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13日夜半に起きたフランスでのテロ攻撃後、大統領候補者は多様に反応している。有権者は今後大統領選のキャンペーンで、国内問題および経済問題と同様、どの候補者が最もテロ対策や安全保障問題に綿密な計画があるかどうか注目する可能性がある。しかし、パリ攻撃のテロリストの一人は難民の移動に沿ってフランスに入国した事実を受け、多数の共和党は国内の安全を懸念し、難民受け入れを拒否した。週末からトルコを訪問しているオバマ大統領は現地での記者会見で、現在の対ISIS戦略を擁護し、宗教検証を条件に難民を受け入れるべきであると述べている共和党大統領候補者に反論した。

フランスでテロ攻撃があった直後から、複数の大統領候補者は法外な反応を示した。ドナルド.トランプはパリの人々が銃を保持していた場合、状況は変わっていただろうと述べた。トランプは全米ライフル協会のスポークスマンを回想させるような発言で「パリを見れば世界で最も厳しい銃法であることが分かります。誰も銃を保持していませんが、悪い人間だけが所持しています」と述べた。警察が最終的にテロリストに対抗するまで一般の市民は何も出来ないことを強調した。ジェブ.ブッシュは保守派のラジオ.トーク番組で「これはイスラムのテロリストが始めた戦争です。西洋文明を破壊する組織的な努力です。我々はこの点で先導する必要があります。これは、私たちの時代の戦争です」と述べ、「西洋に対する戦争」であると指摘した。ベン.カーソンはシリアおよびイラクからの難民が米国に入国することを許可するべきではないとし「何百万人もの人々が経済的に苦しんでいる時、難民を受け入れることは経済的に意味がありません」と語った。

カーソンは、ISISを急速に破壊することを要求しているが、その方法については何も語っていない。15日のニューヨーク.タイムスによると、大統領選のキャンペーンは経済論争からテロリズム論争に変わったが、カーソンは日曜日フォックス.ニュースでのインタビューで「過激派グループと戦うため、連合を形成する方法に関する簡単な質問に答える事に苦労した」という。ISISに対抗する上で軍事同盟を合同する為、誰を最初に呼び出すかとの卒直な質問に3回応答することが出来なかった。一方、トランプは西洋諸国が「殺害の現場」になる可能性がある世界で、イスラム国家との戦いをロシアに任せることは賢明な選択であると提案した。パリでテロ攻撃が発生するまで、 税制改革や所得格差を含む「経済および人種の平等性」などの課題が大統領候補者の焦点であったが、パリでの同時多発テロは状況を変えた。有権者は指揮官として最も国土安全保障対策に強い候補者を選択する可能性があることを認識しなくてはならない状況になった。従って、今後の民主党のキャンペーンは国内問題、経済安全保障、 国家安全保障、外交上の問題など可能な限り多くの問題に集中することが予測されている。

難民の対処は最も重要な外交政策の一つであるが、パリの事件は複数の大統領候補者に加えて、州の政治家にも多大な影響を与えている。16日のワシントン.ポストによると、アラバマ州共和党知事ロバート.ベントレー及びミシガン州共和党知事リック.スナイダーは15日、シリアでの紛争を逃れてきた難民を拒否する旨の宣言文を発行した。スナイダーはその声明文で、「ミシガンの移民の豊かな歴史に留意するが、私たちの最優先事項は我々住民の安全を保護することです」と述べた。また「これらの攻撃は過激派の努力があり、中東系および世界中の人々の平和的な方法を反映していないことを覚えておくことも重要です」と主張した。スナイダーは以前難民受け入れのプロセスを決定するため連邦政府に協力していたが、強固な安全措置を確認するまでこれらの努力を保留すると決定した。

週末からトルコを訪問しているオバマ大統領は現地での記者会見で、対ISIS「戦略は最終的には機能する」と現状を擁護し、政策を変える意志はないことを示唆した。また、自爆テロに触れ、死ぬことを恐れない人々がいる限り、彼等は大勢の人々を殺害することができるとし「それはテロリズムの課題の一つです。彼らの洗練性や彼らが保持している特定の武器ではありませんが、彼らが持っているイデオロギーと死ぬ意志があることです」と述べた。また、テロリストは難民に紛れて米国に入国することを恐れている複数の知事およびワシントンの議員達を意識し、米国は安全チェックを万全にした上で引き続きシリアおよび他の国からの亡命者を受け入れると表明した。大統領は氏名することを避けたが、大統領候補者の一人であるテッド.クルーズがイスラム教徒を除外し、クリスチャンのみを受け入れるべきだと表明したことに反応し、宗教的検証による難民受け入れの考えは「戦争で引き裂かれた」国から「政治的迫害を逃れている」人々を援助する上で「アメリカ人らしくない恥ずべき」行動であると指摘した。

西洋諸国の中で最も兵士をシリアに派遣しているフランスは16日、予測どおりISISを破壊するため米国とロシアに軍事参加の要請を表明したが、一方、米国の複数の政治家は明らかにパリでのテロ攻撃に影響を受け動揺している。難民受け入れに悲観的なムードが漂う状況で最も苦難に直面しているのは難民である。また、多量の軍隊を派遣するべきであるとの声が急速に高まっている為、対ISIS戦略を変えない方針のオバマ大統領を「頑固である」として非難する声もある。米国を含む西洋諸国は常にテロリスト攻撃の潜在的危険性があるものの、シリア紛争に多数の兵士を派遣しているヨーロッパは米国よりリスクが遥かに大きいと言われている。敵に対する攻撃の規模が増大すればするほど報復の危険性も増大する事を想定すれば、オバマ政権が対ISIS戦略を変更しない理由も一理あるような気がする。

 

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