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下院議長のポール.ライアンは7月にクリーブランドで開催される共和党全国大会で密かに大統領候補者の指名を受けいれる準備をしている印象を受ける。大統領に候補する意志はないと言っているが、彼は最近中東を訪問し、資金集めの為多数の都市を旅行し、集会でスピーチを行なうなど異例の行動を取っている。今年の共和党全国大会はコンテスト大会になり、大統領選に立候補していない人物が指名される驚きの展開になる事を否定する理由もない。外交政策、貿易協定、移民法などトランプに対抗する政策があり、主流派に最も支持されている現役の共和党はライアンである。

ライアンは既に3月中旬から、大統領候補者になる「ドアを開く」ことを維持するつもりがあるかどうか多方面から様々な憶測があった。多数のメディアは共和党全国大会ではコンテスト大会になる可能性があるからことを予測しているが、ライアンは全国大会で「土壇場の大統領候補者になるつもりはない」と述べている。また、ライアンは先日、トランプとクルーズを歓迎していない主流派、およびトランプを止めることに葛藤している共和党に、彼等の党を救える人物はライアンだけであると称賛されたことに対して「私が受けた激励に感謝しますが、私は候補者にはなりません」と表明している。その一方で、選挙年に下院議長としては珍しい行動を取っていると見られている。

10日のニューヨーク.タイムス(NYT)によると、彼は最近かなり「政治舞台」に上がっているという。先週イスラエルのネタニヤフ首相(写真中央)を訪問し、地元の記者と会い、イスラエルに対する米国の公約を明確にした。また、安全保障および諜報の問題を議論するため他の中東諸国およびドイツも訪問した。また、政策代替案を作成し、大統領選の努力と「平行した政策キャンペーン」を実行している。大会前に計画している公式な党のプラットフォームに対する補足的な議題を整備し、特に貧困や経済問題で政治と政策に関する定期的な演説を行い、 その後ニュース.メディアでそれらを促進している。また、ライアンは共和党の為に本格的な寄付金を集めている。共和党全国議会委員会は先月ライアンの2つの電子メールから$185,000の寄付を受けたことを確認した。ライアンは最近、寄付金集めのため月曜から金曜日までの期間に5州9都市を訪問し、水曜日には次の州に移動する前にアラバマで 5時間過ごした。元下院議長であったジョン.ベイナーを間接的に辞職に追い込んだティパーティーのフリードム.コーカスのような幾つかの保守派からの寄付集めには非常に慎重であるという。

ライアンは大統領候補者として立候補する可能性があることを示唆するコメントもある。20年間ライアンを知っているジョージW.ブッシュ政権下でホワイトハウス事務所戦略イニシアチブの元ディレクターであったピーター.ウェーナーは「ライアンには非常に野心的な動作があります。彼はアイデア、政策提案および党原則の道のりを説明しようとしています。それは選挙年に議長としては非常に珍しい事ですが、ライアン自身は非常に異なる人ですので、これはこの通常とは異なる大統領年の結果です」と述べた。つまり、異常な選挙状況になっている大統領選年には異例の動きがあっても不自然ではない事を暗示した。

ライアンの不可解な動きは、主流派共和党とはほぼ全てが異なるトランプに対抗する為である。例えば、トランプはオバマ大統領が推進している貿易協定TPPに反する意見を提供しているが、ライアンは貿易協定の熱心な提唱者であるため「交渉を拡大する権利を大統領に与える」為の法案を書いた。また、ライアンはエンタイトルメント.プログラムの支出を抑える計画に関して彼は党の立案者であるが、トランプはそのような支出には手を出さない方針である。またライアンは移民法改正を支持する党のリーダーであるが、トランプは不法移民に反対することが彼のキャンペーンの中心になっている。プランズ.ペーレンフッズ(PP)の融資停止の課題に関して、ライアンはテッド.クルーズと同様の立場である。トランプはクルーズとほぼ同様の移民政策を掲げているが、PPに関しては女性の援助に役立つと述べている。また、2010年のアフォーダブル.ケア.アクト(ACA)制定以来、共和党は撤廃投票を60回以上繰り返したが、代替え政策の立案に失敗している。しかし、ライアンは貧困対策計画の概説およびACAの代替政策も考案する意図がある。更にライアンは、指名の歩調を合わせていない可能性もあるが「国家安全保障上の課題を提示する非常に異例のステップ」を踏まえている。

ライアンは昨年10月、下院議長に推薦された時も繰り返し下院議長になる意志はないと公言した。少なくとも3回以上拒否を表明した後、結局分裂している党内を団結することが可能であるなら議長職を受けると公表した。彼は2012年大統領選でミット.ロムニーの副大統領として立候補している為、現在彼の大統領立候補を望んでいる多くの仲間の希望を頑に拒絶する理由があるだろうか? 共和党全国委員会(RNC)は主流派で構成され、最初から反トランプであった。クルーズはトランプより幾分受け入れられているが、主流派に敬遠されている存在である。しかしRNCは予備選で最も代議員を多く獲得している候補者を優遇する規則を定めている為、トランプまたはクルーズのいずれかが指名を受ける事が自然なシナリオであり、コンテスト大会で行き詰まった時のみライアンが指名を受ける結果になると判断する事が最も良心的である。しかし、ライアンは野望を秘めながら密かに7月の全国大会で指名を受ける準備をしている印象も受けるが、いずれにしても彼は全国大会の中心人物であることは確実である。

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