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不動産王のドナルド.トランプは、圧倒的に高い確率で共和党大統領候補の指名を獲得する可能性がある。ヒラリー.クリントンまたはバーニー.サンダースのいずれかの民主党大統領候補者に勝利し、次期大統領に選出された場合、トランプは一般的な共和党路線を逸脱させ、長年の主流派共和党が築いてきた伝統を破壊する可能性がある。経済からISIS政策に至まで国内外の多数の政策において、主流派共和党とトランプの政策を比較すると顕著な違いがある。その相違は劇的である為、主流派共和党はトランプの指名獲得を恐れているが、政策の相違がその恐れの主要因ではなく、別の幾つかの理由がある。

以下チャートは11課題の政策概要を比較したものである。

政策課題  主流派共和党  トランプ
税制 低い税率は経済成長を促進するとのサプライ.サイド経済学を提唱し、雇用と富を拡大する企業への高い税率に反対。 全てのアメリカ人、特に彼を含む富裕層に大幅な減税をすることを提唱。
TPP 米国の雇用を拡大し、中国に対して戦略的提携を強化するとして、オバマ大統領の国際貿易推進を支持。 米国のビジネスへの攻撃であり、日本の通貨操作を停止しない。これは悪い貿易計画であると主張している。
医療保険 オバマケアを撤廃し、新たなプログラムと入れ替える。メディケアおよびメディケイドは近い将来破産すると主張し、民営化を提唱している。 オバマケアを撤廃し、自由市場及び低コストに基づき全ての国民が利用可能な医療保険と入れ替える。メディケアおよびメディケイドを削減しない。
社会保障 受益適正年齢を延長し、段階的な民営化を提唱。 国民は社会保障税を支払っているため、現状を維持。
中絶 中絶機関プランズ.ペーレフッズの(PP)融資を停止する。 女性の健康を維持する為、PPを有効活用する。
移民法 不法移民に市民権を与える事に反対するが、移民改正法の必要性を提唱。罰金及び税金を支払うなどの一定の条件下で合法的滞在資格を提供する。合法的イスラム教徒は米国の重要な経済基盤である。 国境の安全性を強調している。1,100万人の全不法移民を強制送還し、米国とメキシコ間の国境に巨大な壁を建設する。全てのイスラム教徒に対する入国を暫定的に禁止する。
銃法 米国憲法修正第二条を強調し、銃保持の権利を主張。ほとんどの銃規制に反対。精神異常者のバックグラウンド.チェックを含む管理システムを改革する。 第二条を強調し、銃保持の権利を主張。銃規制に反対しているが、バックグラウンド.チェック体制を支持している。
ISIS政策 イラク及びシリアに本格的な軍隊を派遣し、同盟国との連帯を強化しながら地元の兵士を支援する。 イラク及びシリアで空爆を増強し、兵隊を派遣し、ISISが略奪している石油を押収する。
中東問題 一般的にイスラエルとの強い同盟関係、及び近隣アラブ諸国間の平和を確保する政策を支持。 イラク戦争は中東を不安定化した為、兵士の生命及び財源を無駄にしたと主張。
軍事政策 強い軍事力を強調し、イラク及びシリアに軍隊を派遣することを支持している。 多額のお金を出費しない方法で、現在以上に強力な軍隊を構築する。
気候変動 気候変動は真実であるが、排気ガスの規制は経済的にインパクトがあると主張。 気候変動の概念は米国の製造業を非競争的にする為、中国人が創造した。

上記多数の課題に関して、トランプがキャンペーンで概略的に語っている内容を主流派共和党の政策と比較した場合、ほぼ共通している路線は税制と銃法だけである。しかし、ほぼ総体的な政策の相違だけがトランプの指名獲得を恐れる最も顕著な理由ではない。何故なら、大統領に就任した場合、大統領の政策や方針は総体的に各分野のアドバイザーによって調整される。例えば、1,100万人の不法移民を強制送還する政策は許し難いほどコストがかかると指摘され、彼の政権内部から強く拒絶された場合、その政策を押し通すことはほぼ不可能になる。例え可能であったとしても、議会が承認しない限りその法律は制定されることはない。従って、主流派共和党がトランプの指名を恐れている他の理由は、総選挙で民主党のクリントンまたはサンダースに敗北する可能性を否定できないからである。2月 2 日から 17 日までに 4機関が実施した世論調査は3つの機関でクリントンがトランプを少なくとも1%から7%ポイント先導し、接戦ながらもクリントンが勝利することを示唆している。

加えて、トランプは党派的哲学のない人物である。彼の党所属歴は驚くほど安定性がない。1987年から1999年までは共和党に所属し、1999年から2001年までは独立したリフォーム党に所属し、2001年から2009年までは長期的な民主党員であった。しかし、2009年から2011年まで共和党に戻り、2011年から2012年までは無党派に所属したが、2012年に再度共和党に戻り現在に至っている。この変遷は主にビジネス利点の為であり、一貫性がないことを示唆している。ほとんどの主流派共和党は、トランプの大統領候補の目的は自己プロモーションであると見ている為、彼を信頼していない。また、一定の揺るがない政治思想がなく意見は時々変わる。比較的高いレベルの課題について論理的に説明可能な大統領としての適正スキルに欠けている傾向がある為、議会メンバーと平和的な交渉及び和解を達成しにくいという点で主流派共和党はトランプを敬遠している。

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