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昨夜アイオワ州で開催された最初の指名投票の結果は、当日午前中公表された最新の世論調査が見事に外れたことを示唆し、共和党候補者の中でテッド.クルーズが勝利した。民主党ではヒラリー.クリントン及びバーニ.サンダースはほぼ同点の投票率で劇的な接戦であったが、クリントンの地域獲得数が幾分多かった為、事実上の勝利者として解釈されている。投票結果が99%報告された時点で、両党から各1名の候補者は辞退宣言を公表した。クルーズの勝利およびトランプの敗北には明白な理由があり、幾つかの重要な教訓を示唆している。アイオワで予想以上に高い投票率を獲得したマルコ.ルビオには好転のチャンスがあることを示唆した。

アイオワでの投票結果を受けて、わずか0.6%の投票率であった民主党候補者のマーティン.オマリー、および投票率1%の共和党候補者マイク.ハッカビーは今後希望がないことを悟り、早々に辞退を表明した。投票日の午前中に公表されたクイニピアック大学のアイオワ州民を対象にした世論調査結果では、アイオワの支持率はトランプが31%、クルーズは24%、ルビオ17%、ベン.カーソン8%であり、その他支持率4%以上の候補者はいなかった。一方、サンダースは49%、クリントンは46%、オマリーは3%であったが、夜半の指名投票の結果は世論調査が不確実である事を示唆した。 2日判明したアイオワの最終結果は以下の通りである。

共和党  年齢 投票率 投票数 備考
クルーズ     45歳 28% 51,666
トランプ        69 24% 45,427
ルビオ        44 23% 43,165
カーソン       64 9% 17,395
民主党 投票率 区域数 民主党は単なる投票数を表示していない
クリントン  68 49.9%      701
サンダース   74 49.6%      697

アイオワ州は99の郡があり、投票地域は約1,600存在する。両党の投票統計システムはそれぞれ異なっている。大半が共和党である同州は、共和党候補者の獲得投票数で投票率を計算するが、民主党は約1,600ある投票地域でそれぞれ3人の候補者の投票数が多かった地域別の合計を基準にしている。クリントンとサンダースは事実上ほぼ同点数で劇的な接戦であったが、 投票率0.3%ポイントの紙一重で、クリントンはサンダースをリードした。昨夜、投票結果が99%判明した時点で、両氏の投票率は50%対50%であった為、サンダースは統計的に同点であると宣言した。クリントンのキャンペーンは今日勝利を宣言した。サンダースはこの結果に疑問を提起した。

アイオワでの投票参加率は、過去最大であったと報告されている。同州の最大紙デモイン.レジスターによると、2012年大統領選には約120,000万人が参加し、今回は 60,000人多い約180,000人であった。同州の有権者は今回の選挙に熱意があることを示唆している。アイオワの福音派キリスト教有権者の参加率は、クルーズ指名勝利の最大の鍵である。クルーズは米国最大のプロテスタント系南部バプティストに属している。投票に参加した2/3は福音派であり、クルーズはその1/3の福音派の支持を得た。彼はキャンペーン中、福音派の多い同州でキリスト教徒の価値を熱心にアピールした。一方、トランプは無神論者に属し、聖書など読んだことはないと言われているが、福音派の支持を得る努力において、本人が意味を理解していない新約聖書の一節を引用し、恥を晒したことがある。また先週、マンハッタンの5番街で誰かを射殺しても、投票を失うことはないと傲慢で大胆な発言をした。更に、28日アイオワで開催された最後の討論会をボイコットし、彼に厳しい質問を提起するフォックス.ニュースの女性司会者に対抗できない弱さを露呈した。マイナス要素の強いトランプの言動が彼のアイオワでの敗北の要因であり、本人の自信と有権者の反応は異なる教訓を教えているが、アピールする政策が重要であることも示唆している。

クルーズはトランプが以前社会問題ではリベラルであり、中絶の権利を支持していたことを批判した。宗教を重要視するクルーズはキャンペーンの戦略がトランプより優れていたと言えるが、この州の共和党有権者は、2013年にオバマケアの融資停止を主張し、200億ドル以上の経済損失を生んだ政府閉鎖を先導した過激なクルーズを支持した。一方、ルビオのアイオワでの支持率は殆ど10%台であったが、昨夜の指名投票でトランプに肩を並べる23%を獲得した。クルーズが福音派キリスト教徒の有権者に依存するキャンペーンを実施している時、ルビオは投票前の最後の1ヶ月間、アイオワでのキャンペーンに集中し、ほぼ毎日参加した多数の地域集会で、保守派の団結を強調した。クルーズの勝利が確定したアイオワ当地時間午後9時半頃、トランプにほぼ接近したルビオは、明るく確信に溢れた表情で彼の支持者に感謝を表明し、クルーズの勝利を祝った。この選挙結果は従来の政治が終ったことを示唆していると述べ「国を取り戻す」時が来たと語った。

2月9日に開催されるニューハンプシャーの指名投票はアイオワとは異なるため、クルーズがこの州で再度勝利するかどうか疑問である。一般的に約70%の米国民は神の存在を信じていると言われているが、2012年のギャロップの世論調査によると、同州52%の州民は彼等の宗教心について「非宗教的」であると答えている。従って、アイオワと異なり、世俗的なニューハンプシャーでクルーズが何をアピールできるかである。また、反中絶およびトランプとほぼ同様の反移民政策を掲げているクルーズにとって同州はかなりの挑戦になる。しかし、20日に指名投票が開催されるサウス.キャロライナ州はアイオワと同様、福音派が最も多く、人口約490万中、140万人は福音派のキリスト教徒である。従って、ここでもクルーズは福音派有権者に依存するかもしれない。ルビオは、クルーズやトランプがクリントンを打破できるとは思わないと公言しているが、ルビオのキャンペーン戦略が有効であれば、今後彼がクルーズと肩を並べる可能性が高い事を示唆している。

 

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