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米国の約50%の州は2014年11月に公表された移民法の大統領令に対して告訴している為、オバマ大統領は早くから最高裁に最終的決定を要請していた。最高裁は過去数回、移民問題に対処することを拒否したが19日遂に、聴聞を引き受けることを公表した。今年は大統領選、米国議会選挙、知事選、州議会選など重要な総選挙が行なわれる為、移民法は重要な課題の一つである。判決のタイミングは極めて重要であるため、就任最後の年を迎えたオバマ大統領の要請を受け、最高裁は大統領の任期が終る前に決定することを承知した。従って今年、主に数百万人の不法移民とその米国市民である子供達の運命に多大な影響を与える前代未聞の移民法論争が米国最大の権威を誇る法廷で展開される。

その最高裁の決定は移民法に対する大統領候補者の立場に直接影響を受けないと思われるが、大半の共和党候補者は、特に長期的に米国に滞在している不法移民に合法的な滞在許可を与えることを支持している事実を認識する必要がある。候補者の移民法に対する立場は以下の通り分類することが可能である。例えば、民主党候補者全員は ⑴ 市民権の道を支持している(ヒラリー.クリントン、バーニー.サンダース、マーティン.オマリー)。⑵ 合法的滞在許可を支持している共和党候補者は7人である(ジェブ.ブッシュ、マルコ.ルビオ、ベン.カーソン、クリス.クリスティ、ジョン.ケイシック、ランド.ポール、カーリー.フィオリーナ)。⑶ 不法移民の合法化に反対しているのは3人である(テッド.クルーズ、マイク.ハッカビー、リック.サントラム)。⑷ 1,100万人全ての不法移民を強制送還すると主張している候補者はドナルド.トランプだけである。

不法移民、特に中央アメリカからの非同伴者の子供達の不法入国は2014年6月までにはピークに達した。最悪の経済状況および治安上の危機を逃れ、テキサス南部の国境で逮捕された不法移民が殺到した時期、多数の共和党はその主要因が児童到着の遅延行動(DACA)と呼ぶオバマ大統領の移民政策であると主張した。2014年11月20日、オバマ大統領は一時的な移民改正の行政案として移民法の大領領令を発表した。これには国境安全性の促進、高度熟練移民の導入強制送還の停止などが含まれていたが、テキサスを含む米国約半分の州は不法移民の強制送還を停止する大統領令を不服として12月に告訴していた。2015年2月、テキサス州が先導する24州は移民法の大統領令に挑戦し、その移民法でどのような被害を受けているのかを満足に連邦地方裁判所で証明することはできなかった。

最高裁の判定は約500万人の不法移民の両親が米国市民である彼らの子供と引き裂かれる運命になるかどうかにかかっている。オバマ氏が2014年11月20日に公表した移民法は、アメリカ人の両親と合法的永住者のための繰延行動(DAPA)と呼ぶ法律であり、アメリカ市民の子供を持つ不法移民である両親の強制送還を防ぐ目的で公表されたものである。その後24州は移民法の大統領令に挑戦したが、昨年1月15日の聴聞会で、原告州が受ける損害について十分な証拠を提示することはできなかった。しかし、前大統領ジョージW.ブッシュに任命された共和党連邦判事アンドリュー.ハネンは、オバマ大統領の移民プログラムを継続できないと判定した為、オバマ政権は最高裁に上訴していた。従って、就任中にこの問題を解決することを求めたオバマ氏は、少なくとも5ヶ月以内に彼の移民法を保持してくれることを最高裁に請願した。

民主党の大統領候補者は全員オバマ氏の移民法を維持すると公約しているが、現在共和党の最有力候補者であるトランプは強制送還を主張し、クルーズは大統領令の移民法を恩赦であると解釈し、全面的に撤廃することを公約している為、この不法移民500万人の運命を決定する最高裁の判定は歴史的に重要である。19日のニューヨーク.タイムスによると、オバマ政権は「このプログラムが凍結する可能性を恐れている」ため、ホワイトハウスの代表者は早々に聴聞会を要請した。最高裁は4月に聴聞会を行い、6月末までに決定することに同意した。最高裁はオバマ政権の移民計画は大統領が法律を誠実に行使するべき「憲法の命令に違反しているかどうか」に関する基本的な疑問に集中する。これに加えて、オバマ政権を告訴している米国の約50%の州がどのようにオバマ氏の移民法で 「直接的および具体的な損害」を被っているかを論議し検討する。

これまでの経過において、オバマ政権は不法移民を一時的に合法化する幾つかの明確な理由を説明している。ドナルド.ベレリィ弁護士は、労働認可のない不法移民は、彼等を非合法に雇用する雇用主によって市場以下の賃金で雇用されるため、「アメリカ人の労働者を傷つけ、不謹慎な雇用主に不当な利益を与える」ことになると述べ「合法的滞在許可を与える結果は肯定的である」と主張している。テキサス州を代表する判事は、連邦政府のプログラム下で、不法移民に運転免許証を提供するためには数百万ドルの経費がかかるため、これは「直接的および具体的な損害」であると主張している。ベレリィ弁護士はテキサスの損傷は低コストで、米国に合法的に滞在する人々に運転免許証を提供する「独自の意思決定の産物として自ら招いた傷である」と反論した。しかし、テキサスはその法律を変更することを要求されたため、それ事態が損害であると主張した。ハネン判事は、オバマ政権はその新しいプログラムの対象になるのは誰なのかケース.バイ.ケースの決定を必要とすることを主張したにもかかわらず、全てのカテゴリーの人々に与えた救済プログラムであり、それに関し告知し、公的コメントを求めなかったとして、オバマ氏の移民プログラムの差し止め命令を下した。

以上のような経緯がある為、オバマ政権の熱心な要請を受けた最高裁は遂にオバマ大統領の最も重要な移民法の合憲性を決定することを承知した。1,100万人の不法移民を強制送還する極端な政策を主張している一部の大統領候補者を活気づける結果になるような判定を最高裁が下すかどうかは一つの注目点である。いずれにしても、今年、最高裁は中絶問題、宗教の自由、アファーマティブ.アクションを含む多数の論争的な判例に関与する。オバマ氏の最後の年は大統領及び大統領候補者にとって緊張した年になりそうである。

 

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