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ニューヨーク市の元市長マイケル.ブルンバーグは1 月23日、大統領選に立候補する可能性があることを表明し、 2月の予備選が終わり次第決定すると述べていた。大統領選に独立党から立候補することは、総体的に大統領選を揺り動かす可能性があった。しかし、昨日その最終決定を公表したブルンバーグは、分裂的で過激なドナルド.トランプとテッド.クルーズを勝利させる結果になるリスクを防ぐためであることを明白に説明した。その決定声明文は彼の政治的思考を明白にしているが、幾つかの理由によりクリントンを保護する事が隠れた要因であることを示唆している。

ブルンバーグは財政保守派であるが、 銃規制やプロ.チョイスを支持するなど社会的にはかなりのリベラル派である。しかし、彼は7日ブルンバーグ.ビューにThe Risk I Will Not Take のタイトルで立候補しない事を決定した幾つかの理由を掲載した。冒頭に、国内では賃金、国外ではアメリカの影響力が低迷し、国民の怒りとフラストレーションが蓄積している現状で、ワシントンは機能不全と党派的な責任のなすりあいだけで何もしていない。最悪な事に、大統領候補者はその解決としてスケープゴートを提供し、達成不可能と思われる公約をしていると指摘した。彼は「しかし、我々が停止しない限り過激主義は行進中であり、海外および国内での問題は悪化するだろう」と述べている。また、主な民主党候補者は貿易、チャーター.スクール、赤字削減と金融部門の支持など、ビル.クリントン大統領下で「成長と機会に拍車をかけた政策」を攻撃している。一方、主な共和党候補者は移民改革、税に関する妥協、エンタイトルメント改革、超党派の予算支持などロナルド.レーガン大統領下で「成長と機会に拍車をかけた政策」を攻撃している。両大統領は「問題解決者であり、純粋なイデオロギー主義者」ではなかった。いずれの大統領も重要な方法で国を前進させたと指摘した。大半のアメリカ人はワシントンに失望している現状であり、過去数ヶ月間、現在の候補者を好いていない有権者を含む多くの人達は独立党から立候補するよう彼に依頼したと述べている。

ブルンバーグが立候補を考慮したそのような背景に加えて「ワシントンの党派戦争」を終え、アメリカ国民のために「機能する政府」を確率する事が彼の動機であった。しかし、データーを検討した結果、競争に参加した場合「勝利できないことは明確である」と述べ、「私は多様性のある州では勝利できると思うが、大統領が勝利するために必要な270人の選挙人数を得るには十分ではない」と述べている。ブルンバーグはこの声明の中で、彼が競争に参加した場合「三方向の競争では、どの候補者も選挙人投票の過半数を獲得する可能性は低く、共和党が両院を支配している競争で、彼が候補者になった場合「ドナルド.トランプまたは上院議員テッド.クルーズの選挙をリードさせる良いチャンスがある」とし、「それは良心で取ることができるリスクではありません」と述べた。

ブルンバーグは長年トランプとは知り合いであり、お互いに「懇意」の間柄であると述べているが、トランプのイスラム教徒の入国停止、不法移民の強制送還を含む移民提案、白人至上主義の無知、中国および日本に対する貿易の脅しなど、「ほとんど分裂的で扇動的な大統領選」を展開していると批判し、敵を鼓舞し、同盟国の安全保障を脅かす結果になるトランプの方針に強く反対していることを明白にした。又、言葉上ではトランプほど過激ではないが、クルーズの政策もトランプに劣らず過激で分裂的であると批判した。最後に、「最初から世界で最も偉大な国」である米国の価値に背中を向けることで「再びアメリカを偉大にする」ことは出来ないとし、米国大統領選の競争には参加しないが「党派的過激主義が私たちの国にもたらす脅威について沈黙のままではいません」と宣言した。更に「私は引き続き全ての有権者に分裂のアピールを拒否することを要請し、候補者は分裂を埋め、問題を解決し、私たちに値する正直で有能な政府を与えるインテリジェントで、具体的且つ現実的なアイデアを提供することを要求し続けます」と記述している。

多数の側面でリベラル思考のブルンバーグが立候補を諦めた理由は、そうでない場合、明らかに共和党2人の有力候補者であるトランプとクルーズの勝利を促進する結果になると判断したからである。つまり、リベラル寄りの中道派有権者はブルンバーグに投票する可能性があるため、特にクリントンの票はブルンバーグに奪われ、トランプ又はクルーズに勝利のチャンスを与える可能性があることを示唆した。従って、ブルンバーグは共和党最前線に立つこの両氏勝利の可能性を促進することは「リスクである」と決定した。クリントンは既に指名争いの予備選が終了するまでサンダースと接戦になる可能性がある。ワシントンポスト/ABCニュースの世論調査に基づく8日ワシントン.ポストの報告によると、2015年7月から2016年3月までの両氏の距離は約8ヶ月間で極端に縮小している為、ブルンバーグが立候補した場合、クリントンを苦戦に追いやる結果になることはほぼ確実である。

候補者 2015/7 2015/9 2015/10 2015/11 2015/12 2016/1 2016/3
クリントン 68% 56% 64% 60% 59% 55% 49%
サンダース 16% 28% 25% 34% 28% 36% 42%

ヒラリーはブルンバーグの決定について最大の敬意を表明し、「将来彼と共に仕事をすることを希望している」と語っているが、この接戦状況が進むとブルンバーグの立候補に最も影響を受ける候補者は恐らく彼女である。何故なら、クリントンはサンダースほどリベラルではなく、もっと中道派的側面があるため、彼女の票はブルンバーグに奪われる可能性が高い。過激的側面があるトランプおよびクルーズの投票にはさほど変化はないことが予測可能な一方で、民主党および無党派の票がクリントン、サンダース、ブルンバーグの3人に割れた場合、共和党の最前線候補者に有利である。従って、そのようなリスクを避けたのではないかとの印象が強い。ブルンバーグは上記の声明文でヒラリーの夫ビル.クリントンを評価している通り、クリントンとブルンバーグは長い間お互いの業績を尊敬しあい、良き友人関係を維持している間柄である。

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