アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

5回目の討論会、NHにて、Feb. 4, 2016  By The Hil

1日に開催されたアイオワの予備選はヒラリー.クリントンおよび民主社会主義者のバーニー.サンダースと劇的な接戦であったが、この傾向は今後も続くと予測されている。12月の全国世論調査から比較すると両氏の差は極端に縮まっているが、それには幾つかの理由がある。その顕著な一因は男女間及び世代間の支持傾向のギャップである。昨夜開催されたマーティン.オマリー辞退後5回目の民主党討論会で両氏は初めて一対一の激しい論争を展開した。開幕のほぼ最初の段階で、クリントンは彼女の支持率を極端に縮めた一因でもあるサンダースの抽象的で「巧妙」な戦略を批判した。

5 日に公表されたクイニピアック大学の世論調査によると、全国的なクリントンの支持率は44%、サンダースは42%であり、11%の国民は未定である事が判明した。12月22日に公表されたヒラリーの支持率61%、サンダース30%から比較すると、その差は極端に縮まったことを示唆した。サンダースとクリントンの支持率は男女間、若い世代と年配者との間に大きなギャップがある。男性の支持率はサンダースが高く、女性の支持率はクリントンが高いが、これも両氏が接戦になる理由を説明している。

クイニピアック クリントン サンダース
全国平均支持率 44% 42%
男性 38% 48%
女性 48% 38%
大卒(Yes) 45% 42%
大卒 (No) 44% 42%

また、女性の場合、中年以降の女性はヒラリーを支持しているが、若い女性はサンダースを支持している。特に18歳から29歳までの若い学生に人気があるサンダースは公立大学の教育費を無料にする政策を掲げている。サンダースは幾つかの側面でクリントンよりリベラルであり、非常にリベラルな有権者に支持されている。また、誠実性、好感度、印象などの観点からサンダースはクリントンより受けが良いことなどが挙げられる。

ニューヨーク.タイムスによると、ニューハンプシャー州の 18から29歳までの有権者87% は9日の予備選でサンダースに投票すると述べ、クリントンに投票すると答えた率は13%である。1日のアイオワでの予備選で17歳から29歳までの有権者の投票率はサンダースが70%ポイントもクリントンをリードした。しかし、アイオワでの指名投票では、年配者はサンダースよりクリントンに投票する率が高く、45から64歳までの中年有権者の支持率は23%ポイント及び65歳以上の高齢者では43%ポイントもサンダースをリードした。世代間による投票率のギャップは両氏が接戦になる最大の理由である。

なぜ、若い世代がサンダースを支持しているのか?ベテラン上院議員のサンダースは50年以上、退役軍人の教育給付金を援助しているGI.法案の主なスポンサーの一人である。一般的な学生ローンの負債は平均27,000から30,000ドルの範囲であるが、彼は長い間、高度教育に無理の無い学費を促進することをアピールしている。サンダースは看護婦、教師、警察官などの法務執行役員を含む公務員として働く大学卒業生のローンを無料にする債権放棄プログラムを促進している。この革新的な提案は多くの学生に支持されている。

一方、クリントンに対する若い世代の支持率が減少している。その一因は、サンダースが民主党の討論会で繰り返し、ウォール街の富裕層から選挙資金および高い講演料を受け取っているとクリントンを攻撃している事である。サンダースは2007年から数年続いた景気後退は米国民の責任ではなく、貪欲で無謀且つ非合法の行動があったウォール街の責任である述べ、金融改革を強くアピールしている。昨夜MSNBCの主催によりニューハンプシャーで開催された討論会でもゴールドマン.サックスのようなウォール街から講演料を受け、金持ちになったとクリントンを批判し、自分はスーパーPACを受けていないと主張した。クリントンは寄付を受けたことで、自分の政策を変えたことはないと主張し、そのような証拠を見つける事は絶対に出来ないはずであり、講演料を受けることを批判されることに強く反発した。また、クリントンは討論会の度に、同じことを繰り返し攻撃するサンダースに対して「巧妙に傷つけることを止めて下さい」と初めて強く反発した。彼女は「仄めかしによるこれらの類いの攻撃は貴方に価値があるとは思いません。もう、十分です」と指摘し、「重要な問題について論議しましよう」と促した。

両氏は、ウォール街と金融システムをどのように監視するか、その政策について論議した。2008年に破産したウォール街金融機関の救済に反対したサンダースは財務省が「破産するには大き過ぎる」これらの金融機関を分割する必要があると述べている 。一方クリントンは、銀行や金融会社はそのサイズと金融危機のリスクの度合いに基づいてリスク手数料を課すことや、ヘッジファンドの抜け穴を閉じ、株式市場および金融会社の透明性を強化し、取引頻度の高い株式市場に対する課税などの金融政策を掲げている。金融機関からのスーパーPACや寄付は両党多数の議員が受けているため、政治とお金が一体化している現在の選挙システムを変える必要がある。

クリントンの強みは、同じ仕事に対して同等の支払い、妊娠および病欠による有給休暇など女性を保護する政策を掲げ、女性の機会向上に長年戦ってきた事である。5日、一部地域で降雪のあるニューハンプシャーでのキャンペーンに応援参加している多数の民主党女性議員達は、大学の授業料を削減し、学生や若い母親を保護するヒラリーの政策を若い人がもっとも知る事で、学生を中心とした若い世代もヒラリーを支持するはずであると述べている。民主党の討論会で、庶民性と誠実な印象をアピールしているサンダースは、巨額の献金を受けていないと述べ、ウォール街で献金を受けているクリントンは裕福であるとの対照性を繰り返し強調してきた。これは学生ローンで苦しんでいる若い世代の心に影響を与えた可能性があり、サンダースのクリントンに対するこの攻撃戦略はこれまで有効であったことを示唆している。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。