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下院および上院はいずれもオバマケアを撤廃する条件付き予算法案の制定を試みたが、いずれも同じ法案ではない為、その後進展はなかった。元下院予算委員長、現在下院議長であるポール.ライアンは昨日両党の代表者が予算交渉を成立させたことを発表した。これは、オバマケアの撤廃やプランズ.ペーレンフッズ(P.P)への融資を停止することを条件に政府閉鎖を脅かすような両院が試みた党派的な予算法案ではなくクリーン(清浄)な継続法案である。ライアンが中心となって、他の共和党および民主党代表者と超党派の予算案を交渉し、成立させたものである。下院議長就任後、ライアンは初めてオバマ大統領も満足する最初の大きな成果を示した。なぜ、これが公正な法案であると言えるのか?ライアンがジョン.ベイナーの後継者になったその意義は、就任後の彼の言動がある程度示唆している。

前回通過した政府の予算継続法案は12月中旬に期限切れになるため、議会は再度更新する必要があった。しかし、下院自由部会(HFC)と呼ばれるティーパーティ議員は数ヶ月前からP.Pに対する融資を停止しない場合、政府を閉鎖すると脅していた。議会の両院はいずれもオバマケアを撤廃することも含めた極端に党派的な予算法案を制定し、10月23日下院議会はオバマケアの主要部分を撤廃する法案に投票し通過させたほどである。上院議会は12月3日、予算法案の措置下でオバマケアの撤廃とP.Pへの融資停止を含む厳しい法案を通過させたが、その後進展はなかった。昨日突然、下院議長ライアンは超党派の予算が成立した事を発表した。

交渉成立の結果は1兆ドルを超過する支出法案と6,500億ドルの減税の二つの法案である。支出と減税の二つの法案は、更に赤字を増加することになるが、支出又は予算法案には民主党が歓迎し、共和党は減税法案を歓迎したため、 超党派の妥協による二つの公平な法案の成立である。この二つの法案に下院は18日までに投票を通して承認する事になっている。予算法案の交渉で ⑴ 長年禁止していた原油の輸出を解禁する、⑵ 海洋および沿岸の安全性を強化する為融資する、⑶ 国立衛生研究所(NIH)に医療研究の融資提供を増大する。⑷ 9.11の同時多発テロ攻撃の数ヶ月後、復興作業に努力した大半の人々は、その後癌を患うなど多大な健康問題に直面したが、当時ヒラリー.クリントンは最初に彼等の健康を促進する連邦援助を提案した。この法案にはその融資拡大が含まれている。⑸ビザ免除プログラムを強化する。これはテロ攻撃およびサイバー攻撃を防ぐため、民間及び連邦安全保障機関が情報を共有する事が含まれている。⑹ シリアおよびイラクからの難民受け入れの制限を厳しくすることなどを決定した。

共和党は支出に反対し、シリアおよびイラク難民受け入れ制限の強化を支持した。民主党は原油輸出の解禁に反対し、来年9月までP.Pに対する融資も含まれていることを支持した。NIHに対する医療研究の融資増大は両党多数の議員に支持されたと言われている。2013年12月民主党上院予算委員会の議長パティ.モォリーとの交渉で、超党派の予算法案を成立させた経験のあるライアンは 16日「最高の予算案を成立させた」と記者会見で語った。支出または予算はオムニバス法案と呼ばれる多量の文書で、2016年9月まで政府の運営を維持し、様々な国内プログラムの費用に分配する条項が記載されている。また、減税法案には再生可能エネルギーの生産業者に減税することが含まれている。

ホワイトハウスの報道官ジァシュ.アーネストは記者会見で、議会多数派の共和党と少数派の民主党の代表者による交渉で、超党派の妥協によって成立した最終法案にオバマ大統領は満足していると伝えた。これが公正な法案である理由は、超党派の交渉と妥協により決定した内容が示唆している。原油輸出解禁に対して、再生エネルギーの生産拡大及び海洋と沿岸安全強化の為の融資、および支出と減税の両党の主張がいずれも含まれている。従って、ライアンは超党派の妥協を強調し、成立したことの満足を確信的に表明した。しかし、 HFCの極右派議員らはP.Pに対する融資が停止されていない為、反対票を投じる可能性がある。ライアンが議長になった利点は、明らかにベイナーよりこの40人のグループに振り回されていないことを示唆している。ライアンは、ドナルド.トランプがイスラム教徒の入国を禁止する提案を公表した後、共和党は差別を奨励する党ではなく、公正な党であることをアピールした為、様々な側面において、その言動に責任を持たなくてはならない立場である。そのような観点から判断すると、ライアンはベイナーより幾分下院内を統一する強さがあるかもしれない。

 

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