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白人労働者、中産階級、および若い世代の多い州でバーニー.サンダースの支持率が高い最も顕著な理由は、コミュニティ.カレッジ (C.C)などの公立短大および 公立大学の学費を段階的に無料にする政策をアピールしているからである。高度教育の学費が高騰している現状で、サンダースの政策は最も若い世代に魅了されているが、高度教育の学費無料は非現実的であるとの声もある。サンダースの政策が現実的であるか否かを幾つこの観点から論じることは可能であるが、現実的には共和党が議会を支配している限り不可能である。

サンダースは学費を無料にする6段階として最終的には ⑴ 4年大学の学費も無料にすることを目指している。フィンランド、ノルウェー、スウェーデンなど世界の多くの国が全ての国民に無料大学を提供し、昨年ドイツは学費制度を廃止し、来年チリも同じことを行なうと述べ、他の国が出来るなら米国に出来ないはずはないと指摘した。⑵ 今後10年間で、連邦政府は学生ローン.プログラムを通して、推定1,100億ドルの利益を得るが、これは道徳的に間違っている悪い経済学である。従って、連邦政府が学生ローンから利益を得ているシステムを廃止する。⑶ 大学生のローンの金利を4.29%から2006年レベルの2.37%に引き下げることで実質的に学生ローン金利を引き下げる。⑷ 何百万人もの大学卒業生は、何十年も5%から7%以上の金利を支払うことを余儀なくされている。しかし、米国人は今日の 2.5%低金利で自動学生ローンを取得することは可能である。 ⑸ 部屋、食事、書籍代などを補う財務の必要性を100%満たすため連邦、州、大学の財政援助を公立短大および大学に通う低所得層の学生が利用できることを可能にする。また、彼らが卒業後貴重なキャリアの経験を構築するため連邦労働学習プログラムを3倍増加する。(6)この750億ドル計画のコストは、7年前ほぼ経済を破壊したウォール街の投機家に税金を課すことで支払われる。2008年に納税者がウォール街の救済を可能にしたのであれば、全米の公立短大及び大学の従業料を無料にすることは可能であると説明している。

このような考案に基づき、 C.Cおよび公立大学の学費を段階的に無料にするというサンダースの政策は非現実的だと主張している人達もいる。2015年1月、オバマ大統領はテネシーでのC.Cでのスピーチで、短大の教育費も高校と同様に無料にするべきであると語った。複数の世論調査は、米国学生の最大のチャレンジは学生ローンの負債であることを明白にしている。ローンがあった場合、卒業後すぐ返済しなくてはならない為、収入の安定した雇用が保証されていない場合、人生はかなり苦痛である。従って、学生ローンの負債を生涯背負って生きたくない為、教育費が「無料」になるという言葉にほぼ全ての若い世代は魅了されている。故に、学生の子供がいる中産階級はサンダースの無料教育政策を強く支持している。非現実的であるとする主張に対するオバマ氏の提案は、議会が法案として通過しなくてはならない為、無料教育を受けられる人達の条件をどうするかという問題である。例えば、成績平均点(GPA)の2.5を維持するなどの成績評価および特定の職業に奉仕する地域社会サービスなどが含まれる。更に議会が最も問題にすることは資金である。 C.Cを無料にした場合、少なくとも10年間で、700億ドル前後かかると言われている。

学費に限らず、歴史上非現実的な政策を提案し、相手にされたなかった大統領もいる。例えば、ジョンF.ケネディは「月に行こう」と提案した時、非現実的だと多くの人達は笑ったが、それはすぐ実現したことは歴史が証明している 。また、大学の授業料が無料だった時代がある。全米で最初の州として、1960年代カリフォルニア州は高度教育を推進するシステムを促進し、約20の同州の大学が無料システムを開始し、約100の短大も参加した。しかし、ロナルド.レーガンは、同州の知事に就任した後無料制度を廃止した。廃止の理由は同州が財政困難に直面した為である。財政困難に陥った理由は不動産税を廃止し、ビジネスおよび富裕層の税を削減した為である。レーガン就任後から教育は特権であり、権利ではないと主張する共和党が増え、特権を主張する一部の学生から変化の要請があったことも廃止の動機に繋がった。1982年12月カリフォルニアの無料教育制度は公式に終わり、その後再び無料になることはなかった。

大学の授業料は2000年代以降上がり続けているが、実際には1980年前後から 上がり始め、少なくとも毎年インフレーションの 2倍上昇しているとの説もある。多額の学生ローンを抱えた若い世代は、結婚し所帯を持ち、住宅を購入し、将来の為に貯金することも困難になっていることが現状である。将来負債に悩まされることなく、機会の向上を得るための高度教育のチャンスはほぼ全ての若い世代に共通した夢である。しかし、高度教育を無料にした場合、入学率は増加する可能性がある為、それに伴い、無料大学のコストも上昇するという大きなマイナス点がある。また無料大学に革新的で質の高い教育を期待できるのかという疑問も出てくる。 また、サンダースは「 若い人々が世界中からの労働者と競合している時代の世界経済で、米国は可能な限り最高の教育を受けた労働力を持っている必要がある。それは、大学を手頃な学費にすることを意味する」と述べている。しかし、学費無料を提供していない国でも教育水準の高い労働力のある国は存在する。経済協力開発機構(OECD)の研究によると、2013年に世界で最も教育レベルの高い労働力の国は韓国であり、67%の労働者は何らかの高度教育を受けている。日本とカナダは同じく58%、アイルランドは51%、米国は45%である。韓国、日本、カナダの学費は無料ではないが、無料であるアイスランドは40%、ドイツは30%である。

上記の論争は、高校で満足に勉強しなかった因果として、高度教育に進む適正能力がない人々も多数存在するため、 公立大学が無料になったとしても、全ての人々が無料大学に入学可能な適正資格を備えていないことを考慮していない。実際にサンダースが提案していることは、高校および短大での成績が良いにも関わらず、学費が高いため高度教育を目指すことを諦めている人達、および現在学生ローンに苦しんでいる人達を意識して語っている。無料大学が存在した歴史を考慮すると非現実的ではない。米国には低所得家庭の学生を援助する連邦政府のペル.グラントがある。これは納税者が負担している為、その資金を政府が最大限に有効活用し、サンダースが提案しているような税制改革をすることで資格があっても大学に行けない人達を援助することは可能であると思う。オバマ及びサンダース両氏が述べているように、ウォール街及び富豪層に対する税の抜け穴を防ぐ税制改革を実行すれば、無料教育は非現実的ではない。しかし、多数の共和党は教育の民営化を提唱している為、そのような税制改革となると共和党が議会を支配している限り実現しないかもしれない。

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