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2010年以降、投票抑圧法の制定は定着しつつあり、今年の総選挙は著しく多数の有権者が直面する。投票を奨励する投票権に反して、投票時間および投票場所を極端に削減する措置を含む投票抑圧の党派的戦略は、特に民主党に投票する傾向がある少数派の投票を困難にする結果になっている。総体的に有権者ID法と呼ばれる何らかの投票抑圧法を制定している州は22あり、何らかの改正を行なった州も含めて、今年の大統領選で初めて効力を発揮する州は多数ある。2016年大統領選の競争は特に熾烈であり、両党はいずれも民主党候補者のヒラリー.クリントンの勝利を予測している。投票抑圧政策を推進する州は驚異的に共和党が支配する州である。ID法に限らず投票前に煩わしい規定がある投票システムの例はクローズ予備選である。今日ニューヨークでは一部の有権者が投票を拒否されたと報告された。

今年2,700万人以上のヒスパニック系アメリカ人は11月の総選挙で投票する資格がある。10州はヒスパニック系アメリカ人が多い州であり、そのうち6州は共和党州である。最終的には有権者ID法で人口動態を変えることは不可能な状態であるが、相変わらず投票を厳しくする非民主的な政策は拡大している。4月4日に公表されたブレナン司法センターの報告書によると、今年は17州が11月の総選挙で、初めて投票を制限する新たな法律を有効化する。その法律は厳格な写真付きID、市民であることを証明する書類、誕生証明、早期投票を削減することから投票登録の制限に至まるまで、投票を厳しくすることで投票意欲を削ぐような考案である。

それらの州はアラバマ、アリゾナ、ジョージア、インディアナ、カンザス、ミシシッピー、ネブラスカ、ニューハンプシャー、ノース.キャロライナ、ノース.ダコタ、オハイオ、ロード.アイランド、テキサス、バージニア、ウイスコンシンである。個々に制定された年月は州によって異なるが、過去のID法を改正し、更に厳しい投票法として2016年に大統領選で初めて有効になる。アリゾナは3月に知事が署名したばかりである。あえて投票を阻止する措置を講じるこれらの州はニューハンプシャー及びロード.アイランドを除き全て共和党が支配している。有権者ID法制定の動機について、ブレナンは「投票権を縮小するための広範な運動の一部であり、投票を困難にする為、数百の厳しい措置を州の政治家が紹介し始めた頃、 2010年の選挙後に開始された」と説明している。2012 年の大統領選から厳しい投票制限がある州はフロリダ、イリノイ、アイオワ、サウス.ダコタ、ウェスト.バージニアである。総体的に2010の中間選挙から22州で様々な投票制限が実施されている。

オハイオ州は2014年に一連の厳しい規則を設定し、早期投票を6日削減し同年から施行されていたが、昨年訴訟があった。その結果、日曜日の一日を取り戻し、平日の投票に数時間が追加された。早期投票は5日間削減された為、3月15日の予備選では、10時間待った人もいると報告されている。更にこの日は、シンシナティ近辺の高速道路で交通事故があり、昼間勤務中で投票できない為、夕方投票場に向かっていた大勢の人々は交通渋滞に直面した。幾人かの代表者は投票場が閉鎖される前に1時間延長するよう地元の裁判所を通して要請した為、判事は閉鎖時間が過ぎてから命令した。しかし、このエピソードは呆れた事態に発展した。同州グリーン.タウンシップの上院共和党のビル.サイツは閉鎖時間を過ぎた時間に投票場を開けたままにすることを判事が命令する前に、それを要請する有権者に対してその費用を補うため、数千ドルの現金債券支払いを義務化する為、州の法律を変更すると提案したという。交通事故で道路が混雑し、投票に間に合わない有権者の為に投票時間を調整することは市または州政府の仕事であるが、有権者が判事に要請しなくてはならない状況に加えて、現金支払いを要求する提案は法外である。

また、今日ニューヨークではクローズ予備選が行なわれているが、この州は党派に属していない場合、その党の候補者に投票できないため、幾人かの独立派の有権者が投票場で閉め出されたと報告された。元来、独立派であったサンダースは民主党から立候補している為、以前独立派として投票登録していないサンダースの支持者は、少なくとも3月25日までに民主党として登録する必要があったが、今日投票できない人達がいると予測されていた。これも柔軟性のある制度下で投票を促進する事より、むしろ投票を阻害する選挙システムである。同州は25%以上がクローズ予備選に影響を受けると言われている。

投票抑圧措置は19世紀から20世紀のジム.クロウ法(Jim Crow Laws)を制定した南部で最も多く利用されていた。人種および肌の色を理由に、市民の投票権を否定することを州および連邦政府に禁じた米国憲法修正第十四条の原理に基づき1965年の投票権制定以降、そのような投票抑圧政策は非合法または合法的である。しかし、その線が明白ではない投票制限措置は論争的であるため、訴訟が頻繁に発生している。オハイオ州の例は、州政府が本来の任務を忘れビジネス化している一例である。歴史的な投票抑圧措置の代表的な例は1850年から60年代、最も困難な憲法の一部を解読させる識字テストである。1870年代には人頭税(Poll Tax)と呼ばれる1ドル(現在約18ドル)の税金が課せられた。いずれも投票を阻止することが目的である。現在の有権者ID法はこのジム.クロウ法の伝統がある州で特に厳しい条件が設定されている。投票場、早期投票日、および時間の削減は、特に黒人の多い地域で採用されている証拠が確認されている。従って、現在の有権者IDは人頭税であると言われている。黒人およびヒスパニック系などの少数派の政治力を抑圧することが目的であるこの風潮は150年前と本質的に変わっていない。

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