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反イスラム.グループ

米国では毎年、人種、宗教、および同性愛者など特定のグループまたは個人をターゲットにした暴力犯罪が頻繁に発生している。銃による襲撃、物理的破壊、オンラインでの恐喝を含む憎悪犯罪が急増している。特に、13日夜半に起きたパリのテロ攻撃後はイスラム教関連の複数の寺院がターゲットになっている為、イスラム関係協議会はイスラム教徒に対する偏見を煽る一部の大統領候補者を含む政治家に警告している。テキサス州では、イスラム教寺院の外側で過激な反イスラム.グループがアサルト銃を保持し、抗議活動に参加するなど喧騒的である。

15 日には フロリダ州セント.ピータズバーグでイスラム.センターに対して「私は個人的に民兵を保持しているので貴方のピネラス郡のイスラム社会を崩壊するため放火し、爆破し、誰が責任者であろうと射殺する」との暴力的脅しのメッセージがあった。16日ネブラスカ州ではイスラム教センターで、パリの攻撃以来、オンラインで紹介されたエッフェル塔の平和のシンボル画像に類似したスプレー塗装による落書きが発見された。公的および個人の所有物の破壊行為はパリでのテロ攻撃の影響を受けた者の犯行として、また今後の安全性のためFBIによる捜査が要求された。17日、テキサス州ヒューストンで「モスクを撃つ」とソーシャルメディアに脅しのメッセージを投稿した26歳の容疑者クレイトン.キャンセラーが逮捕された。フォート.ベンド郡の保安官は、ニュージャージー州の居住者が恐喝のメッセージを受理した事を報告した。21日コネチカット州メリデンにあるイスラム教の寺院が襲撃され、寺院の壁に複数の銃弾穴が残っているが、幸い死者および負傷者は報告されていない。FBIは事件の犯罪捜査中であり、容疑者に関する詳細な情報を提供していない。これも 13日のパリ多発テロ攻撃後、米国で起きているイスラム教徒に対する恐喝事件のひとつと見られている。

テキサス州のアーヴィングでは反イスラム.グループが全イスラム教徒とイスラム教徒支持者の氏名及び住所をフェイスブックに一時的に投稿した後、そのリストは削除されたことが報じられている。27日のワシントン.ポストによると、この地域では9月にイスラム系14歳のアハメド.モハメドが自家製の時計を作り学校に持ち込み、爆弾と間違って逮捕された事件から「主要なイスラム教徒の擁護団体である」イスラム関連協議会(CAIR)と反イスラム.グループとの摩擦が生じている。その後、この少年はオバマ大統領およびヒラリー.クリントンの支持を受けた。反イスラム.グループはテキサス州の上院議員及び大統領候補者の一人であるテッド.クルーズの名前のサインや「アメリカのイスラム化を停止」のスローガンを掲げている。これは Stop Islamization of America (SIOA)と呼ばれる極右派の憎悪組織の名称に由来している。この極右グループの男性ほぼ全員はアサルト銃を保持し、イスラム教寺院の外側で抗議活動に参加し、「我々は非常に効率的な方法で脅威のある人を殺すため設計された銃を持っているのが好きです」と述べている。

イスラム教寺院の外側で抗議する過激な反イスラム.グループ

18日のシカゴ.トリビューンによると、ワシントンD.C.に拠点があるCAIRの広報担当者イブラヒム.フーパーは「私たちの生活に蓄積した反イスラム感情があり、それがあからさまな暴力や破壊行為を誘発していると思います」と語った。また、反イスラム感情の上昇はシリア難民受け入れに反対している幾人かの共和党大統領候補者、知事、及び他の人々の発言が反射されていると述べた。コネチカット.メリデンにあるイスラム教寺院の襲撃に関して、FBIおよび地元の捜査当局は多数の銃弾痕跡があるとの報告に関する捜査を実施しているが、寺院のリーダーは犯人の動機は不明であると述べている。また、寺院の関係者は「アメリカのイスラム教徒をスケープゴートにしない事、およびイスラム教恐怖症または反イスラム行動やテロリストによってイスラム教徒を悪魔化しないよう公務員および大統領候補者に急遽要請する」と述べた。

イスラム教徒に対する暴力は上記以外にも他多数のケースが報告されている。民族、性別、宗教、人種、同性愛に対する差別または偏見による犯罪は、毎年発生する憎悪犯罪の一部に属している。FBIによると、2014年に報告された6,418件の犯罪中5,479件は憎悪犯罪であり、そのうち5,462件はそれぞれ個々の偏見による事件である。6,418件の犯罪中82.4%は圧倒的に個人が単なる偏見憎悪の被害者になっている。5,462件のうち47.0%は人種差別によるものである。次に高い順は異なる宗教および同性愛者に向けられ、いずれも18.6%である。次に高い憎悪犯罪率は民族性であり11.9%である。6,933件の犯罪中、憎悪犯罪は5,928件であった2013年の数値に比較すると2014年には総体的に減少しているが、2015年の数値はまだ発表されていない為不明であるものの、今年は銃乱射を含む犯罪は頻繁に発生した。

キリスト教社会の米国ではイスラム論争は深刻な米国の社会問題であり、政治家がイスラム教を侮辱または差別する言動は、反イスラム感情を煽動している場合もある。難民受け入れの反動を含めると、多かれ少なかれドナルド.トランプ、ベン.カーソン、テッド.クルーズ、マイク.ハッカビー、ジェブ.ブッシュ、および他多数の共和党はイスラム教徒に対して、何らかの差別的発言をしている。CAIRの広報担当者は米国の政治家が彼等の言動に配慮することを要請する意図を表明した。FBIのデーターは、人種および他の宗派に属する憎悪犯罪が頻繁に発生していることを示唆している為、パリの多発テロ事件後、イスラム教徒に対する同類の事件が発生しても不思議ではない。

 

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