員時代、キャンペーン用に発行されたフロリダ州GOPに属するアメリカン.エクスプレスカードを「間違って個人の経費に使った」と語った。上院選挙のキャンペーン中、彼は同州の記者会見でそれらの経費について尋問されたことがあるが、2005年及び2006年の記録は公開されたことが無いため、全容は判明していないとWPは伝えている。

驚異的な移民法の転換は、移民法の大統領令を受け入れられないワシントンの政治風潮が最大の要因かもしれない。ルビオと同地域に在住する共和党の同僚を含め、議会GOPの大多数は不法移民に市民権を与えることに反対している。また、フロリダ州のキューバ移民は不法移民を含む他の少数派を嫌う人種差別者が多いと言われている。ルビオは、上院議会で包括的移民改正法が通過した直後、この法案の起草者であった実績を密かに葬った。その後、市民権の道は「恩赦である」と誇張し、熱心に反対するようになった。圧力の教訓から学んだルビオは、大統領候補者として、過去と同様の移民改正法を掲げることは大統領選のキャンペーンに著しくマイナスであることを知った。民主党は、約60%の国民が不法移民に市民権を与えることを支持している為、ルビオのように移民法の政策を極端に変える候補者は信頼性の側面でリスクがあると指摘している。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。