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フォックス.ニュースおよびグーグルの主催により28日アイオワ州デモインで開催された共和党の討論会にはボイコットしたドナルド.トランプの姿は見られなかった。また、支持率が壊滅的なメンバーは全てメイン.ステージから除外されたため、参加者は最も少ない7人であった。ISIS はネットで最も多く検索されるほど世界の人々が関心を抱いている課題であるが、大統領としてISISとどのような戦略で対抗するかという質問に対して、特にテッド.クルーズとマルコ.ルビオは軍事力強化を主張した。両氏は55年前の1月、軍産複合体の危険性を警告したアイゼンハワーのメッセージ、及び世界における米国軍事費の現実をどう思っているのか疑問を感じさせる論議を展開した。

トランプは昨年8月、フォックス.ニュース主催の討論会で進行役の一人、メイガン.ケリーが辛辣で意地の悪い質問をしたとの苦情を表明して以来、同局を敬遠している。トランプは彼女が討論会の進行役から除外されない限り、今回の討論会には参加しないことを表明していた為、その決定を変える様子はなかった。トランプは番組出演の報酬を要求している為、お金の問題もあると言われている。視聴率が上がり、討論会主催のテレビ局に利益を与えているのは彼の人気に起因している為、その利益を退役軍人に寄付するべきであると主張していた。近代歴史上、このような主張をする大統領候補者は存在しないが、表面的理由はともかく、厳しい質問をするメイガンを非常に嫌っていることは確かである。一方、彼女は討論会での対処には定評があり、同局で最も影響力のある女性ニュース.キャスターである。

討論会最初の段階で、ISIS戦略の論争が提起された。驚くことに、クルーズとルビオはいずれもオバマ大統領が米国の軍事力を著しく減少させたと主張し、両氏は彼等が大統領に選出された場合、ISISを打破するためオバマ政権で弱体化された軍事力を増加すると述べた。クルーズは、ISISに対するカーペット爆弾(地域一帯の無差別爆撃 )の公約に関して謝罪する必要はないと述べ「これはタフな話ではない。我々が見ているオバマの軍事戦略とは基本的に異なる」と述べ、軍事力はオバマによってこの7年間で「劇的に低下」したと批判した。また、1991年の湾岸戦争の強い軍事力を引用し「25 年前、湾岸戦争が始まった時8,000の軍用機があったが、現在約4,000である。更に529の船艦を持っていたが、今日272である」と語った。また、湾岸戦争では1日に1,100回の空爆が行なわれたが、今日ISISに対する空爆は比較的少ないと主張した。クルーズは「我々は敵を敗北させるため、軍隊を再構築する必要がある」とし、従って、男女の兵士を戦地に送っていない現在の戦略を変えることに集中する必要があると述べた。

ルビオはクルーズの軍事力強化に同意し、ISISの脅威は「法外で前代未聞」であると述べ、対抗するためにはイランとシリアで地元の兵士と共に戦うため、米国の兵隊を派遣する必要があると主張した。また、捕虜となったISIS兵士をグアンタナモ湾に送ると述べた。オバマ大統領の方針は、9.11後からジョージW.ブッシュ政権下でテロリスト容疑者および戦争捕虜を拘束しているグアンタナモ湾の刑務所を閉鎖する事である。タカ派のクルーズやルビオは、ISIS戦略を含む軍事問題では現役の民主党大統領とは対極的な違いがある。軍事力および兵士勢力の両側面から米国の軍事増強を強調しているクルーズおよびルビオは彼等が大統領になった場合、戦地への兵士派遣の増加、更なる船艦、軍用機、戦闘銃器を増強することを示唆している。

彼等の発言は、55年前の1月17日軍産複合体の危険性を警告した共和党大統領アイゼンハワーの退職演説を回想させた。アイゼンハワーは第二次世界大戦中、特に秀でた軍人指揮官であった為、彼の経験に根ざした歴史的スピーチは、劇的なイベントとして今も語られている。膨らんだ軍事産業による戦後の新たな米国経済で米国民の生活水準を向上させたことを認めながらも、軍隊および軍需産業の同盟に連邦政府が協力することは「権力の乱用」に繋がると警告した。つまり、軍産同盟はアメリカ人の行動決定の自由を奪う結果になる未確認の権力が潜んでいる事を懸念した。クルーズの軍事力に関する構想は、軍隊派遣の増加が武器供給の増加に結びつき、武器の増加に伴い、その武器利用の果てしない要求に繋がる。従って、軍事力強化は永久的に軍事そのものを飼う構造になる。更に、エドワード.スノーデンが漏らした連邦政府の数々の秘密はまさに未確認の権力が潜んでいることを意味する。多数の秘密テロ調査組織、莫大な量の秘密契約組織や契約軍人など、スノーデンが暴露しない限り米国民が知る事はなかった。事実、2012年に約500,000の民間業者はトップ.シークレットの情報を対処することが可能な権力を保持していた。1991年から比較すると米国の軍事力は低下したと主張したクルーズやルビオは軍事外交政策に関して素人である。米国の軍事費に関する予算はロシアおよび中国を含む10カ国以上の軍事力を合わせても、まだ勝るほど世界最大の規模を誇っている。

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