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主流派およびエリート派のGOPは、伝記の信憑性に疑惑が持たれているベン.カーソンやライバルの攻撃ばかりに集中しているドナルド.トランプの勝利を恐れている。両氏のいずれかが指名されることを極度に心配し始め、ミット.ロムニーが土壇場で立候補する事を希望している。彼等は、ヒラリー.クリントンはもちろんの事、共和党大統領選の最前線に立っているこの二人の勝利を望んでいない為、ほとんどパニック状態であると言われている。トランプはカーソンを含む他多数の人々の批判に集中するスピーチを展開し、アイオワでのキャンペーンで軌道を逸した印象を受けたメディアは、そろそろトランプが終りを迎えたと批評している。2016年大統領選GOPの競争は選挙史上最悪な状況であることを示唆しているが、GOPがパニック状態に陥っている要因は何か?

13日のワシントン.ポストによると、ロムニーの仲間達は、彼を何とか立候補させる戦略を考慮し始めた。彼等は民主党が上院で多数派になる事も恐れている。 2012 年のロムニーのアドバイザーのエリック.フェレンストームはトランプとカーソンを排除するようなことは何も起きていないので、彼等が自己破滅することを望んでいる。特に、共和党の有権者がもっと政治の世界で経験のある候補者に目を向け始めるような事もまだ起きていない。しかし、フェレンストームはトランプとカーソンに打撃を与える事が出来ない状況で、既に共和党の討論会は4回目が終了し、感謝祭、クリスマス、新年後にはすぐアイオワとニューハンプシャーでの予備選があり、ロムニーの立候補はタイミングがかなり遅れていると指摘した。ロムニーは考えを変える様子もなく「再度立候補しないと主張している」にも関わらず、主流派の共和党は現状を「変えることに必死」である。 しかし、1970年代から大統領選キャンペーンのアドバイザーであるチャーリー.ブラックは、2016年の競争は「最終的には一人の外部者(政治界の未経験者)と一人の内部者(現役議員または政治的経験者)の通常のパターンに分類されるが、歴史的には常に内部者が勝利する」と述べた。

更に、トランプおよびカーソンには既に衰退する徴候があると見られている。トランプは12 日アイオワでの集会でカーソンが友人をナイフで刺したというでたらめな話を信じるアイオワの人達を「馬鹿だ」と表現した。トランプは、ある時点で演説台を離れ、ベルトバックルを上下にひっくり返し、ベルトの動きを説明した。また、「誰かナイフを持っていますか? 私に試して見たいですか? 信じてください。貴方は成功しますよ」と述べ、架空のナイフで人を刺すジェスチャーをしながら、カーソンが少年時代に友人を刺した時、驚くことにベルトは完全に固定状態でベルトバックルにあたりナイフが壊れたという話は pathological(病理学)であると語った。トランプは、「 アイオワ州の人々はどれほど馬鹿ですか?このくだらない事を信じる国の人達はどれほど馬鹿ですか」と尋ねた。有権者の支持を求めて集会に参加するそのキャンペーンで地元の人々を侮辱する候補者は歴史上存在しない。10日夜 ミルウォーキーで開催された共和党討論会では、ステージに並ぶ他の候補者を攻撃することを避けたが、 アイオワではロムニー、マルコ.ルビオ、ジョン.ケイシックを含む他複数のライバルの批判だけで最も辛辣な攻撃を95分間展開した。「病理学的である」と表現したトランプはカーソンが精神病的であると言っていることを意味する。いずれにしても、95分間で多数の人物を攻撃したトランプの言動は致命的な結果になる可能性があると言われている。

トランプに加えて、カーソンも奇異な事を頻繁に表現する為、多数のメディアは彼が変人である印象を与えている側面がある 。例えば、プラミッドは古代エジプト王を葬るために建設されたと認識されているが、カーソンは穀物を保存するために建設されたと主張している。カーソンはバイブルに綴られた架空の物語を歴史的な事実であると信じている一人である。また、数日前には中国人がシリアで戦っていると述べ、オバマ大統領より正確な情報源を保持していると主張した。国家安全保障担当大統領補佐官のスーザン.ライスやホワイトハウスの報道官は、カーソンが何を言っているのか全く理解できないと反応した。この様な問題はロムニーを召集したいグループがカーソンを合法的に大統領選の競争から離脱させる要因にはならない。

しかし、カーソンはAP及びマザー.ジョンズなど複数のメディアが調査したヘルスケアの詐欺行為で告訴されたイタリア系アメリカ人歯科医の友人と不動産および他のビジネスに深く関与し、多大な利益を得た経歴がある。カーソンは$44,000の不正請求による医療詐欺の連邦有罪を認めたピッツバーグの歯科医アルフォンソ.コスタと1990年代に出会った。コスタの不動産会社、コスタ土地管理などのビジネス関係を通し、コスタが所有するイタリアのリゾート地の別荘で 一緒に休暇を過ごすなど、長い間緊密な友人関係がある。また、コスタは学生に奨学金を提供するピッツバーグのベン.カーソン奨学基金の社長でもある。カーソンはコスタが有罪判決を受けた時「コスタのために寛大な判定を嘆願する書簡」をピッツバーグの連邦判事に送り、32年間付き添っている妻の次に大事な友人であると述べたが、カーソンはそのようなビジネス上の関係があることを手紙に記載しなかった。彼は2008年3月、コスタの判決でカーソンとコスタの「価値体系はほぼ同一である」と証言した。カーソンは 不動産に賢く投資することで成功した友人の犯罪を公的に認めることはなく、コスタの「富を妬んだ連邦捜査の標的にされた」と述べている。

様々な事情が明るみに出ればでるほど、トランプやカーソンは共和党の伝統を受け継ぐ真摯な大統領候補者である事を反映していないため、主流派およびエリートGOPはこの両氏が引き続き高い支持率を得ていることに恐怖を感じ始めたようである。米国が抱える問題を改革するための動機ではなく、大統領選を利用し書籍販売を通して名声と利益を促進しているだけであるような印象があることも否定できない。2016年GOPの選挙戦は気違いじみていて最悪であると感じている。しかし、このような状況が続けば、白人を除く他の人種の票はクリントンが獲得する確率を高める。ロムニーが急遽立候補したとしても彼は過去と同じ運命に直面するかも知れない。2012年の人種別による選挙投票結果は白人を除き、他全ての人種の有権者は圧倒的にロムニーよりオバマを支持した。この為、両氏間で多大な選挙人投票率の多大な格差があったことがオバマ勝利の要因になった。

以下は2012年大統領選の選挙結果である。

オバマ ロムニー
白人 39% 59%
黒人 93% 6%
アジア系アメリカ人 73% 26%
ヒスパニック 71% 27%
選挙人投票 332 206
人気投票 51.1% 47.2%

大統領選挙前の人気投票率は国民の政治思考傾向を理解する上で参考になるが、接戦であっても大統領選は選挙人投票数で決定する。従って、2012年の大統領選は、有色人種である少数派に支持されない候補者は当選しない事を示唆した教訓の例である。現在、主流派およびエリートGOPがパニック状態に陥っている要因は、GOP立候補者には大統領の適正資格者がほとんど存在しないと言われていることである。もちろん、クリントンも電子メールの取り扱いミスで叩かれた為、民主党候補者も完璧ではないが、両氏のゴシップと彼等の存在はもっと党内の頭痛の種になっている。

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