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主流派共和党が恐れているドナルド.トランプの勢いを止めることは最早不可能である。23日ネバダ州での予備選は午後9時前から開票が始まり、開票報告が10%にも満たない時点でトランプは2位の候補者を約2倍引き離し、その時点で既に大勝利者としての地位を獲得した。ネバダ.コーカス(ネバダ州の党員投票)と呼ばれる昨夜の予備選は一部の共和党候補者にそれぞれ馴染みのある州で実施されたが、共和党支持者は連邦政府に最も怒りを表明している州である。マルコ.ルビオおよびテッド.クルーズも同様にネバダでのキャンペーンに全力を尽くしたが、幾つかの理由によりトランプはネバダでも圧勝した。

開票報告が僅か8%進んだ昨夜午後9時53分の時点で、トランプは3,297票(44.4%)を獲得し、2位のルビオの1,806票(24.3%)を大きく引き離した。今朝公表された100%の開票結果は、圧倒的な差で勝利したトランプの優勢と今後の強い可能性を示唆した。

候補者名 投票数 投票率 代議員数
トランプ 34,531 45.9 % 14
ルビオ 17,940 23.9% 7
クルーズ 16,079 21.4% 6
カーソン 3,619 4.8% 1
ケイシック 2,709 3.6% 1

23日の投票参加率は例年より高かったと報告されたが、幾つかの投票場では投票用紙が不足するか又は投票を2回行い、別々に報告されるなどの混沌状態が発生した。ネバダ州は土地所有権問題で複数の反政府運動が発生した州である。同州85%の土地は連邦政府が管理している事に不満を抱く有権者が多いと言われている。その代表者はバンディ家である。2014年4月、同州バンカーヴィルの牧場主クライビン.バンディは連邦政府所有の土地の放牧権を主張し、武装民兵を伴い、反政府運動を展開した。この父に触発された息子アモン.バンディは今年1月初旬、武装民兵を率いオレゴン州の野生生物避難所である連邦政府の建物を占領した。この親子とほぼ全員の武装兵はいずれも2月10日までに逮捕された。

ネバダ州のほとんどの土地は連邦政府が所有しているという事実に怒りを感じている有権者も多いと言われている。クルーズは同州でのキャンペーンでこれらの土地をネバダ州に戻すことを公約し、「我々の土地を返却」と記載されたポスターを利用したキャンペーンを展開した。また、2012年の大統領選で、共和党候補者であったミット.ロムニーはネバダでの予備選でモルモン教の多い当地で勝利した為、クルーズも彼等にアピールすることに力を入れた。一方、ネバダでも2位の地位を獲得したルビオは子供時代ネバダに在住した経験がある。当時彼の父親はカジノ.ホテルのバーで働き、母はホテルの家政婦をして彼を育てた。その期間、家族は一時的にモルモン教に改宗した。キューバ移民の子息であるルビオは、彼のキャンペーンで庶民性をアピールする傾向がある。

ネバダ州でのトランプの勝利は、彼が最終的に指名を獲得する条件に近づいていることを示唆した。トランプはラスベガスのホテル建設に貢献し、全国的に知名度が100%であるという点で有利である。同州での共和党有権者の10人に6人は、次期大統領をワシントン政治外の人物から選択することを求めている。従って、ベン.カーソンも政治外の候補者であるが、現在注目度が低いカーソンよりトランプは大幅に有利である。当地の有権者はこれまで彼等が支持してきた共和党リーダー及び政治家に対して、特に雇用拡大や賃金引き上げなど経済側面で、公約を果たしていない為、不満を抱いていると言われている。最低賃金引き上げを訴えているのはむしろ民主党であり、トランプは賃金引き上げに反対する意向を表明している。しかし、カジノ.ビジネスで経済を支えるネバダ州の共和党有権者は、トランプが従来のどの共和党より強く、米国企業のアウトソーシングを停止し、中国、北朝鮮、テロリズムの脅威に対抗できるという印象を抱いている。また、トランプは米国のどの場所でも、人が沿道で死亡することは絶対にあってはならないと述べ、弱者を面倒みなくてはならないと語っている。その方法に関する具体性は全くないが、経済の片隅で苦闘している共和党有権者に受けている側面がある。更に、同州の福音派有権者の投票率は他のライバルより高い40%を得た。

トランプの勢いを止めることに焦っている共和党主流派には最早手が届かない状態になっている。トランプが如何に優勢であるかを判断する別の基準は代議員数の獲得である。最終的に共和党大統領候補者としての指名を獲得するためには合計1,237人の代議員数を得る必要がある。ネバダの予備選前までにトランプが獲得した代議員数の合計数は67、クルーズが11、ルビオは10、ケイシックは5であった。24日午前中判明した投票結果後、トランプは新たに14獲得した為、現時点の合計は81である。ルビオは7 追加し合計17、クルーズは6追加があり合計17、ケイシックは1の追加があり合計6である。従って、トランプは24日の時点で最大の代議員数獲得者である。同数17の代議員を獲得しているルビオとクルーズは今後接戦を繰り返す可能性が高い。最も重要な予備選はスーパー.チューズデイ(ST)と呼ばれている3月1日に開催される11州の予備選である。STは一般的に2月及び3月初旬の火曜日に開催される大統領候補者の予備選に言及する。11州で予備選が実施される3月1日の火曜日は、競争に生き残っている候補者が合計595人の共和党代議員数を競う。トランプがこの機会に引き続き現在の傾向を維持した場合、彼はほぼ確実に最終的な共和党の大統領候補者の指名を獲得する。

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