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多数の大統領候補者は明日アイオワで開催される最初の予備選(指名選挙)に向けて当地でのキャンペーンを実施している。昨日、米国で最大の全国紙ニューヨーク.タイムスは民主党候補者のヒラリー.クリントンおよび共和党候補者で最も温厚な印象のあるジョン.ケイシック両氏に対する支持を表明した。過去の女性差別の歴史及び同紙の超党派の記者採用の事実は、同紙が完全なリベラルとは言えない側面がある。同紙がこの両氏を支持表明した理由は何か?

ニューヨーク.タイムス(N.Y.T)は、長い歴史を誇る米国最大手のメディアである。主要メディアが大統領候補者の支持承認を公表する場合、両党の候補者を一人ずつ2名支持する事は珍しいことではない。N.Y.Tは一般的にリベラルのメディアと言われているが、そう断定することには疑問がある。なぜなら、同紙はほぼ50%の割合でリベラルおよび保守派両党の専属ライターを配属している。従って、同紙が最も支持している両党の候補者名を公表することは自然である。共和党候補者の中から最も常識的な印象を受けるケイシックを選んだことは、同紙が中道的で無難な選択をしたことを示唆している。先日ボストン.グローブの編集委員会もケイシックを支持すると公表したが、彼は民主党寄りの保守派支持者にも好まれているようだ。また、特に女性の向上に貢献したクリントンを選択した事は、同紙が経験および実績主義であることに加えて90年以上前、女性差別の側面があった歴史から大きな進歩がある事を示唆している。

N.Y.Tは1851年9月、ジャーナリストで当時保守派ウイッグ党の支持者であったヘンリー.レイモンドにより、ニューヨーク.デイリー.タイムスの名称で創設されて以来、古い歴史がある。同紙は女性の編集部での地位を制限する差別的な慣行があったことも一部の過去の歴史として知られている。同紙最初の女性記者ジェーン.グラントは女性が雇用されていたという事実を暴露しないよう要請された経験があると書いたことがある。グラントは1892年生まれのジャーナリストで1925年2月に設立された、非常に高度で精錬された文体で知られるニューヨーカーの共同創始者である。彼女は第二次世界大戦中、ニューヨーカーを含む幾つかの雑誌に、男性の世界であったN.Y.Tの女性記者として、差別的規則や慣習を経験した事を告白した。フェミニストの彼女は男女平等を提唱し、1960年代には女性の権利のための作品を書き続けた事で知られている。そのような歴史的側面があるN.Y.Tは女性の向上を目指し、長年貢献してきたクリントンの業績に注目したことが興味深い。

30日のN.Y.Tによると、同紙は彼女の米国上院議員選挙で2回、バラク.オバマがライバルであった2008年の大統領選で1回支持を表明した。今回も「確信と熱意」で再び彼女の支持を公表し、クリントンが女性初の民主党大統領の指名候補者になると公言した。彼女の強敵である民主的社会主義者のバーニー.サンダースは 「不公平な所得と中産階級の長期的苦痛」を訴え、経済問題ではクリントンを「さらに左寄りに押し出している」が、「サンダースはクリントンが提供しているような経験や政策構想の幅はない」と指摘した。また、クリントンは国務長官として、国の利益の為懸命な努力を重ねてきたと評価している。

オハイオ州知事のジョン.ケイシックは「過激主義と経験不足」の多数の候補者に比較するともっともらしい唯一の選択であるとN.Y.Tは述べている。しかし、知事として中絶の権利を制限する為、および同性結婚に対抗するため戦った彼は「穏健派ではない」と指摘した。一方、州上院議員および米国下院議員として、党派の戦いと超党派の政策にほぼ20年間戦い続けた彼は、ベテランとして妥協する能力もあり、国民の「生活を改善する政府の能力を信じている」と評価されている。また、移民法では不法移民に市民権の道を提供する政策を支持し、貧困者、精神障害者、日陰に置かれている他の人々を保護する政府の義務を語っていると述べている。また、共和党議会は60回以上オバマケアの撤廃を試みたが、彼は自州でより多くの人々が医療保険の加入を可能にする為、オバマケア下でのメディケイド拡大に130億ドルを確保した。彼はニューハンプシャーでのキャンペーンで、彼の同僚はバラク.オバマの事ばかり話していることに疲れると嘆き、「希望、未来及び肯定的な事を語りたい」と語った。

両名候補者の支持決定はN.Y.T編集委員会によるものであり、同紙編集委員会はクリントンが国務長官時代、労働者、特に女性の向上に貢献していることを高く評価している。共和党候補者の中からケイシックを選択した同紙は、彼の政治的経験、柔軟性、一部の社会保守性を除き、穏健的な政治思想を評価し、大統領として最も政府を向上させる可能性があると述べている。そのような最大手メディアの観点と現在の共和党有権者の選択傾向には顕著な違いがあるが、予備選前の影響力の強い同紙の支持表明はクリントンおよびケイシックにとって大きなプラスになると言われている。創設から現在に至まで、創始者、創始者の政治的思想、時代背景、時代の流れと共にニューヨーク.タイムスも大きく変化した。過去に女性差別と反フェミニスト思考の側面があった同紙は、現在女性の機会向上に貢献し、フェミニストの象徴であるクリントンを最大限に評価している。その過去と現在のコントラストは鮮明であり興味深い。

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