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11月の総選挙では大統領選に加えて、議会選挙、特に多数の上院議席の競争は非常に重要である。両院議会は2014年の中間選挙で圧倒的多数派として議会を支配するようになった。しかし最近、穏健派の共和党及び無党派の有権者は共和党に幻滅しているため、上院共和党が多数派の現状を引き続き維持することが可能であるかどうか不明である。政治分析者は、リーダーを含む多数の共和党上院議員は、オバマ大統領が指名した最高裁の後継者に対する公聴会および投票を拒絶する党派的且つ非民主的な態度が総選挙で予期しない結果になると分析している。上院民主党は後継者指名を強く推進している為、オバマ氏は7日シカゴでの集会でメリック.ブライアン.ガーランド判事の卓越性を再度アピールした。

2016 年 11月8日の総選挙では、上院議席100中34議席の獲得競争が行なわれる。2014年の中間選挙で上院共和党は54議席を獲得し、圧倒的多数派になったが、2016年の選挙でも同じ状況を維持する保証はない。その34中共和党は24、民主党は10議席を保持しているため、これらは各党が引き続き保持可能な数値であるが、今回の選挙では、民主党が2年前に失った議席を取り戻す可能性があると予測されている。その主要因は、前回共和党に投票した共和党穏健派および無党派の有権者は共和党に失望しているからである。

オバマ氏は3月16日アントニン.スカリアの後継者として、かなりの中道派で多数の共和党にも高く評価されている1952年11月13日シカゴ生まれのガーランド判事を指名した。彼はコロンビア地区の米国控訴裁判所の裁判長であり、1997年から同裁判所で奉仕している。上院共和党リーダーを含む大半の共和党メンバーは、現役大統領に残された任期は一年未満であるとして、聴聞会および投票を実施しないと宣言した。しかし、これは憲法の義務に反する完全な党利党派的行動である為、最高裁主席判事ジョン.ロバーツも公聴会を開催するよう催促したが無視している。しかし、このような様子を有権者は黙視していない。3 月22 日に公表されたニューヨーク.タイムス /CBSニュースの合同世論調査によると、総体的に53%の国民は、オバマ大統領が指名した判事に投票するべきであると答え、42%は来年新たな大統領が指名するまで待つべきであると答えた。10中7人は、上院共和党リーダーが公聴会を拒否して理由は遅らせる事が国の為に最善であるからではなく、政治的な理由であると思っている事が判明。

この問題は現在論争的になっている為、特に無党派の有権者が失望している一因であるが、2016年大統領選の共和党候補者の発言は頻繁に極端で、時には支離滅裂であることも有権者が幻滅する要因である。特にドナルド.トランプは多数の方面で政策がない為、中絶問題でも数時間以内に数回立場を変えた。3 月 30日MSNBCのキャスター、クリス.マスューズが進行役を務めたウィスコンシン州でのタウン.ホール集会で、トランプは中絶問題に関し、プロライフであると述べ、中絶を選択する女性に対して「何らかの形での罰則があるべきです」と語った。その後、女性はむしろ「犠牲者である」為、「医者を罰するべきである」と述べた。更にその数日後には中絶に関する法律は既に米国に存在するため、それに従うべきであると語り、1973年最高裁のロー対ウェイド判決に基づくプロチョイス擁護を示唆する発言をした。一つの課題に対して、数日間以内に少なくとも3回立場を変え、全国放送のニュースを注目している国民を驚愕させた。突然、圧倒的に女性の支持を失ったトランプは5日のウィスコンシン州の予備選で、テッド.クルーズに約48%の投票率を奪われ、彼は35%の投票率で惨敗した。2013年に連邦政府の閉鎖を先導したテッド.クルーズもトランプと同様3月22日に発生したブリュッセル自爆テロ後、「イスラム教徒をパトロールする」との無謀な提案をするなど、差別的政策を掲げている。穏健派共和党の有権者にとって、残っている3人の共和党候補者の中で誰を選択するべきか、多大なフラストレーションを感じていると言われている。

従って、幾つかの州では共和党支持基盤が弱くなっている状況が報告されている。特に、これは上院選挙に直接反映する可能性がある。バージニア大学の超党派政治分析組織である政治センター(CFP )は7日、コロラド、アイオワ、ミズリー、ノース.キャロライナ、オハイオ、ペンシルベニア州の共和党穏健派および無党派の有権者は、最高裁指名に関する課題も含めて極端な発言をする共和党候補者に失望しているため、上院選挙で民主党にチャンスが開かれていることを示唆する分析を提供している。分析の要点として、コロラド州は民主党寄りの州であるが、もっと民主党になる傾向は強くなる。ミズリー及びノース.キャロライナ州は完全な共和党から共和党寄りの州に変化し、オハイオ及びペンシルベニアは共和党寄りの州からどちらにも揺れる州になると述べている。

また、アイオワも上院議席競争で、2012年には安全な共和党州であったが、その安全な基盤を失いつつある。アイオワ出身の上院司法委員会共和党議長のチャック.グラスリーは、ガーランド判事に会うことには同意しているが、上院共和党リーダーのミッチ.マコーネルと同様、指名考慮のプロセスである公聴会の開催さえ拒絶している為、このような搾取は彼が予期しない結果になると CFP は分析している。グラスリーは、過去全ての再選で毎回60%の投票率を獲得している支持率の高いベテラン議員であるが、今年7期目の再選を目指す彼に対する穏健派及び無党派有権者の投票に影響が出る可能性があるとし、この州での上院議席の競争は共和党にとってかなりの注意が必要であると指摘した。

上院の議席競争は6州で共和党穏健派の有権者が共和党議員に対する忠誠心を失い、無党派はもっと民主党寄りになっていると分析している。CFPの報告は、民主党大統領が指名した最高裁後継者に対する上院議員としての義務を放棄している大半の共和党の態度が総選挙に影響があると指摘している。オバマ氏は7日午後、イリノイ州シカゴ大学で開催された集会で、ガーランド判事の卓越した超党派的見解、知性、長年の豊富な経験、法曹界両党の支持および敬意をアピールし、彼は「コンセンサスの構築者」であると評価した。また、スカリア判事の後継者及び最高裁判事として優れた資格があると述べ、上院が義務を果たしていない状況は「民主的プロセスを崩壊する」と語った。民主党大統領が選んだ判事に対する上院共和党らの拒否は、共和党大統領がホワイトハウス入りすることを期待している単なる党利的計算が動機であり、議会選挙に及ぼす影響を考慮していない危険な政治的かけひきである。

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