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両党の大統領候補者の指名は、共和党及び民主党の全国大会でそれぞれ異なる場所およぶスケジュールに従い7月に実施される。これは予備選を終え、総選挙の幕開けの表明である。共和党全国大会及び民主党全国大会で、代議員はそれぞれの規定に従って各党の大統領候補者を指名するため投票を行なう。米国の大統領候補者の指名プロセスは予備選で候補者が獲得した代議員数には関係なく、選定された代議員によりコントロールされる為、実際には著しく複雑で非民主的なシステムである。共和党全国委員会(RNC)はこの全国大会を利用して、ドナルド.トランプを阻止する戦略を模索していると言われているが、保守派運動のグループもトランプの指名を阻止することに葛藤している。

RNCは共和党の大統領候補者を指名するため共和党全国大会を招集する。その大会は7月18日から21日までオハイオ州クリーブランドで開催され、2,472人の代議員が参加し、投票により共和党大統領候補者を指名する。共和党全国大会では下院議長のポール.ライアンがこの大会の議長を努める予定である。代議員選定の規定は各州によって異なり、代議員は各州の共和党が決定する党員で構成され、州議会内外の様々な人々が選出される。指名プロセスには非コンテスト、コンテスト、ブローカーの三段階がある。大会での指名プロセスの規定はこの期間の投票回数を含め、基本的にRNCの自由裁量権によってどのような方法にでも決定または変更することが可能である為、非常に複雑で混乱の原因になる非民主的なシステムである。

最初の段階として、非コンテスト大会で2,472人の代議員は最初に一回目の投票を行なう。この最初の投票で、候補者の一人(例えばトランプ)が代議員数の過半数(2,472人の過半数プラス1=1,237)の投票を獲得した場合、トランプの指名はその時点で確定する。投票規定は州によって異なるため、全ての州が予備選で彼等を獲得した候補者に投票する義務を定めているかどうか不明である。誰も1,237 の過半数を獲得しなかった場合、二回目の投票が行なわれ、誰かが獲得するまで投票を行なう。これはコンテスト大会と呼ばれる次の段階のプロセスであり、自由な方法で投票することが可能である。つまり、代議員は最初の投票で支持した候補者に再度投票する必要はなく、自由に誰にでも投票することが可能である。限定投票回数は不明であるが、複数の投票で指名候補者を決定できない場合、最後の段階として、ブローカー大会と呼ばれるプロセスに発展する。この場合、候補者および代議員らは交渉を行なう。例えば、トランプおよびテッド.クルーズはそれぞれ1,000票ずつ獲得し、ジョン. ケイシックが472票であった場合、472を獲得したケイシックはトランプかまたはクルーズのいずれかに、彼を副大統領に指名する条件で 472の代議員を譲ることを交渉するシナリオを想定する事は可能である。

現在、共和党候補者で最大の議員獲得者はトランプである。メディアの数値は一貫性がないが、共和党大会組織の情報によると、トランプは15日の5州での予備選後合計673を獲得した。クルーズは410、ケイシックは143である。従って、単純な指名方法であるなら、トランプが指名されるはずであるが、共和党大半の議員はトランプが共和党の政策目標に従っていない為、彼の指名を拒否している。従って、彼の勢力を阻止したい意向があるため、共和党全国大会の最初の投票で1,237の代議員数を彼が獲得しない場合、二回目の投票を行なうコンテスト大会でほとんどの代議員はトランプに投票せず、別の候補者に投票することで彼の指名を阻止することが可能になる。または、別の候補者を立候補させることも検討されたが、それは時間的に余裕がない現状である。事実、今月早々ライアンを立候補させる保守派グループの動きがあったが、ライアンはその意志はないとして拒絶した。何らかの方法でトランプの指名を阻止した場合、その結果トランプおよび彼の支持者を疎外するだけでなく、彼の支持者は総選挙の投票に参加しないことで謀反を起こす可能性がある為、民主党を勝利させる要因になる。しかし、影響力のある保守派運動のリーダー達は17日、ワシントンD.Cでトランプの指名を阻止する方法を協議するため秘密の会合を召喚した。トランプを阻止するどのような対策も手遅れであるが、過去に党所属を頻繁に変えたトランプの政策は多数の側面で共和党の路線を外れている為、保守派共和党の伝統を保護したいグループはまだ諦めていない。

民主党全国委員会(DNC)は4年に一回、ペンシルベニア州フィラデルフィアで民主党全国大会を主催する。今年は7月 25日から 28日まで4,765人の代議員が結集し、民主党大統領の候補者及び副大統領の候補者を指名する。指名を獲得する為には4,765 の過半数(2,383)を獲得する必要がある。また、民主党には代議員の他にスーパー代議員が存在する。彼らは上院、下院、および知事を含む民主党議員、または選出された党上層部の役員達で構成されているメンバーである。基本的に、民主党全国大会で彼らが誰を投票しようと自由であるが、ほとんど常に予備選で代議員数を最も多く獲得している候補者を支持する傾向がある。しかし、過半数の代議員数を獲得しなかった候補者を指名するための投票ではどちらにでも揺れる可能性がある。複数の情報筋によると、ヒラリー.クリントンは既に1,500以上の代議員数を獲得している。ニューヨーク.タイムスによると、クリントンは1,139およびバーニー.サンダースは825の代議員数を獲得している。クリントン及びサンダースはそれぞれ467および26のスーパー代議員も獲得している。

今後の予備選は3月19日から7月14日までの期間に約20州及びグアムなど3つの領土で行なわれる。トランプおよびクリントンは、全国大会の最初の投票で規定の代議員数を獲得する保証はない。従って、たとえトランプが7月14日までに1,237またはそれに近い代議員数を獲得した場合でも、代議員による指名プロセスの投票は実施される。両党の全国大会での代議員投票は、総選挙での大統領選が選挙人数で決定する事と同様であり、幾分非民主的な要素がある。今後の予備選の重要な鍵は、勝利者が全ての代議員数を獲得するシステムを採用する州である。いずれにしても、今年の大統領選は米国の歴史を劇的に変える危機感がある為、両党は必死である。オバマ大統領は一部の共和党候補者のキャンペーンが混沌状況であることを懸念しているが、常識を越えた今年の選挙状況で、反トランプ運動および抗議活動は今後も続く可能性が高い。

 

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