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1963年、歴史的に最も著名な最高裁判事アール.ウォーレンは全ての人々の公正と平等の権利を保護する憲法に従い、投票および 議会代表者の分配に関して、一人一票の同等の原理に基づき各州が全ての人口を基本に数えることを規定した。一人一票の概念は全ての人は平等に創造されたものであるとの憲法修正第14条 の原理を強調したもので、歴史的判定として長年尊重されている。最高裁は4月4日、歴史的なこの投票の原理に挑戦した保守派グループの主張を圧倒的多数派で却下した。この重要な判例の要点は何か? 判定結果はどちらの党に有利なのか?この判定の意義は何か?

テキサス州の保守派はこの歴史的決定を変える為、最高裁に上訴した。下級裁判所の判定で、全ての人口または有権者のみを数える方法のいずれでも良いと判定された為、有権者のみに限定することを望んでいた数名の原告保守派は、典型的保守派のベテラン判事アントニン.スカリアが生存中、再度挑戦した。4日、最高裁は6対2で圧倒的に保守派グループの挑戦を却下し、選挙区を描く場合、投票権の有無に関係なく全ての住民を含むことは合法的であると判定し、この歴史的原理を保持した。この判例の主な論点は、議会の代表者を分配する場合、各州は都会に住む傾向がある非市民又は移民の多い地域社会と田舎に多い白人地域社会とに分かれて選挙区を描くべきであるかどうかという事である。原告側は、下院議会の議席を割り当てる時、合法および非合法の移民を含む非市民および投票権のない非有権者も人口として算定することは違憲であると主張した。これに対し、市民権擁護団体は、原告側の目的は郊外の白人および田舎の有権者の政治権力を増加する為であり、都会の少数派の有権者及び非有権者も多い地域社会を無視する措置は憲法違反であると反論した。

4日の最高裁の判定は民主党を援助する結果であることを示唆している。何故なら、郊外の白人および田舎の有権者は共和党に投票する傾向があり、都会に住む少数派の有権者は民主党に投票する傾向があるからである。また、都会には投票権のない移民が圧倒的に多い。従って、選挙区の描画及び議員の割当プロセスから非有権者を除外した場合、移民を含む少数派の多い地域社会の政治力は著しく弱体化する可能性が高くなる。つまり、有権者のみを数えた場合、その政治的権力は都会から白人の多い田舎に集中するシナリオも想定可能である為、共和党に有益である。ルース.ベーダー.ギンズバーグ判事は多数派を代表し「憲法の歴史、この裁判所の決定、及び長年の慣行に従い、州は総人口に基づいて立法地区を描くことを保持します」と判定文に記載した。下院議会の議席は各州の国勢調査による人口を基本に配分されるべきであり、有権者のみではないとし、現状を維持する決定を下した。しかし、有権者のみを基準にすることを違憲であるとは断言せず、全ての人口を考慮することが憲法に照らし公正であると決定しただけである。

この判例の原告側は白人の権利を強調することで、数年前、投票権、アファーマティブ.アクション、公民権など幾つかの判例に挑戦したことがある組織を代表するエドワード. ブルームに先導されたグループである。原告側は1963年最高裁の歴史的なウォーレン判事の「一人一票」の基本原理を却下し、新たな規定に変えることを希望していたが、ギンズバーグ判事は、非有権者を含む全ての人々は政治的討論に参加する資格があると判定した。強固な保守派のクレアランス.トーマス及びサミエル.アリート判事はギンズバーグ判事率いる多数派の意見を否定した。

最高裁は、政治および社会的地位に関係なく、全ての住民を数えることが合憲であると判定した為、大多数の集団、特に白人がその数に比例して政治権力を得る結果になるかもしれない原告側の主張を圧倒的に却下したことは驚きの展開である。最高裁は9人の判事が揃っているべきであるが、スカリア判事の死後、まだ空席の状態であることがさほど影響しなかったことは有意義である。オバマ大統領は先日、スカリア判事の後継者として多数の両党に尊敬されているメリック.ガーランド判事を紹介したが、上院議会の共和党15人を除き、上院多数派のリーダーであるミッチ.マコーネルおよび他の共和党メンバーは「オバマの就任中に後継者の聴聞会および投票を認可しない」と主張し、憲法の義務を放棄したままの状態である。しかし、今日の判例は後継者が決定されていない8人の判事(両党いずれも各4人)による裁判状況でもさほど支障がないことを示唆した。

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