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イラク西部ラマディ

28 日イラク軍はイスラム国(ISIS、ISIL)に占領されていた主な都市を取り戻した。これは米軍の援助による成果であるため、イラクでの軍事作戦が機能していることを意味する。ISIS に対する主な戦略はドローンと呼ばれる無人機による空爆であるが、オバマ政権は空爆戦略に関して詳細な事実を伝えていない。シリアとイラクでの空爆について追跡調査を実施している組織は、空爆の回数、米国と同盟国の空爆回数の比較、市民の被害件数などを含む空爆戦略に関する全ての記録を公表した。これらは全て、一般の国民がほとんど知ることのない驚くべき統計的事実である。

ニューヨーク.タイムスによると、イラク軍は月曜日ISISが何ヶ月か占領していた最も人口の多い主要都市であるイラク西部のラマディを奪回した。国防総省当局は完全な勝利を宣言するのは時期尚早であると警告しているが、米軍戦闘機の援助を受けて激しい戦闘を続けた一週間後に「敵の位置を打ち砕く」ことに成功した。イラク政府がラマディを管理し続けることが可能であれば、イラクでISISを打破するための努力に極めて重要な証明になり、最終的にはシリアでも同様にISISを追放することが可能になる。ラマディはISISにとって最新の敗北であるが、彼らが占領したイラク領土を昨年だけで40%失った。イラクの首相ハイダル.アバーディは月曜日夜、ツイッターで都市の「解放」を発表し、ISISが2014年に押収したイラク北部の大都市「モスルの奪還に焦点を当てる」ことを誓約した。

この好展開は、オバマ政権の「ISIS戦略は機能していない」との一部共和党の主張が必ずしも正しいとは言えないことを示唆しているが、空爆キャンペーンは驚異的にエスカレートしている。Airwarsによると、2014年8月から開始された空爆キャンペーンは今年12月20日までに合計507日であり、合計9,214回、イラクだけで6,075回、シリアだけで3,139回の空爆を実施した。空爆に参加している同盟国は13カ国であり、投下された爆弾およびミサイルの合計は31,873である。同盟国推定によるとISIS戦士の死亡は23,000人、一般市民の死亡は推定783から2,308人の範囲である。この期間に最も空爆回数が多かった月は2015年7月であり、イラクで518回、シリアで371回である。最も少なかった月は2014年8月にイラクだけで実施された120回である。驚くことに、米国は同盟国の13カ国の合計より、遥かに多数の空爆を実施している。イラクでは米国の4,089回 に対して、同盟国は1,829回、シリアでは米国の2,887回に対して同盟国は179回である。

シリアおよびイラクでの空爆は昨年12月から今年12月の期間に毎月コンスタントに増え続けている。この期間、シリアで空爆に参加している有志国はカナダ、オーストラリア、フランス、およびトルコの4カ国が記録されている。2014年12月1日の記録では米国431回、これらの有志国は65回であったが、2015年3月4日には米国1,110回、有志国90回である。6月6日の記録は米国が1,608回、有志国は103回で、8月31日の記録は米国が2,346回、有志国119回である。更に、11月1日の記録では米国2,565回、これら4カ国は142回、最後の記録である12月20日には米国2,887回、4カ国は179回である。

また、イラクでは西洋の同盟国およびヨルダンが空爆に加勢した。12月1日の記録では、米国が501回、西洋とヨルダンによる爆撃は126回である。3月4日の記録は米国が1,049回、西洋およびヨルダンが431回、6月6日には米国1,838回および西洋とヨルダン877回、8月31日には米国2,782回および西洋とヨルダンは1,303回である。11月1日には米国3,571、西洋とヨルダン1,546回、12月20日には米国4,089回に対して西洋とヨルダンは1,829回になっている。空爆が圧倒的にエスカレートとしている状況は、ISISに対する空戦が極めて厳しいことを示唆している。

米国は主な戦略として2014年8月8日から最初イラクで空爆による軍事行動を開始した。 その理由はイラク政府からの勧誘があったからである。その後、イラクでの空爆キャンペーンにフランスが9月19日から、イギリスは9月30日から、ベルギー10月5日から、オランダが10月7日から、オーストラリアは10月8日から、デンマークは10月16日から、カナダが11月2日からそれぞれ空爆に参加した。ヨルダンの開始日は不特定である。米国は2014年9月23日からシリアの ISILに対する作戦を開始した。当初、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタールの援助を受けた。これらの軍事行動はアサド政権の同意を得ていない。また、他のほとんどの欧米諸国は軍事行動に従事していない。米国のシリアでのターゲットは「ホラーサーン.グループ」と呼ばれているアルカイダ傘下のアル.ヌスラ戦線の派閥が含まれている。2015年4月8日、カナダはシリアでISILに対する空爆を開始し、8月26日にトルコが続き、9月15日にオーストラリアおよび9月27日にフランスが参加した。

シリアとイラクで死亡した民間人は報告された数値より多いことが推測されているが、正確な数値は不明であるため、その推定にも幅がある。民間人の死亡要因については、シリアおよびイラク政府の勢力によるもの、ISISに殺害されたケース、多様な反政府勢力によるもの、および国境の両側で戦っている民兵グループに殺害されたケースもある。セントコムと呼ばれる米国中央指揮は、最近空爆による民間人の死亡はわずか6人であると報告した。しかし、空爆が直接的な原因による死亡数は遥かに多いと推測されている。長く占領されていたラマディをイラク軍が取り戻したことは非常に重大な展開であると言われている。しかし、圧倒的に米軍が主導し激増する空爆戦略は民間人を犠牲にする確率が高くなると懸念されている。

 

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