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パリのテロ攻撃以来、オバマ政権のISIS戦略は効力的ではないとの批判が高まっている現在、ヒラリー.クリントンは19日午前中、マンハッタンの外交関係委員会で国土安全保障の観点からオバマ大統領より強固なISIS戦略を提供した。フランスでの多発テロに影響を受け、総体的にアメリカ人はオバマ大統領の難民政策および対ISIS戦略の一部に同意していないことを示唆する世論調査結果が公表された。そのような国民の意志と並行し、下院議会は19日難民受け入れを著しく困難にする法案を圧倒的票差で通過した。

クリントンは今日ニューヨークでのスピーチで、恐怖に動揺しているほぼ共和党多数の州知事らが難民受け入れを拒否していることに対して、「全ての社会は恐怖と決意の選択に直面しています。また、孤児を見放し、全てのシリア難民に対してドアを閉め、イスラム教徒を差別し、宗教的試験を適用するのは私達らしくありません」語った。テロと戦うためには、米国の価値観を含むアメリカの全ての力を駆使する必要があると述べ、弱腰で肝心な事を論議していない米国リーダー達を喝破した。共和党大統領候補者の中にはイスラム教徒に対する差別的発言をする人もいる為、米国に在住するイスラム教徒はテロリストとは一切無関係であると語り、特定の宗派グループに対する差別や偏見は、本来のアメリカ人としてあるべき行為ではないと指摘した。

タカ派の共和党は陸地で戦う(ブーツ.オン.ザ.グランド又はBOG)の派遣をオバマ大統領が決定しない為、非常に苛立っているようである。クリントンのISIS戦略もBOGの派遣を提唱していないが、米国および同盟国が空爆を増加し、同盟国のBOGを合同し、国境をターゲットにするなど、より強固な戦略を提案した。また、スンニ派とクルド兵など地域の勢力と行動している米国特殊作戦部隊および訓練兵士は柔軟に対応することを提案したが、基本的に中東で戦争を開始することに反対している。また、シリコンバレーのハイテク企業は、ISISのソーシャルメディア通信網を閉鎖することで対ISIS戦略を援助することが可能であると述べ、 政府は暗号を解読する能力の必要性がある事を示唆した。

オバマおよびクリントン両氏は、難民を拒否している共和党知事らを叱責するコメントを表明したが、パリでの事件後、米国民もシリアからの難民受け入れに抵抗を示している。18日のNBCニュースによると、NBC News/Survey Monkeyが実施した世論調査で 56%のアメリカ人はシリアの内戦から亡命している移住者を受け入れることに反対し、41%は受け入れる事に同意している。党派別では、80%の共和党はシリアからの難民受け入れに反対し、そのうち64%は強固に反対している。一方、民主党支持者の2/3は大統領の難民政策を支持し、無所属の有権者の59%は反対し、40%は支持している。この課題の調査は党派別の違いを明白にしているが、圧倒的に両党のアメリカ人は、対ISIS戦略で米国および同盟国が敗北していると判断しており、イラクとシリアでイスラム国と戦うため付加的なBOGを派遣することを支持している。全体的に60%のアメリカ人はBOGの派遣がISISを打破するためには最善の方法であると答えた。党派別では、共和党の86%はBOGが解決策であると考えていているが、民主党の60%は「過剰な軍隊の派遣は憎悪を生み更にテロリズムを増加する」との考えに同意した。無所属の55%はISISを「敗北させるためには軍隊が必要である」と答えた。

この調査で判明した要点は(1)4月の調査で、62%の米国民はテロリズムの脅威を減少させる米国政府の努力を評価したが、現在45%まで減少した。(2)対ISISの戦いに勝利していると答えた国民は僅か24%であり、70%の国民は敗北していると答えた。(3)38%の国民は家族がテロ攻撃の犠牲になることを幾分恐れていると答え、16%はかなり心配だと答え、44%は心配していないと答えた。(4)圧倒的に81%の国民はパリで発生したようなテロ攻撃を防ぐため、スタジアム、映画館、ショッピング.モールなどの公共場所で大規模な監視とセキュリティ.チェックが必要であると答えた。(5)40%のアメリカ人はテロ攻撃またはテロリズムに対する戦争について懸念があるため過去数日間落ち込んだと報告した。

11月15日から17日までの期間に全国の5,755人の18歳以上の成人を対象にしたこのオンライン調査は参加者の規模が多い点で信憑性がある。19日、難民の受け入れに関して、国民及び50%以上の州知事の声を反映させるような議会の動きがあった。下院議会は今日、シリアやイラクからの難民受け入れの監督を強化するための投票を行い、289対137の圧倒的票差で通過した。47人の民主党はこの法案に賛成票を投じたため、拒否権に必要な票数にほぼ近い驚異的な投票結果を示した。下院議長のポール.ライアンはシリアの難民を受け入れることに反対する声明を発表し、この投票を促進した。法案はシリアおよびイラクから米国への亡命を求める全ての人々に対して、国土安全保障省がバックグラウンド.チェックを強化し、安全上の脅威がないことを保証する証明書を発行することを要求している。

難民の受け入れを阻止するため、下院は何らかの法案に投票するだろと予測していた通りである。この法案にはオバマ政権が2016年中に10,000人を受け入れる計画を停止する特定の条項は含まれていないと思われるが、難民受け入れの手続きを困難にすることは明らかである。下院少数派の民主党リーダーであるナンシー.ペロシは、法務執行上層部が数千人の亡命申請に対処することは無理があると反発した。上院で下院の法案に投票する可能性があるかどうかは不明であるが、上院少数派リーダーのハリー.リードは上院では通過することはなく、大統領が拒否権行使に直面する可能性もないと予測している。しかし、下院47名の民主党は大統領の難民政策に同意していない意志を表明したため、彼等はオバマ政権の対ISIS戦略にも同意していない可能性がある。幾人かの上院民主党にも似たような傾向があるかもしれない。難民およびISIS政策に対して、大統領は危機感と緊急性を表明している大多数の国民及び共和党議員と顕著なギャップがあるようだ。これらの国土安全保障に関する外交政策において、この状況が今後も続く場合、民主党の選挙キャンペーンにはマイナス要因があることを示唆している。

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